楢山節考と果てしのない障害児育児と、生老病死

幸いにして今の所我が家はガチャにあたり、五体満足、おつむもそれなりのようだ。金の不足もない。3人目も可能だし、4人目もやろうと思えば可能だろう。

しかしこういう記事を見ると躊躇する

 「願っていた3人目を妊娠し、出産したら保育園に預けて仕事に戻るつもりでいました。しかし、障害児というだけで多くの入園を断られ続け、そんな社会に絶望を感じました。脳性麻痺がなければ、と、どれだけ強く思ったことでしょうか。結果、仕事ができない状態に追い込まれ、国が進める『女性の社会進出』とは真逆の現状が起こっているのです」

 そう話すのは、現在、脳性麻痺を持つ6歳の子を育てる大槻加奈子さん(仮名・30代)だ。大槻さんにはこの6歳の子のほかに、高校生になる二人の子どもがいる。

このリスクは避けられない。もちろん今の子たちも何らかの事故で障害児となる可能性はあるにしても。
遺伝子にはなんの問題もなかった、ただ生まれた時の何らかのイベントからの障害も辛い。

また子どもが小学生にあがると、さらに育児の負担度は増す。小学校2年生の障害児の母親である桐谷加代さん(仮名・30代)は

 「現在8歳ですが寝返りもできず、全介助が必要です。自分が体調不良時の、子どもの体位交換や車いすへの移乗等がつらく、精神的にも多くの負担を抱えています。現在は肢体不自由児の特別支援学校に通っています。第1子の重い障害で、精神的にも経済的にも余裕がなく、第2子は諦めました。

医療により寿命は伸び続ける

身体的、肉体的、経済的。それは育児と違い、“小さいとき”だけではない。子どもの成長とともにさらに負担が増し、母親を追い詰める、永遠に続く“介護”なのだ。

本当に終わりはない。
それに比べて上の子下の子も手足が生えて動いて言葉もゆっくりと理解している。
怒るのは贅沢だとわかってはいるのだが。

2回も当たりくじを引いたのだ、次がどういうくじか、これ以上引く気にならない

これについたヤフコメも辛い

我が家にも最重度知的障害、強度行動障害の自閉症の息子がおります。通所施設に気が向いた時だけ通所してくれますがほとんど自宅で過ごしています。もちろん私はは働くことができず、主人は俺が働かなければと、朝6時に出て帰りは夜の23時。当然娘は母親だけでは回らないので今でいうヤングケアラー。
ただただ、一言言わせてください。身体障碍者、または医療行為を必要とされる重度心身の方はいざとなったら、受け入れてくれる施設があります。
しかし、行動障害のある自閉症は他害もあるので預かってくれる施設は皆無です。

言葉は悪いですが動けない方は、とりあえず人に危害を加えないので施設では受け入れてくれるのです。
行動障害のある方の家庭は、あやまり続け、傷だらけになり,家具家電を壊され、人に預けることもできず、金銭的、精神的、肉体的にギリギリのところで踏みとどまっています。

ドキュメンタリーで見た強度行動障害の子供を持った親の終活がまさにこれだった。

取材記事も辛い

まずは飛び出し。隙を見ればあっという間に家からいなくなった。数キロ離れた車のディーラーやホームセンターまで、一心不乱に駆けていく。都市高速道路の車道の上り坂も“逆走”した。「たまたま見かけた学校の先生が車を乗り捨てて追っかけ、料金所でつかまえてくれました」。警察に何度も保護された。

 部屋で1人になると、エアコンを落とし、テレビを壊した。壁に穴を開け、布団の中綿をすべてぶちまける。ドライヤーに「強いこだわり」があり、ホームセンターに陳列された商品をどんどん壊す。「何回買い取ったか分かりません」

 昌子さんと2人でいても、落ち着いていたかと思えば突然、「目が三角」になる。たたき、けり、頭突きし、ひっかく。こうした「他害」はほんの数秒で終わったり、丸1日続いたりする。自分自身の皮膚を傷つけ、筋状のあざが何本も残ったこともある。昌子さんは一時、こうした行動の記録も続けたが「原因や因果関係が全く分からない」。

 特別支援学校中学部のころ最も激しくなり、高等部への進学は諦めた。

トイレにも行けず

 暮らしは一変した。玄関、勝手口、窓、部屋にはすべて針金を巻き付けるなどして鍵を掛け、雨戸も閉めた。一度、2階の窓から抜け出して落ちたからだ。

 弘紀さんは眠りも浅く、夜中も起き出すことがあり、気は抜けない。昌子さんは一人でトイレにも行けない。自身も毎晩2時間しか眠れない日々が続いた。真っ暗な部屋で、動きだした弘紀さんを遮ろうと手を伸ばし、左手指も骨折した。

 脱走すれば追いかけ、帰るまいと路上にしがみつくようにして動かない弘紀さんを全力で引きはがす。車に乗せ、連れ帰って部屋に入った瞬間、全身から力が抜け、座り込む。パニックが収まらないときは、車に親子で乗り込み、夜でも数時間、あてもなくドライブする-。

 通所や短期入所先が見つかっても、じきに施設側が対応できなくなり、断念することを繰り返した。自閉症の人の多くは「一定の環境を整えた部屋で1人の時間を設ければ、クールダウンする」とされるものの、弘紀さんは常に信頼できる人がそばにいないと、たちまち施設の部屋も壊してしまった。「(見守りの)定石が通じない」。専門家からも、そう告げられた。

彼の心の平穏と幸福のためには世界すべてが、彼の思うがままにならねばならぬだろう。

このような人間相手にも拘束はもはやできなくなるだろう。

「判決は、看護師を8人揃えておけば合法になるとしていますが、1人の患者さんのために8人を常に用意することはできません」

「判決を下した裁判官たちは精神科病院を見学しているんでしょうか? 拘束の現場を見て、どんな拘束行動が行われているのか基本知識を得て、判決を出したのか。非常に疑問を感じます」

8000人いると言われる強度行動障害患者を家庭でなく施設に受け入れるとして。

身長177センチ、体重は90キロ超と大柄で、障害の重さを示す支援区分は最も重い「6」から2番目の「5」だ。

120万人いる看護師のうち男性は9.5万人

強度行動障害患者に貼り付けるだけで男性看護師はほぼ払底してしまうな。

救われない人はいる

無理に救うと歪みが出る。その歪みは家族単体でなく、社会が受け止めるべきというのもわかる。
が、上に書いたとおり社会ですらリソースが足りない。
強度行動障害患者を家族でなく施設で受け入れるとしても、身体拘束なしに対応できるだろうか。

Aさんの同僚女性のヘルパーは、小柄だったこともあり、パニックを起こしている男性発達障害者に、男性の頭の位置まで抱き上げられ、そのまま床に叩きつけられた。その結果、女性は頸椎損傷の重症を追い、後遺症が残り肢体不自由となった。しかし、そのことが報道されることは一切ない。そこまでの事故はまれだが、介助中に頭突きされ流血する、引っかかれ、噛みつかれ血だらけ・傷だらけになるのは、日常的な出来事だと言う。

 

都内某所にあるNPO法人代表Nさんは語る。
Nさんは4年制の福祉大学を卒業した後、発達障害児の療育に携わり、現在では小児から成人発達障害者、身体障害者、知的障害者の相談支援業務と療育センターを合わせ持つNPO法人の代表となった、福祉畑一本の女性だ。

 

「利用者さんに強度行動障害がある場合、私たちは親御さんから身体拘束の同意書を取ります。そうでないと、自分自身またはスタッフの身の安全を確保できないからです。移動支援中に外出先でパニックを起こされた場合、あらゆる手段で制止しないと利用者さんのパニックはエスカレートしていきます。なので、時には足で踏みつけてでも、制止します。私たちはよく、近隣住民から虐待者として通報されるんです」Nさんもまた小柄で童顔の45歳で「足で踏みつけてでも制止する」という表現とは似合わないかわいらしいショートカットの女性だ。

少し検索すればこういう情報が手に入る

上の子の癇癪も鎮め方を間違えたまま進めば、こうなるかもしれない。そういうことを考えるとなおさら子育てをする気が失せてもくる。

何事も早期介入だろうが、可塑性を失ってしまって固着した場合もうどうにもならない。

人権がある

楢山節考も7歳までは神の内も、偏に人権の前の塵に同じ

矛盾は残り一番弱いところに押し付けられて行くだろう。

個人にできることはあまりない。生老病死の前には。

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