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実は学問的に説明できる、ベンチャーがやりがいを感じやすい5つの要素


よく「ベンチャー企業はやりがいがある」と言われますが、実はこれ学問的にも説明が可能です。今日はハックマン・オルダムの職務特性モデルをざっくりご紹介します。

これは心理学者のハックマンさんと、経営学者のオルダムさんが提唱した理論で、モチベーション上がる仕事ってこういう5つの特性があるよねというものです。もちろん個人差はあるかと思いますが、だいたいこんな感じということで。

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それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

1
技能多様性

これは「単純作業ではなく、多様なスキル活せる(求められる)仕事」であるほど職務満足が上がりやすいというものです。

たしかにベンチャー企業はスペシャリストも多くいますが、中には「セールスかつマーケティング」「人事かつ広報」「なんだかよく分からないけどいろいろやってます」といったことも多々あります。そういう人って、なんだかんだで楽しそうだったりします。納得。


2
タスク完結性

また、「一部分だけでなく、仕事の流れについて全体を理解できる・関われる仕事」というのも職務満足は高まりそうですよね。これも分かる気がします。

ベンチャーの場合は、規模がそこまで大きくないので社内の業務がどのようにつながっているか(大企業と比較すると)見えやすいことが多いことがあり、自分の担当業務が全体でどのような位置づけにあるかを理解して取り組みやすくなります。


3
タスク重要性

さらに「社会的に重要で、人々の生活への影響を感じられる仕事」も勿論、気分が上がります。燃えますよね。

すべてのベンチャーがこれに該当するわけではないでしょうが、特に世の中に新しい価値を創造することを志すビジョナリーな企業は、そしてそれに関する職務に準じている人たちは、自分たちの仕事や役割の重要性を感じやすそうですよね(これは大企業もそう)。


4
自律性

他人から口出しされるのってイヤですよね。一方、「自分自身の裁量で自律的に考え、判断し、進められる仕事」はやりがいを感じやすいのではないでしょうか。 ※自分で決めたくない・責任は負いたくないと思う人もいるので、一概にそうとは言えませんが。

ベンチャーの場合、マネジメント層が「そこまで管理しきれない」というのが実情としてあるのでメンバーは自ずと自律的にならざるをえないというケースは多々あるわけですが、自分で決めたことは意欲が湧きやすいというのは確かにそうですね。


5
フィードバック

自分が頑張った結果がどうなったか分からないのは、なかなかストレスです。やはり「自分のアクションの結果がどうなったのかを知ることができる仕事」は魅力的ですよね。

大企業ですと顧客・ユーザーからの距離が遠くなってしまい、自身の仕事の価値野生化へのフィードバックがなかなか得られづらくなりますが、ベンチャーの場合はそれこそ日々の売上成長や機能改善、ユーザーの反応などダイレクトに感じやすいでしょう。


ということで、ここまでベンチャー礼賛チックに書いてきましたが、従業員30人のベンチャー〜30万人以上のグローバル企業にいた自身の所感としては

■ベンチャーといってもいろいろな会社・職務があるので、当てはまらないことも多々ある

■大企業だからといってもこれらの要素を持つ仕事はもちろんあるので、ベンチャーvs大企業の軸で比較しきれるものでもない

■大企業は大企業なりのダイナミズムや社会的使命といった大企業ならではの醍醐味というのもある(というか、このエントリは大企業がやりがいがないとは一言も言ってない)

ので、あくまでもご参考までに。


最後に。これらはベンチャーに限らず、マネージャーがメンバーのモチベーションをアップさせたい際にも有効なアプローチで、可能であれば・・・

1. 技能多様性
より多様なスキルを活かせるような(求められるような)役割を任せる

2. タスク完結性
企画から運用・改善フェーズまでまるごとやらせてみる

3. タスク重要性
今の仕事の意味についてメッセージングする、意味を本人と一緒に考える

4. 自律性
あれこれ口を出さずに自分で考えて実行してもらう

5. フィードバック
顧客や他部署からの反応を本人に伝える

など仕事のアサイン・やり方・任せ方・支援の方法などを変えてみるといいかもしれませんね。

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