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まえがき この文章作品を書いてから十年が経った。その間に自分が成長したのか老いたのかそ…
序文(こっそりと尾形亀之助に寄せて) 六月。僕がこの小さな詩文集を作製することに、何ら…
六月終期 雨が降りかけている。いっそのこと景気良く降って欲しい気もするが、三時に外出…
懐春詩作 今年のずいぶん自分にとって、特別だと言い放ってしまえるほどの楽しい春が終わ…
犬の居る隣家 愛犬がいる。犬は隣家に住んでいる。ここまでで、僕と僕の犬に対する異常さ…
性教育 何の関係の話だったか、女の友達と話していて「人間にも発情期を復活させて欲しい…
魚に話 刺し身だったり煮魚だったり焼き魚であったり、魚屋に行っては安いものはないかと言って、脆弱な命の欠片を毎日々々、食べているにはいる。魚に貧血はあるのだろうかと思いながら、皿の上で反り返る物に、それも今となってはどちらでもいい事かと、手を合わせて木箸を入れる。「アタシ貧血ナノ、」などと身体の小さな悩みでも打ち明けられれば何か僕にもしてやれる事があったのかもしれないのに、僕たちが出会う事を確定された頃にはもうすでに息も絶えて運ばれる用意をされているのだという、分かりき
孤独な小説家が撮った千本鳥居の前で振り向く情婦の写真を買いたい 孤独というのはいつの…
「タバコの煙で殺人が出来ます。」 何処かの国ではこんな謳い文句がタバコの箱に書かれて…
Franz Kafkaの墓標 「僕が死んだら、一切の作品は燃やして下さい。」 その墓標には何…
個人詩論 本当にそう思っていることを、本当にはそう思っていないように書いていくのが詩…
あとがき 梅雨の間に詩文集を出すなどと気まぐれのように思い付いたのが、六月二十五日の…
https://note.com/aotasousuke/n/na94649095be3 あとがきのあとがき 十年前にこれを書いて…