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アジアBLドラマに手を出し始めた――未視感の中華BL、新たな扉を開くタイBL

今巷でタイBLドラマがアツいというのを知識として知っている。
あれでしょ? SOTUSでしよ!?

で、私は三次元のBLというのがもはや暴力というくらい萌えの力がすごいことを知っている。

なぜなら昨年末、大好きな18禁BLゲーム「DRAMAtical Murder」の舞台を観に行ったから……。
やはり生身というのは大きい。映画やドラマと舞台はまた全然違うんだけど、今まで観てこなかった三次元BLというものに興味が出たのもそこから。

(まあ高校の頃観た実写BL映画が結構酷い出来だったんで、それを自然と基準にしてしまっていたせいもある)

そんなわけで、ようやく海外のBLドラマ観てみよう! と思い立ち、まずは言葉や文化が一応は未知ではない中国BLから……と、早速レンタルして観てみたわけである。


知らない言語は怖いので知っている言語から手を出す――中国BLドラマ『ハイロイン』

記事タイトル、なんで中華BLは未視感かというと、既に中国のBL漫画/台湾のBL小説は持っているから。
でもBLとしてのお約束はしっかり踏みつつ、やっぱり媒体が違うと全然違って新鮮に感じられるから最高。

そんなわけで「ハイロイン」。

原題「上癮」、原作は「你丫上癮了?」を楽天TVでレンタルしてみた。

二人の主人公の名前、「白洛因(バイ・ロイン)」と「顧海(グー・ハイ)」の名前を並べると「海洛因」になる。
日本のカタカナ表記だと「ハイロイン」だけど、中国語ではこれは「ヘロイン」のことを指すので、タイトルが「上癮(中毒)」ということらしい。

とうの昔に家を出ていったバイロインの母親(ロインは嫌っている)と、妻とは死別し、独り身でいたグーハイの父親が再婚することになった。
息子は二人とも反発して相手の家族と会おうとはしなかったが、お互い親の再婚相手の息子とは知らずに出会い……という話。

も~~~もどかしい!!

グーハイのしてること、完全に小学生!!
気になる子にちょっかいかけちゃうやつ!!

本気でウザがってるバイロインがちょっとずつグーハイのこと「そこまで悪い奴じゃないかも」的な感じで思えてきて態度が軟化してくのがいい。

好意がわかりやすいし、一応優しくてある意味一途なグーハイに基本的には肩入れして観てたけど、「こいつ結構ヤバい奴だよな……」って思うシーンもある。
それ、「嫉妬深い」とか「独占欲が強い」「ちょっと強引なところがある」とかいう言葉で簡単に許しちゃって大丈夫か??って感じ笑

でも頑ななバイロインがグーハイに本当に少しずつ心を許していくのを見るのは快感よ……。
明らかに距離が近くなってってるし、バイロインも楽しそうにしてる。

あと友達のヤン・モンとヨウ・チーというキャラも出てくるんだけど、これまた可愛い。モン(猛)という名前なのに可愛くて女々しいので(たぶん。普通にみえるけど)猛じゃなくて萌の方が合ってるだろとか言われちゃうバイロインの幼馴染に、今時の洒落た若者感を溢れさせてるヨウチー。
十八歳マジで可愛い。

このドラマ、お役所に目を付けられ15話で打ち切りになったんだけど、本当にもったいなさすぎる。
こっからが面白いとこじゃん!(一応、グーハイとバイロインの恋愛という点においては納得できるところまで進んだ……たぶん)

新キャラも登場し始めたところで終わるので、役者やスタッフたちも悔しかったんじゃないかな……なまじ人気だっただけに(人気だから目をつけられたんだろうが)。

個人的にはヤンモンとヨウチーは絶対くっつくと思うんだけど、どうくっつくのかがすげー気になる!!

あと楽天TVだと、著作系の関係か知らんけどBGMがほぼすべて変わっているようで、それは別にいいんだけど(元を知らないから)、新BGMの付け方がすごい。元のBGMにかぶせるように流している。

というか、セリフとBGMがおそらく音声ファイル的に一緒になってしまっているので、セリフがある限りBGMを消せない、ってことだと思う。
つまり、セリフ喋る時だけ元のBGMが聞こえて不協和音になる。

どうりでやけにBGMの音量大きいなと思ったわけだよ……セリフがはっきり聞こえるくらい音量上げると元のBGMももれなく入るわけだから……。

そこだけ悲しい。あとバイロインの歌声聴きたかった~!


他は、朝ご飯の様子とか学生の感じとか、めちゃくちゃ中国~って感じでいい。中国とか台湾とか好きなので。ドラマは全然見ないが中国映画は結構みる。
お粥と包子大好きだよね~中国人は。あと油条(揚げパン)。

そういや普通に飲酒してたけど中国って確かお酒に年齢制限とかないんだよね。
受けが酔っ払ってぐでんぐでんになるのもはやBL様式美じゃん……(2getherでもあったね)。それが18歳で見れるとか……。

「中国」がめちゃくちゃ詰まったいいBLドラマだった。


余談だけど、私が中国に留学していた2014~2015年の間で「上癮」と言えばEXOの曲の一つだった(というか私が好きな曲だった)。

英題が「overdose」だったので意味はなんとなくわかっていたけど調べては「かっこいい単語だな~」と思っていたのをよく覚えている。
(直訳的にはaddictの方が正しいみたい)

その後当ドラマが放送された2016年を経て、今や「上癮」で検索をかけるとこのドラマ「ハイロイン」だらけになった。

異国の時の流れを感じるのは初めてなので、不思議な感覚だなあ。


字幕付本編視聴無料(公式)の入りやすさが怖さに勝る①――タイBLドラマ『2gether The Series』

私は、実は初の海外旅行がタイだった(カバー写真はその時の)。

バンコクですら英語が通じない(または喋れる人があまりに流暢すぎてわからない)上、タイ語はやたらと難易度が高い。
初海外ということもあってかなりの恐怖を味わった。

というわけで全くわからない言語は勇気がいる……と思っていたけれども、無料で、公式の動画を、字幕付きで観られるとなると話は別。

(ちなみに今なら英語字幕付きでリアタイできる。明日(15日)が最終回なので私にとっては最初で最後の2getherリアタイ……英語わからんけど……)

大学に入学して運命のパートナーを見つけるぞ!あと女の子にもモテたい!と意気揚々とチア部に入部したTineに待ち受けていたのはGreenという男。Tineに一目惚れしたようでいつでもどこでも追いかけてくるので困ったストレートのTineは、偽の彼氏を作ろうと画策する……という話。
その偽の彼氏として選ばれたのが、イベントの時Tineの大好きなScrubbというバンドの曲を演奏していたバンドの、中でもひと際目立っていたSarawatという不愛想イケメン。

もう、とにかく。
主演二人とも、作画がよすぎないか???

って思うくらい毎回顔がいい。

そしてちゃんとラブコメしていてきゅんきゅんする。
気分的には少女漫画をBLで観ている感じ(最高か?)なんだけど、BLのお約束的なセリフやシーンも多々(え、最高??)。
やっぱ萌えは世界共通だぜ!!

ただそれだけではなく、やっぱり文化や常識が日本と異なるとそれだけでもう新鮮に感じるし(これはハイロインにも言える)、ライトで、でもそこにある愛は本物で、ああ〜〜〜好き〜〜〜ってなる。

攻めのSarawatがとにかくスパダリ。
受けのTineがとにかく超絶可愛い。

ただし体格はTineの方がいいし、Sarawatのスパダリながら恋愛下手な感じもめっちゃ可愛いという、枠にはまらないところもあっていい(まあ昨今のBLの枠なんてあってないようなものだけど)。
何食わぬ顔(死ぬほどイケメン)で執拗におっぱい触ろうとする男なかなかいないよ……。

Tineは普通の男の子って感じですごく可愛い。笑顔が超キュート。
女の子にモテたいし、自分をよく見せたいし、あとこれ意外だったけど結構嫉妬深い。ストレートだけど男にモテモテ(BL王道展開の一つ)。

Sarawatは大学一のモテ男(BL王道展開の一つ)で、軽音部でギターが上手いし運動もできればもちろん顔もいいというすべてを兼ね備えた男。
「お前が落ちるまでキスするぞ」と「おっぱい揉ませてくれ」は一部であまりにも有名な名台詞。

更に友達がいい奴揃い。
Tineの友達とSarawatの友達で大分タイプが違うのがまた面白い。Tineの友達はTineと同じで女の子大好き、楽しいこと大好きでちょっとばか(Tineもちょっとばかなところがあるので本当に類友だなあと)。

Sarawatの友達はお調子者なんだけど、うち一人は今回のサブカプの一人で、超ポジティブでただのお調子者ではなくめちゃくちゃいい奴。
Sarawat自身が最高に気配りができるいい奴なので(不器用ではあるけど)、こちらもものすごく納得。

話を追っていくと、SarawatがすごくTineのことを気にかけてあれこれしてあげたり、拒絶されてひっそり傷ついたりしてるんだけど、でも女の子が好きだから女の子にモテたいっていうTineは、先述したようにいかにも「普通の男の子」で愛しさが止まらないんだよなあ。

二人のことを俯瞰して見ているからTineのことを無神経に思えるところもあるかも知れないけど、でもTineはTineなりに状況を変えようと考えて、相談して、努力してるんだよね。
無邪気な笑顔が素敵すぎて、もう全部許しちゃう。この笑顔を見たら無神経だなんだと罵ることなんて絶対にできないよ……。


あといいなと思ったのが、「男同士」ってことが割とフランクに受け入れられているってこと。
さっきも言ったようにサブCPも何組か出てくるけど、親友の想い人が男でも「えっ!?」という驚きのパートが一切ない。これは、ファンタジーではなくむしろ目指すべき社会の形なのかもしれない。それともタイではもうこんな感じなのだろうか。素晴らしすぎる。

ライトなBLの何が好きかって、そういうとこだよ。 

日本のBLでも、今は大体「同性同士の恋」っていうことに対してあまり禁忌感を出さない作品が多くなっている気がする。そしてそれはとてもいいことだと思う。
「BLのいいところはそこなのに!」って思っている人もいるかも知れないけど、そういう人は例えばBLゲームの「神学校」とかやればいいと思うよ(聖書で同性と寝た奴は地獄に堕ちるって言われてる時代の話)。


字幕付本編視聴無料(公式)の入りやすさが怖さに勝る②――タイBLドラマ『Theory of Love』

初めて見始めた時朝からめちゃくちゃ泣いたし、その後もほぼ毎話泣いてる。

よりにもよって女の子を取っ替え引っ替えしている遊び人の親友Khaiを好きになってしまった大学生、Thirdの恋の話。
こういう大人しそうな子がピアスしてんのめっちゃ好きです(個人的な好みの話)。

舞台は大学、ThirdとKhaiを含む四人グループ(いわゆるイツメン、ギャングスタと呼ばれている……笑)は同じ学科(芸術系)で一緒に短編映画を撮っている。
Thirdは脚本、Khaiは音響、その他二人の友達、Boneは編集、Twoは写真、といった具合にそれぞれ特化しているものがある。

あとこのドラマ、毎回タイトルが実在の有名映画のタイトルになっていて、更に映画の中にも映画のネタが盛りだくさん。
私は洋画好きだけどにわかなので、「名前は知ってるけど観たことない」って作品がたくさんあって(てかほぼそう)、でも逆にそれで観てみようという気になったものもあるから、知らなくても全然問題ない。


とにかくThirdがいい子すぎて、Khaiがクズ男で……。
前半はThirdが毎回泣いてて、見てる方も一緒に泣く。私もほぼ毎回泣いてた。だってKhai、ただ女たらしなだけでなく親友をいいように使おうとしている最低男なんだもん。

でももちろん、そのまま終わるわけないので、後半は二人のロマンスの行方とともに、Khaiの成長が見どころ。
私はこのドラマを見終えた時にはKhaiのこと大好きになっていた。前半観ている最中の私に言っても信じないと思うが。

あと、この主演の二人の演技力が半端ない。

Thirdの堪え泣きが素晴らしすぎるし、Khaiがこれほど視聴者の印象を180度変えてしまえるのは演技力の高さももちろんあるし。
後半ぐっと心に響くのは、Khaiが前半は特にクズで真に迫ったクズの演技をしてるからで、後半にかけて徐々に変わっていくKhaiに説得力を持たせてくれる。

あと、このドラマの回ごとのメイキング的なものも公式が上げてくれてるんだけど(Behind the Scenes)、泣き演技の直前まで普通に笑ってて(何度もカットがかかりテイク数増えてく)、ふざけててもあそこまで心に迫るシーンが作れるんだなあとびっくりした。因みにEP6。

このドラマについては別記事でめっちゃ語ったのであんま言うことないな。


あと、このお話とは直接関係はないけど、この主演の二人、過去のドラマでもカップル役として共演しているらしい。

そういうの、めちゃくちゃよくない!?
こう、前世で結ばれた二人が全く別の人格と名前を与えられて尚出会って恋に落ちる的なね……。

役者同士がめちゃくちゃ仲いいのも有名な話で、基本的にタイって役者同士でセット売り(って言い方合ってる?笑)が多いらしいんだけどThird役のGun君が日常のスキンシップでKhai役のOff君にハグしたりキスしたりしてるからもう大変!(私の心が)

こういうのが沼って言われる所以なんだよね……おお、怖……。


聞いた話だと、「Tharntype」(今は日本からじゃ観れない&VPN使っても英語ワカランので有料コンテンツ化待機)の主演二人が同棲してるらしい。マジかよ。

「怒り」の妻夫木聡と綾野剛かよ……。


タイ語の話

タイ語というか、タイ文字は難しい。
同じ発音なのに文字が違ったりする。同じ発音の文字5つとかある。同音異義語とかじゃない。表音文字だし。

タイ語がこれだけ複雑なのは、それまでどこの国からも支配されていない=植民地化されていないので(東南アジアでは唯一)、言語が外部の人間に整理されることなく今まで来たから、なんだそう(7~8年前に調べた時の知識なのでうろ覚え)。

タイの近隣国ラオスの公用語、ラーオ語は整理されているため文字数が圧倒的に少ないらしい(タイ文字の半分)。

ところで、タイ語と中国語って発音ちょっと似てない?
「だめです」みたいな意味の言葉、「没带(メイダイ)」に聞こえるし(声調は違うかも)、たまに「怎么样」とか言ってるようにも聞こえる。
あと「是吧?」と全く同じ発音の音も聞こえた。

発音が日本語とかよりも中国語に近いっていうことももしかしたらあるかもだけど、たぶん私がどっちの言語も未習熟だから余計にそう思うんだろうな……。

そういやタイに行く直前に買った一夜漬け!みたいなタイ語の教本、頑張って探したけど見つからなかった。たぶん売っちゃったんだな。
タイ語って難しいのかなあ、勉強してみたいなあ……。

(というか英語が個人的に無理すぎて英語勉強するくらいならタイ語を勉強したいという気持ち)

沼、深~~~~~。

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