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就活生に知っておいて欲しい、キャリアにおける5つの「資」


就活生にとって6/1は節目の日。夏インターンへの関心が高まっている23卒の学生も多いのではないでしょうか。このnoteでは、そんな若い方々がこれからのキャリアを考えるにあたって参考になればと思い、キャリアにおける5つの「資」についてお話しします。

先日のNIKKEI STYLEでこのような記事がありました。

会社選びで注目すべき点をもう一つ挙げるとすれば、「就職人気ランキング」などに振り回されすぎないことです。就職人気ランキングのトップ10社の株式を毎年買うという取り組みを1985年くらいから30年ほど行った分析があります。結果はボロボロです。学生に人気がある会社に成長力があるというわけではないのです。ランキングはその会社の過去の実績を表しているのです。

\ 結果はボロボロです /

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そう、そもそも企業選びは難しいのです。それでは就活生や若い人たちは何に着目して企業や仕事を考えていけばいいのでしょうか。これから解説するキャリアにおける5つの資のうち、4つめの「資本」に着目する(=どのような資本が得られる企業なのかといった視点を持つ)のがいいのではないかと僕は思います。


キャリアにおける5つの資


図示するとこのようになります。 ※個人差あり。異論は認めます。

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1つずつ説明していきますね。

1つ目の資 
「資格」


ここでいう「資格」とは、挑戦する資格のことです。やってみたいことがあるとして、就職活動や転職によって、もしくはズバリ国家資格の取得などによって挑戦権を得ること。キャリアのスタート地点ですね。(やりたいことが明確にあるわけでなくても、職に就く必要はあるので、その権利)

構成要素としては、「挑戦の姿勢」✕「努力の質」✕「努力の量」✕「環境要因」。

[ 挑戦の姿勢 ]
やったるでという気持ち(まんま)。まずは掲げる目標みたいなもの。

[ 努力の質 ]
いわゆる「有効努力」。単に一生懸命やるだけじゃなくて、成果が出やすい努力の仕方。

[ 努力の量 ]
いわゆる「量稽古」や活動量。

[ 環境要因 ]
自分の努力を助けたり邪魔したりするアンコントローラブルなもの。
ポジ的:親の後押し、心強い仲間たちなど。
ネガ的:大学なんて行かなくていいよ的な周囲の声など。

この機会を得るステージというのは、ほとんどの場合は10〜20代に集中している気がします(もちろん30歳を過ぎても挑戦は可能ですが、機会自体は少なくなったりします。自ら作らない限り)。

2つ目の資 「資源」 
 ✕ 
3つ目の資 「資質」


仕事の機会を得たとしても、最初から実務で通用する実力を持っていることは少ないのですよね。多くの人は「資源」から始まります。経験はないけど、やる気や体力ならある!という状態です。 ※個人差あります。

[ 仕事に使える時間 ]
家族ができたりすると、仕事にフルコミットというわけにはいかないので、多くの人にとっては若いうち限定のリソース。

[ 体力 ]
これが一番わかりやすい時限的リソース。35歳とか超えると徹夜とかできなくなりますからね(徹夜前提で考えるのがおかしいけど)。

[ 新鮮な脳みそ ]
脳のはたらきも次第に衰えてきます。the老化。認めたくはないけど、無念です。

[ 新鮮な気持ち ]
歳を重ねても新鮮な気持ちを持ち続けることは可能です。ただし、今まで経験してきた世界が広がると、若い頃ほど体験の新鮮味は薄れます。(そうならないように「新しい世界の自己開拓力」は必要ですが、それはまたどこか別の記事にて)


僕らは老います。これら資源は加齢とともに失われてゆきます。そのため、いつまでも資源に頼った働き方はできません。仕事などを通じて、限られたこれらの資源を新たな強み(富を生むための資本)に変えていく必要があります。この変換がうまくいくのが「いいキャリア」だと思います。ドラクエの錬金釜みたいに、素材を元に武器を錬成していくイメージです。


そして、その変換にレバレッジを効かせる(成長に拍車をかける)のが資質です。資質には上述の「自由な時間」以外の「体力・新鮮な脳みそ・新鮮な気持ち」も含まれますが、これらに「成長力」を加えたものが資質です。

[ 成長力 ]
経験からの吸収力、試行錯誤の質と量、要領を掴む力

20代〜30代は、資源を資質によって活かし、資本を得るステージなのではないでしょうか。

4つ目の資
「資本」


少し長くなってきたので、先ほどの図を再掲します。ここまでは、1.資格、2.資源、3.資質について解説しました。挑戦権や働く機会を得て、仕事を通じて若いうち特有の資源を元にして、新たな強み「資本」を得る。

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それでは「資本」には、どのようなものがあるでしょうか。ここでは分かりやすいものを6つ挙げてみました。

[ マインドセット ]
若いうちから既にできあがっている人もいますが、多くの場合は仕事を通じて鍛えられます。働いて成果を出す上での基本姿勢。鍛え上げられたマインドセットは立派な強みです。

[ 思考力・判断力 ]
成功や失敗を繰り返し、良質な振り返りができれば、思考力や判断力は深まっていきます。戦う上で武器は大事ですが「どこで戦うか(戦わないか)」「どの武器を使うか」を適切に判断できることはもっと重要です。

[ 専門性・技術 ]
専門性は陳腐化するとは言いますが、継続的にアップデートしていければOK。

[ 実績・評判・信頼 ]
実績が評判を生み、信頼が積み重なっていく。新しいことをする時には、これらの実績や評判や信頼があなたを助けてくれることもあるでしょう。

[ 人脈 ]
(良質な人脈であれば)人は助けてくれたり、新しい場所へ連れて行ってくれたりします。

[ 資金 ]
いわずもがなのお金。もし人生で新しい挑戦をしたくなった時には資金が必要(信用が十分にあれば資金調達は可能かもしれないけど、すでに資金があるに越したことはない)。

なお、失われゆく資源に対して、資本は蓄積が可能です(お金は使えばなくなるし、ボケたらいろいろ失われるけど)。


5つ目の資「資産」


さいごに資産。資産というとお金のようなイメージがありますが、ここでは「キャリアの目的になりうるもの」として定義してみました。僕らは何のために働くのか?何のために資格を得て、資源を費やし、資本を得るのか。

あれこれ考えてみましたが、↓このように↓精査・整理できるんじゃないかと思いました。改めて図示します。図中では40〜50代と書きましたが、早い人は30代くらいからすでに資産をゲットしていけるのかもですね。

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[ 相互信頼とつながり ]
資本にある「人脈」は活用前提のものでしたが、ここでは活用を前提としない、ただそこにあるだけで価値を感じられるつながりです。これならキャリアの目的になってもいいんじゃないかなと。人生の時間を投資する価値のあるものなんじゃないかなと。

[ 先の人生への希望と安心感 ]
残りの人生に対してポジティブになれるかどうかですね。たとえば、勤め人としてのキャリアが終わったとしても目的を見失わず、明日からも生きていくことが楽しいと思えるかどうか。

[ 人や社会への貢献実感 ]
これがないと虚しいんじゃないかな。誰かを利用して搾取して、世間に顔向けできないことして生きていくのは、さすがに「いいキャリア」じゃないよなと。自分は人や社会の役に立っている(立った)という自己認知は立派な資産です。

[ 自分なりに感じる価値 ]
あとは自分の物差しで価値があると思えるようなもの。他の人と違っていいから、自分なりのこだわりが満たされている状態。

[ 時間的・金銭的な余裕 ]
ヒマということではなく、自分の時間を自分の意思で自律的に使えるということ。いわゆる自由といいます。

[ いい思い出 ]
これだけは「資本」がなくても得られるかも知れませんね。キャリアを通じて、特にすごいことは成し遂げられなかったとしても、それでも自分はあの人たちと働けてよかった、うまくいかなかったけど価値のある経験ができた、あの時は楽しく働けたという、いい思い出。自己満足と言ってしまえばそれまでですが、自己を満足させられるって、すごいことだと思います。

ということで長くなりましたが「キャリアにおける5つの資」でした。

もちろん、これを知っただけでは何も変わりませんが、特に4つめの「資本」の考え方は今後の就職活動の着目ポイントの一つとして懐に忍ばせておくといいんじゃないかと思います。


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