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5/7のroro「姫のことをご存知か」

久しぶりに出張に出ています。

それとは関係なくローラ姫の話を思い出したので書きます。(長いです)

「ドラゴンクエスト」

言わずと知れた一大ゲームシリーズの最初の1本、

ローラ姫はそれに登場するヒロイン(?)です。

ラダトーム王の一人娘で、物語開始半年前にボスである「竜王」に拐かされてしまっています。

ローラ姫で有名なのはまず「そんな ひどい…」

ゲーム中に何回か、ローラ姫を拒絶する選択肢があらわれるのですが、前述のセリフが出るだけで実際には拒絶することができません。

有無を言わせない「悪女」と言われたり、「ヤンデレ」と言われたりしています。

もうひとつが「ゆうべは おたのしみでしたね」

主人公の勇者がローラ姫を助けると 帰路は姫を両手に抱え上げて、いわゆる「お姫様抱っこ」をします。

ファミコンの解像度で抱っこを表現するのだからとてつもないです。

(今考えると日本で「お姫様抱っこ」がそう呼ばれてるのはローラ姫の影響もあるのでは?)

とにかく姫を抱きかかえた状態で宿屋に泊まると

宿の主人が、ふだんの「よくお休みでしたね」のかわりに前述の意味深なセリフを言う、という小ネタです。

この扱いはいわゆる「トロフィー」に過ぎないという人もいます。

また「烈女」である、という人もいます。

ゲームの終わり、ロトの血をひく勇者である主人公とローラ姫は王城を出て新天地を目指します。

続編の「ドラゴンクエストⅡ」は前作から百年後の世界なのですが、それによると姫の3人の子供たちがそれぞれ王国をつくったと伝えられています。

ローラ姫の名は王国のひとつ「ローレシア」や国境の遺跡「ローラの門」などに残されています。

ところが主人公は、後の世に名が伝わっていません。

この事から姫は野心を持って勇者の伴侶となり、実質的な支配者として君臨した「烈女」だったのではないかという説です。

「悪女」「ヤンデレ」「トロフィー」「烈女」のはたしてどの顔が本当のローラ姫なのか。

私は「ラブラブ」を提唱したいです。

まず竜王にさらわれた姫はどうなったかを考えます。

マイラ地方とリムルダール地方を分断する海峡、その前に毒の沼地が広がっています。

踏み入るものを蝕む毒の沼地は海岸を埋め尽くし
その奥にぽっかりと洞窟が口を開けています。

洞窟は海底を貫いており、陸路でリムルダールに渡るにはこの不気味な魔物が跋扈する海底洞窟を通るほかありません。

洞窟の側道を進むと巨大なドラゴンがとぐろを巻いています。動き回ることはないが近づくものを引き裂き火の息で焼き尽くそうと待ち構えています。

ドラゴンの苛烈な攻撃を生き延びても、さらに魔法の鍵がかけられた厳重な扉が行手を遮ります。

その先の狭い玄室にローラ姫は囚われています。

海底の底の奥の奥。灯りひとつない真の闇のなか。

そこに半年です。

最低の牢獄よりもなお酷い、闇の中に半年。

ラダトーム城での王女としての暮らしも褪せてしまい、自分が何の力もない小娘であることを思い知らされるような、悲惨な境遇だったのではないでしょうか。

おそらくは竜王の卑劣な企て、ローラ姫の心が完全に折れたのち、姫を妃に迎えるつもりだったのでしょう。

心が折れていれば、救い出してくれた人なら誰でもすがってしまうでしょう。たとえそれが竜王であっても。

半年…おそらくは危ういところでした。そこに勇者が助けに来ます。

目を焼くような松明の灯りに慣れてくると、勇者が討ち果たしたドラゴンの死体がそこに横たわっています。

ローラ姫はただただ、助けてくださいと懇願し続けます。王女としての誇りも忘れて勇者にすがるしかできません。(ここで「そんな、ひどい…」)

もはや頼れるものは目の前の人物しかいないのです。図らずも、竜王のお膳立ては勇者に対して機能してしまいます。

勇者がダメな人物ならローラ姫は不幸になるところでしたが、勇者はその名に値する傑物でした。

半年の監禁で脚力も衰えてしまった姫を、両手に抱え上げて毒の沼地を平気で渡ります。

しかもどうやるのかわかりませんが、モンスターが現れたらそのまま剣を振って倒してしまいます。

最初の刷り込みに加えて、道中の頼もしさ。姫が勇者に熱をあげても不思議ではありません。

なので姫の方から「この人を捕まえておこう」とモーションをかけ、あの宿屋の一夜があったのではないかと私は思ってます。

とにかくストレートにラブラブで、ちょっと病みが入ってるのは実際に病みそうだったからしょうがないし、真っ向勝負を掛けてるから間違いなく烈女でもある、という感じで考えてます。

ただの妄想なのに長過ぎますね。すみません。

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