JINのもつ

あっ、泥もつじゃん、でももつを手に入れたら鍋が決定しちゃうなぁ。
ラムの血肉でもすっぽん黒酢でもないんだもんなぁ。
それにしても何で九州の食品メーカーは通販の会社が多いのかなぁ。
まあ一説によると、
ジャパネットたかたの社長がノウハウを教えたらしいけども。
俺もノウハウ教えてもらいたかったなぁ。
とにかくノウハウを教えてもらうという行為をされたかった。
ジャパネットたかたの社長から行為をされたかった。
そういう行為をされたかった。ノウハウを教えてもらうという行為を。
俺は好意的だもん、ジャパネットたかたの社長に対しては。
まあ娘狙いなんだけどもね……いやそんな話はどうでもいいんだ。
なんせジャパネットたかたの社長の娘は
俺なんか、気にも留めないだろうから。
もっと現実的に彼女探さないとダメだよなぁ。
マッチングアプリでもやってみるかなぁ。
『二重疑惑』で検索してみるかな。
この人、実は二重なのでは、という人がヒットしてさ、
俺は
「いや一重じゃないの? 違うの?」と思いながらも、いいねいいねして、
マッチングが成立しかけたところで、マッチ軍がやって来て、
「じゃあオマエのまつ毛にマッチが何本乗るか試してみよう」と言われて、
俺は「えっ、何本乗らないと会えないとかそういうことあるんですか?」と
聞くとマッチ軍の大将・近藤マチ子夫人が「よかろうもん」という
返事になっていない返事をして、俺は困惑しちゃって、つい、
近藤マチ子夫人を蹴り飛ばすと、蹴り飛ばした近藤マチ子夫人は陰になり、
俺は何だ何だと思っていると、いつの間にか
近藤マチ子夫人が俺の陰になり、俺の足元で寝転びながら、こう言うんだ。
「一生一緒だね」
そして俺は近藤マチ子夫人との共同生活が始まり、
改めて新しい歯が生えてくるほどの月日が経過、
二度目の大人の歯を舐め合う関係が深まったある日、
近藤マチ子夫人の旦那さんから連絡が入った。
「そろそろ返せ、返却義務」
俺は一切抵抗せず、近藤マチ子夫人を元々の旦那さんの元へ返却し、
1人の部屋は広く感じるな、と思いつつも、
FANZAの新しいロゴを考えていると、
FANZAのゆるキャラデザインコンテストが始まり、
「ロゴじゃねぇのかよぉぉおおおおおおおおおおおおおお!」
と言いながら窓のガラスを割って、
ちょうど外を歩いていたマジの犬に吠えられて、
「ワンですぞぃ」と吠えられて、会釈してからパンツを履いて、
背中の翼は外して、頭の輪っかも外して、天使状態から人間に戻って、
しこしことFANZAのゆるキャラを考えだして、
やっぱり人間型がいいのか? でもここはあえての洗濯機とか?
いろんな思考を巡らせて、四季は巡っていき、3年後。
FANZAの人が「〆切の設定、3年間違っていたぜ」と言ったある日、
俺は天使の仕事を終えたんだ、
近藤マチ子夫人と旦那をより深い仲にさせるという。
そう、それは天使界から与えられた罰だった。
天使である俺は人間の近藤マチ子夫人と恋仲になった禁忌を犯し、
もはや禁忌大学のマグロと言われて、蔑まれ、
3年間神様が悩みに悩んだ末、罰として、
近藤マチ子夫人とその旦那をもっと深い恋仲にさせることにしたのだ。
それを俺の手で。俺の天使の技で。
俺の天使の技とは、
近藤マチ子夫人とその旦那を共々同時にクンニすることで、
天使に同時にクンニされた2人は、より深い仲になるのだ。
あぁ、これが俺の、近藤マチ子夫人への最期のクンニだったんだ……って、
異世界転生小説を書いている場合じゃない、
もつを手に入れてしまうという話だ。
でもまあもつを手に入れて、もうあの鍋を作るしかないな。
そう、あの鍋を……ちゃんちゃん、
焼きじゃないよ!
鮭・味噌・北海道のちゃんちゃん焼きじゃないよ! お楽しみに!
俺を盗聴しているだろう誰かに言ってるよ! この言葉は!

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