常々死にたいと思い性自認に悩んでた不眠症気味の二次元オタクがなにわ男子に出会って性自認をとりあえず確立し不眠症が治って生きようと決意した話

桜が満開のある日、ボクはこの世界に生を受けた。美人なお母さんとイケメンなお父さんの間に生まれ、小さい頃は可愛い可愛いとちやほやされて、正直自分中心に世界が周ってるんだと思ってた時もあった。そんなボクだが、実は小学生の時から自分の性に悩み自殺願望ではなく希死念慮が強くて、自律神経失調症も相まって少し前まで不眠症気味だったのである。でも今は希死念慮はほぼ無くて、自律神経失調症も薬で多少は改善、不眠症は完治した。これは、そんなしがない、どこにでもいるかもしれない1オタクの独白文である。



キスマイがデビューして、キスマイブサイクっていう番組が始まった時、お母さんが録画予約してたから初回放送から見始めて、そこで一目惚れした人がいた。藤ヶ谷太輔である。この時ボクはインラインスケートというものをやっていて、独学にしては結構上手な方だと思ってたから、キスマイに会いたくてジャニーズ事務所に入りたいと思った。でもどうやら親がテアトルに履歴書を送っていたらしく、その話をされたのでジャニーズに入りたい、とは言わなかった。そのまま時が過ぎてついこの前お母さんから「実は1次審査通ってたんだよ」と言われはぁ?ということになるのだがこの話はまた次の機会があればしようと思う。

今思えば、性に希薄だったのは幼い頃からだった。

11歳くらいの時、思春期に入りたての頃だっただろうか。ボクは、自分の性別に疑問を持った。ボクは本当に、「女の子」なのか?って。

好きになった漫画とかアニメとか、兄がいたからジャンプ作品が多かった。兄が見てたからボクも見たし、兄が見てなくても、こういう青春したいなぁとワクワクしながら読んでし見てた。好きなキャラもかっこいいキャラが多くて、いわゆるリアコだってしてた時があった。でも、ふと、気付いた。

「ボクはこうなりたいから好きなんじゃないか?」と。

一つ例を挙げるとするなら、家庭教師ヒットマンREBORN!の雲雀恭弥。雲雀さんは孤高の風紀委員長で強くてかっこよくて、「誇りだから譲れないんじゃない、譲れないから誇りなのさ」って中学生ながらこんなかっこいい言葉が言える人。上着とか制服とかを肩にかける癖があるのは雲雀さんがそうしてたからってくらい、ボクは影響を受けた。

まあつまり。ボクは雲雀さんになりたかったっていうことだ。

一人称についてだけど、10歳の時にはもうボクは「ボク」という一人称を使っていた。理由は七つの大罪のディアンヌが可愛かったから。あと、使ってみたら思ってた以上にしっくり来たから。だから漢字ではなくカタカナのボク表記だったりする。

話は戻るけど、雲雀さんになりたかったんだと気付いた時、ボクにとっては結構衝撃が強かった。好きな人だったはずの人に、実はただ憧れてただけなんて。そしてふと疑問を抱く。どうして雲雀さんになりたいんだろう?

まあ雲雀さんはかっこいいし強いし風紀委員長だし年齢不詳だし好きな寿司のネタはえんがわなのに好きな食べ物は和風ハンバーグとかいうギャップの塊すぎる男だ。六道骸と並んで一時代のジャンプを支えた人気キャラ。憧れるのは正直当たり前のことである。でも、「成り代わりたい」と心から思ったのは、当たり前ではない、と思った。

そんな時市営図書館で出会ったのが、ジェンダーで悩む人の本だった。自分の性で悩むのは思春期ではよくあることだ、と前書きに書いてあったから、その通りかな〜なんて思ってたけど、いつの日かスカートを履くことが苦痛になっていた。制服で着るのが嫌なくらいには苦痛だった。自分の好きな服は可愛い系の、若干ロリータっぽい感じだったり、少し前のAKBみたいな制服系だったけど、着たいと思ったのは男の子用の服で。小学校の卒業式に着る服を直前で悩みたくなかったボクは1年前に服を選んでいたんだけど、親から全力で止められて、本当は着たかった男の子用の服を諦めて、ショートパンツのなるべくかっこいいやつにした。最大限の反抗だったと思う。

まあそんなこんなで、いつの日にかボクには「死にたい」という思いが芽生えていた。自分の着たいものは止められて、アレルギー持ってたから公立中学に行くより完全お弁当の近くの私立中学に行った方が楽だと言われて、中学受験することになって友達とは離れ離れ。思春期特有の病み期ってやつに入った。一時期リスカもしてて、今でも手首をよく見ると傷が残ってたりする。


中学に入ってしばらく経った頃、ボクは本態性自律神経失調症と診断され、大好きだった運動が出来なくなった。これも、ボクの死にたいと思う心を増長させたのだと思う。

キスマイはもちろん好きだけど、二次元アイドルにとことんハマった。あんさんぶるスターズ!の朔間凛月と逆先夏目と天祥院英智、うたの☆プリンスさまっ♪の美風藍、アイドリッシュセブンの九条天。きらきらしてる彼らが眩しくて儚くて羨ましくて、大好きだった。このメンツを見ればボクの好みが藤ヶ谷太輔から変わってないことがわかると思う。なお、幼少期に好きだったのはBREAKERZのDAIGOである。あとあさが来たに出てた五代様ことディーンフジオカ。好み変わってなさすぎだろ。ボクの好みは一旦置いといて、眩しいくらいに輝く彼らが、ボクは大好きだった。

大好きだった、のだ。

一応訂正を入れると、今も大好きではある。でもあの時は、どこか空虚感を持ちながら彼らを推すことが、辛くなっていた。

二次元アイドル以外にも色んなアニメが好きだったんだけど、推しに尽く先立たれて辛かったのもある。代表例はKの十束多々良、鬼滅の刃の時透無一郎あたり。多々良さんは物語が始まる前に死んでたし、無一郎は本誌読んでたら死んだ。

自分ができないことをしているアイドルを羨み、好きになったキャラは死んでいく。

心が死んでいく。

そう感じていた。

全ての物事がどうでもよくて、死にたくて死にたくて仕方なかった。灰色の世界ってこういうことなんだろうなぁって思うくらい、毎日が虚ろだった。

どうでもいい、死にたい、でも自殺するのは面倒。学校に行きたくないけど行かなきゃいけない、みたいな謎の責任感あったから学校には行ってたけど、毎日毎日ずっと死にたいと思いながら、それを吐き出すように小説を書いて、自分の世界を創ってた。でも空虚なボクが創る世界なんてたかが知れてる。つまんねぇなぁ。心の隅でそう思ってた。

そんな自分が大嫌いだった。

2021年夏。原神っていうゲームで金リンゴ群島を探検してた時。魔偶剣鬼と戦ってた時かな?あんまり覚えてないや。

お母さんが再生してたYouTubeの動画から、急に歓声が聞こえてきた。戦闘中だったから余計な音が耳に入ってきてうるさいって思ったけど、お母さんも「やった!」と言ってたから、何かあったんだろうなぁと、ぼんやり考えた。戦闘中のボクのことなんてお構い無しに、「なにわ男子デビューするんだって!」と話しかけてきて。なにわ男子ってなんだよ。だっせぇ名前だな、というか今戦闘中なんだけど?反抗的に「あっそう」と素っ気なく返した。それが後々後悔に繋がるとも知らずに。

それから1週間くらいはニュースで「なにわ男子デビュー!」って耳にタコができるくらい聞いて、いやどうでもいいからって、聞き流してた。

相変わらずの空虚な日々。押し付けられる性別との乖離。ある日を境に、夜に眠れなくなった。

夢を見るのが怖かった。夢の世界のボクは楽しそうで幸せそうで。意味わからなかった。深層心理のボクはこうなの?じゃあ今表面にいるボクは何?

楽しくないよ幸せじゃないよ。辛いのに苦しいのに、どうして?

そんなボクに転機が訪れる。11月27日に放送されたドッキリGPに出演してた、可愛い子が目に留まった。

目が大きくて、可愛くて、なのに声が野太くておっさんみたいな子。

少し前に放送されてたモニタリングで、ずっと誰かとくっついてた子だと気付いたのはもう少し後の事だけど、それでも、なんだかその子から目が離せなかった。

きらきら輝くお星様を連想するくらいのぱっちりおめめ。その目が印象に残ってる。

まあここまで書けば誰だかわかるよね。というかTwitterの紹介欄見ればわかるか(笑)

大西流星くん。

彼の名前と顔を、初めて知った瞬間だった。

その後ボクはすぐに彼のことを調べた。

兄と同い年で、ジャニーズ事務所所属歴は既に9年。人生のほぼ半分をジャニーズに捧げてきた人。入所当初からグループを組んでもらえてまいジャニの司会進行を担当。関西のエリート。2018年になにわ男子結成、そしてデビュー。代表曲はダイヤモンドスマイル。メイクは自分でやってるくらいの研究家。

次の日、学校に行って早々、元eighterの子に、「ジャニーズアイドルってどう推すの?」と聞いたくらいには、速攻で沼にハマった。

それからは怒涛の日々だった。なにわ男子が出てる番組はほぼ全部見たし、歌番組は録画、ジャニーズカウントダウンもリアタイ。まいジャニも見始めて、LIl かんさいの嶋﨑斗亜くんと當間琉巧くんに沼ったり、今までゲーム配信者「Leo」としてしか知らなかった山田涼介のご尊顔にやられて顔が好きと叫んだり、佐藤勝利の顔絶対好きだから見ないと言い張ったり。1月5日にはなにわ男子のファンクラブに入ってた。今までキスマイを除く二次元アイドルにしか興味なかったのが嘘みたいな日々。

楽しい。幸せ。

久々に、生きたいと思った。

大西流星くんがメイク男子だと知った時、まじまじと彼の顔を見た。中性的で綺麗で可愛い顔。男なのか女なのか、顔だけでは判別つかない顔。その顔に見合うメイクを日々研究する姿に、感銘を受けた。それまでメイクは女の子のものだと思ってたから衝撃もあったけれど。

そこでボクは、初めて自分に向き合った。

「ボクは一体何?」

答えは出なかった。でも出なかったことが答えなんだと思った。

女の子にはなれない。かと言って男の子になりたいかと言えば違う。ボクがなりたいのはあくまで雲雀恭弥なのであって、男の子ではない。

LGBTQAというものがこの世にはある。左から順番にレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クエスチョニング、アセクシャル。ボクはこのどれにも当てはまらなかった。色々調べると、Xジェンダーというものが目に留まった。ここで説明すると長くなるからしないから、気になった人は自分で調べてみてください。

あれ、ボク、これじゃね?Xジェンダーなんじゃね?

性的嗜好についてはまだまだわからないけど、とりあえず今はこのXジェンダーでいいかなぁ、って決めたら、ストンって心に収まって、余裕ができた。びっくりするくらい、心に平穏が訪れた。

ボクはまだ思春期だ。だから、とりあえず今はこれ、って決めただけ。後から変わることもあるかもしれない。今のボクに必要なのは平穏だから、「いやお前違うだろ」っていう意見はやめてね。

久々に心に平穏が訪れたからか、久々にゆっくり眠れた。その日の夢に出てきたのは大西流星くん。楽しくて幸せで、夢から醒めても辛いなんて思わなかった。

今まであんまり仲が良くなかったクラスメイトとも仲良くなれたし、楽しいし幸せだし、沢山の夢を見せてくれた。

それまでずっと好きだったまふまふさんが無期限活動休止を発表してもそこまで精神が不安定にはならなかった。

彼に、彼らにこんなたかだか1オタクの独白文なんて届かなくていい。日文科志望のクセに文章崩壊してるし、何言ってるか分からないと思うし、知らない作品の名前が出てきて「?」ってなった人も多いと思う。

でも、この気持ちは今言わないと、書かないとダメな気がしたから書いた。

死にたいと思ってたけど生きたいと思った。不眠症気味だったのが治った。自認性別がとりあえず決まったら心が平穏になった。

それだけ。ただそれだけ。でもボクにとっては「それだけ」なんかじゃない。

デビュー魂全滅したって、番協全落ちしたって、それでもボクが彼らのことが大好きなのはこういうことがあったからなのだ。

きらきら輝くお星様。大切で大好きな、ボクを救ってくれた人。
どうか健やかに、自分の夢に向かって突っ走ってください。

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