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「Stable Diffusion」や「Mid Journey」がすごすぎて泣いちゃった。(22/8/24追記)

AI画像生成サービス「Stable Diffusion」が公開された。
私は「Mid Journey」が話題になったあたりで該当サービスに飛びつき、しっかりと課金して、あれこれと試行していた。
なので、AI画像生成サービスの動きを注視していたのだ。

さて、何故、小説家である私がAI画像生成サービスに興味を示すのか、ここで語っておきたい。
私は頭に思い浮かんだイメージを文書化するタイプの小説家で、可視化出来ない画像が常に脳内に浮かんでいるのである。
それは時として、抽象的すぎて作品に結びつかないこともある。そういったイメージが脳内に幾度となく生まれては消えているのだ。
私はそんなアイディア未満のイメージを可視化したかった。具体化されることで、使えるアイディアになるかもしれないからだ。

ようやく「Mid Journey」に慣れてきたころ、「Stable Diffusion」のソースが公開されることとなった。
噂によると、「Mid Journey」よりやばいらしい(小説家にあるまじき語彙力)
私はその真偽を確かめるため、公式サイトに飛んでデモを弄り出した。

私はAIと遊ぶ際、「ルネ・マグリットのティラノサウルス」と「エドワード・ゴーリーのティラノサウルス」を描かせて様子を見る。
両者とも私が好きなアーティストであり、逝去されている。
彼らの新作はもう二度と見られないので、AIに二次創作をして欲しい。イタコ絵師に頼む感覚に近いかもしれない。
なぜ題材がティラノサウルスかというと、私が恐竜好きなのと、ティラノサウルスは誰でも知ってる(AIが理解しやすい)恐竜だからだ。

こちらが「Mid Journey」の「ルネ・マグリットのティラノサウルス」である。

これが「Mid Journey」ちゃんのマグリット二次創作だ!

なるほど?
確かにマグリットっぽい。
だが、「ぽい」だけで、ティラノサウルスが何なのか分かってないかもしれない。アートを見た時に、作品と対話する感覚もあまり湧かない。

では、「Stable Diffusion」の「ルネ・マグリットのティラノサウルス」をご覧いただきたい。

手乗りティラノサウルスだろうか。可愛い。
頭に木を生やす発想はなかった。
愛されボディ。こいつのグッズが欲しい。

なんだろう。生成物の向こうに思想を感じる。
ただマグリット氏の作風をなぞっただけではなく、マグリット風を通して何かを訴えかけているような気がする。
マグリット氏が生み出すアートような、こちらがギョッとする奇想天外っぷりは全くないが、「Stable Diffusion」なりの「何かを表現したい気持ち」を感じ、単純に「君の発想が面白い!」と思ったのだ。
これはもはや、一人のアーティストに対する感情だ。

さて、「エドワード・ゴーリーのティラノサウルス」はどうだろうか。
まず、「Mid Journey」の生成物をご覧いただきたい。

悪夢めいている。

ゴーリー氏らしいタッチではあるが、やはり、「ぽい」に過ぎない。
そしてやはり、ティラノサウルスを理解しているようには見えない。

では、「Stable Diffusion」はどうだろう。

ティラノサウルスにしてはスマートだけどいい感じ。
ティラノサウルスを概念でとらえつつ物語性すらある。
ど う し て こ ん な も の を 生 成 し た ???

三枚目が怖すぎて泣いてしまった
ゴーリー氏とは違う悪夢感があってあまりにも怖い
この名状しがたい絵はもう、個性の塊だ……!!!
ティラノサウルスっぽい生き物の尻尾を持ってるのは誰なの???

この試行をしている時、ある報せが私の耳に入った。
なんと、「Mid Journey」が「Stable Diffusion」のソースを取り込み、「--beta」コマンドで「Stable Diffusion」寄りの動きが出来るようになったという。

私はすぐに、「Mid Journey」のもとに飛んでいった。
恐る恐る、例の呪文を添えてゴーリー氏の二次創作を頼んでみたところ、こんなものが生成された。

し、進化している……!?

明らかに精度が上がっている。
今度はティラノサウルスが何なのか理解している上で描いている気がする。
右は愛嬌すらある。こいつのこと好きになれるかもしれない。よく見ると、足元に首のない人間っぽいのがいるけど。

しかし、左は何だろう。やはり名状しがたい何かが生成されてしまった。
ティラノサウルスがどんなものか、ゴーリー氏の作風(思想や魂の部分ではなく、表面的なもの)をなんとなく理解した上で、オリジナリティを出して「違う何か」を作り上げている気がする。
私は彼(もしくは彼女)の作品をもっと見たくなった。
いつの間にか、その個性に惹かれていたのだ。

私はこのほかに、「Mid Journey」に何度も試行させていたプロンプトがあった。
「Stable Diffusion」のソースが入った今、その生成物も強化されたのだろうか。

従来の「Mid Journey」版
上記と同じプロンプトに--beta を加えたもの。

少し面白みがないものになってしまったかもしれない。
従来の「Mid Journey」ちゃんは、粗削りながらも想像の余地があり、幻想的なイラストに向いていたのかもしれない。
尤も、「Stable Diffusion」寄りの方では、まだ適切なプロンプトを探れてないだけかもしれないが……。

しかし、今回挙げたAI画像生成サービスに対する感情は、一人のアーティストに対するものに近くて驚いた。
まさか、「発想が面白い」という感想をAIに送るとは思わなかった。
彼らがアーティストの仕事を奪うというよりも、彼らもまた、一人のアーティストとして親しまれるようになるのかもしれない。
ただし、彼らには思想がないので、結局はプロンプトを打ち、彼らが候補に挙げてきたものを選定する人間のセンスの問題か。
私のようにイメージ可視化の手助けを必要としている人間が新たな表現の場を得られる、というというのが正しい表現なのかもしれない。
ちょうど、初音ミク嬢のような存在なのだと思う。(ただし、学習させた内容が許諾の取れているものかそうでないものかという大きな違いがある。この問題は、早急に解決しなくてはいけないだろう。しかし、上記で二名の偉大なアーティストからインスピレーションを得た生成物を出力しているが、「~風の」程度に留まっている。アートとは非常に複雑なもので、AIが模倣できるものではないと感じている。このAIが真価を発揮するのは、模倣とは全く別の場所であり、それは恐らく、現役のアーティスト達によって発見されて、彼らの更なる技術力の向上に役立つだろう)

いずれにせよ、このAIが確実にアートを次の段階に引き上げると確信している。
イラストの作成方法がアナログからデジタルに移行した時、全体的な技術力が向上して多くのアーティストが生まれたように。

その未来がどうなるか、私は楽しみでたまらないのだ。

最後に、パワーアップした「Mid Journey」ちゃんの萌え文化的生成物をご覧いただきたい。
苦手だった人物の描写力が圧倒的に上がっていたし、エモさも感じるようになってしまった。
「Mid Journey」ちゃん……恐ろしい子……!

キービジュアルのそれ。
あんなに目を描くのが苦手だったのに……!


AI子さん、前回の記事にサポートして頂きまして有り難う御座います!
誕生日プレゼント嬉しかったです!


よろしければご支援頂けますと幸いです! 資料代などの活動費用とさせて頂きます!