主におでかけエッセイ
【はじめに】
私にはしょうもない話がたくさんある。
そのエピソードをまとめてどうぞ。
エッセイなので、全て実話です。
よろしくお願い致します。
【人生は踊りたい】
なんとなくイオンモールへ行き、特に欲しいモノも無く、家電量販店に入った時のことだった。
BGMでB’zのウルトラソウルが流れていた。
その瞬間、私は思ったのだ。
『踊りたいな』
ウルトラソウルはとてもノリの良いミュージックだ。
決してダンスナンバーというわけではないが、全然踊れる、というか、踊りたい。
そこで私はこの家電量販店の中で、人気のいないゾーンに入り込むことにした。
誰もいない、誰も見ていない場所で踊りたい。
その一心だった。
私はまるで万引きをする少年のように、キョロキョロしながら、誰もいないほう、店員さんもいないほうへ入っていく。
『この辺りは人がいなさそうでいいぞ』
と、値段が高くて売れればそれでいい万引き少年のようになった私は、そのゾーンへ足を踏み入れようとした刹那だった。
『人がいる……』
そう、人がいないと思ったゾーンにも、人がいたのだ。
その人は買い物カートに子供を乗せている女性で、ウルトラソウルのリズムに合わせて、めちゃくちゃ腰を振っていた。
先に踊っていましたわ。
【朝市】
夏に、もう買う側も売る側もお年寄りしかない、寂れに寂れてしまった、とある朝市を散歩している時の話です。
声のデカい手作りのお菓子屋さんがあって、そこの店主がマスクをアゴにかけているという無意味をやってらっしゃるのですが、まあお菓子が好きなので寄ってみると、気前良くその店主は、
「この大福を食べないか?」
とか、
「このゴボウまんじゅうを食べてみないか?」
など、まあアゴマスクでよく喋る喋る。
オススメされた品は断って”パイの実”というお菓子を買いました。
同じタイトルの有名商品がありますが、まあ多分パイ生地にあんこが入っているような商品なんでしょう。
他の大福などとは違い、TEA TIMEと書かれている紙袋に入っていたので、見た目は分かりませんが、多分そうだと思います。
買って帰ろうとすると店主に呼び止められて、何だろうと思っていると、どうやらおまけをくれるようでした。
一品しか買っていないのに悪いなぁ、と思いました。
先に結果だけ言うと保冷剤代わりの凍ったヤクルトのようなモノがもらえたのですが、何故かそれが見当たらない、と。
すると突然店主が、
「チクショウ!」
と叫びました。
何だろうと思っていると、その店主は天を仰ぎながら、
「あのさっきの客! 全部持っていきやがった!」
と声を荒らげました。
どうやら一個渡す予定のモノを全部盗まれたようです。
スラム街かよ、と思いました。
結局、新しいパックからヤクルトのバッタモンみたいなヤツを一個頂き、帰ろうとしたその時、店主は笑顔でこう言いました。
「次来る時まで死ぬなよ!」
いやこの朝市はお年寄りが多いところですが、私はまだ当時は34歳ですし、この朝市で店側を去年していた時はオバサンから高校生に間違われたくらいの童顔ですし、散歩8000歩の6キロ歩きですし。
多分反射的にお客全員へ言ってるんでしょうね。パブロフの犬かよ。
ある程度散歩を楽しんだら家へ戻り、早速買ってきたパイの実というお菓子を食べることにしました。
TEA TIMEと書かれた紙袋の裏面を何気なしに見ると、
『このティタイムは紅茶に合うケーキです』
と書かれていて、これ店ではパイの実と書かれていたけども、ティタイムという手作りお菓子だったんだと思いつつ、開けたら、銀袋が見えてきて、LOTTEのカスタードケーキでした。
ならパイの実であれ。
【東海サービスエリア】
東海サービスエリア。
トイレで用を足し、施設の確認という名の眺めるだけの行為をしていました。
このサービスエリアは偶然なんでしょうけども、オジサンだらけで食堂ではオジサンが大量にラーメンをすすり、駐車場のほうを見ても、たくさんのオジサンが車内でまったりしていました。
オジサンを集める何かがあるのか、とか思っていると、どこからともなく、サイレンが鳴り始めました。
それも普通のサイレンではなくて、まるでジジイの叫び声みたいな、喉が酒焼けしたガラガラ声のようなサイレンが。
『お助けー!』
そう心の中で叫んだ私。
一旦止んだものの、時間が経つとまた、ジジイ・サイレンが
「イィィィィイイイイイイイイイイイイイィィィィイイイイイイイイイイ!」
と店内に響き渡ります。
『こうやってオジサンを集めているのかっ? 共鳴しているのかっ?』
と思いながら、周りを見渡すと、何故か周りの人たちは気にしている様子は無く。
『この声、私にしか聞こえていないのか? オジサンじゃない人をオジサンにするためのサイレンなのか?』
など、SFチックなことを考えながらも、食堂のほうのメニューを確認に行くと、なんとジジイ・サイレンの正体は食堂のテレビから流れているEテレの詩吟でした。
いやEテレの詩吟を大音量で流すなよ。オジサン過ぎるよ。
【喜多方のラーメン屋さん】
喜多方にはラーメン屋さんが何軒もある。
私は比較的、よく喜多方方面へ旅行へ行くので、食べる機会も多い。
ただまあ、ハッキリ言ってしまうと当たり外れも多い。
私が割と好きな店はあまり混んでいなくて、その店の前でやっている店がすごく混んでいる。
すごく混んでいる店は宣伝広告をたくさん出している店なんだけども、少なくても私の口には合わなかった。一緒に旅行したメンバーも全員「あんまり」→「そんな好きじゃない」→「不味かった」と車内に近付くごとに感想を変えていった。
(勿論「不味かった」と言ったのは車内の中です)
だから私はその店に人が並んでいるところを見る度に『不味い店なのに人気だな』と思っています。心の中なのでセーフ。店名をここで書いていないのでセーフ。
ただこう書くことにより、自分のお気に入りの店も書けなくなってしまいました。お気に入りの店の真ん前の店が行列のできる不味い店だから。
さて、今日はそんな私のお気に入りの店ではなくて、別のラーメン屋さんの話です。
同じ喜多方内で、これから書く店のほうが有名店です。
というか私のお気に入りの店、人気が無さ過ぎる。
あんなに昔ながらの店構えで、攻めたメニュー作ってるのに。
いやまあこっちの話はいいとして、別の有名店の話です。
この店、最初に書いてしまうと、めちゃくちゃ当たりの店でした。
いやラーメン自体は普通だったのですが、とにかく当たりの店だったんです。
店に入って注文し、待っていると、厨房のほうで女性がめちゃくちゃデカいクシャミをしました。
もう、自分で抑えようとはしない『全部出し切ったれ!』の100のクシャミでした。
こんな100のクシャミする店って初めてだったので、幸先いいな、と思いました。
出てきたラーメンの味は本当に普通で、値段通りなんですけども、この日が六月上旬あたりで、ちょうどそろそろという時期で合っていたのですが、薬味の長ネギが全然切れていなくて、七夕の短冊みたいになっていました。有難いですね。
最後、店から出た時、なんとこの店の子供とその友達だと思うのですが、店の前で相撲とってました。
アスファルトの上で子供たちが相撲とってるの見られるなんて、最高ですよね。
いやそれの何が当たりかと言いますと、飲み干すと当たり付きのお椀で、私と一緒に旅行した人がラーメンの箱もらっていました。
【後部座席でシートベルト】
家族で買い物へ出掛けた時の話です。
昼ご飯は外食し、お腹いっぱいだったので、次のお店屋さんでは車内で私だけ休むことにしました。
私の席は後部座席。
シートベルトを外せば良かったのですが、そんなことも頭が回らないくらいにお腹いっぱいで、シートベルトをしたままで座っていました。
すると遠くから私のほうをチラチラと見てくる、杖を持った見知らぬおばあさんがいました。
何か嫌だなと思っていると、急にそのおばあさんが私のほうへ近付いてきました。
杖なんて一切つかずに、ものすごい速度でこちらへ駆け寄ってきました。
『ヤバイ、何か嫌だな』
と思ったその時、そのおばあさんは私の座っている後部座席のドアをどんどん叩き始めました。
本当は窓だけ開けたいのですが、車の鍵を持った家族は今、店内。
仕方なくドアごと開けると、そのドアを強く掴み、ものすごい力で全開に開けて、そのおばあさんはこう言いました。
「家族に置いていかれた! 家まで送ってほしい!」
家族に置いていかれるおばあさんって何したんだよ、と思いつつも、私は断るんですが、そのおばあさんも食い下がります。
「どうか! どうか! すぐに走らせてほしいんだ!」
いや後部座席でシートベルトしてるヤツに移動の決定権無いだろ。
私は何度も断って、やっとおばあさんは諦めました。
そのおばあさんは駐車場のほうを向いたベンチに座って、また新たな獲物を待ち始めました。
いやそんな走れるなら、歩いて帰ればいいでしょ、と思いました。
【貞子】
ハイウェイウォーカーに貞子の宣伝があったけども、貞子ってメディアに出過ぎだと思う。
貞子はメディアの偉い人と良い仲なのかもしれない。
【長野県の店】
今、中部家具という東京インテリアみたいな店があった。
【長野県の門】
表札を飾っている大きな家があったのですが、その家のデカい門に、キノコとリンゴのオブジェが乗っていて、何で財を成したかい一目瞭然でした。
【持ちつ持たれつ】
多分これ持ちつ持たれつなんですけども、車用の座布団みたいなのを車のボンネットで日干ししていました。
いや持ちつ持たれつかどうかは正確には分かりませんが。
【欲しい本】
欲しい本を書店で探していたら、私の周りを衛星上に回る店員がいて、
『私がサッカーのポストプレーヤーならこの店員はセカンドトップじゃん』
と思いました。
【河川敷】
河川敷をなんとなく眺めていると、ヘルメットをかぶった人がメジャーを振り回して歩いていたので、
『作業場所に着くまでの歩く時間、暇なんだろうなぁ』
と思っていたら、メジャーじゃなくてヌンチャクで、ただのヤバイ人だった。
【ライブ感】
郵便局に赤ちゃん連れの人がいたのだが、その赤ちゃんがとにかくわぁわぁ泣く赤ちゃんだった。
三人の局員がなんとかあやそうと必死になっていたが、とにかく泣きまくる。
私は
『全員赤ちゃんに行って、私の窓口に誰も来ないなぁ』
と思っていると、やっと一人局員が窓口にやって来て、郵便を出してもらった。
その後、どうやら赤ちゃんwith母親と終わりの時が同じになり、私が外に出る時、同じタイミングで外に出てきた。
すると、さっきまであんなにわぁわぁ泣いていた赤ちゃんがピタっと泣き止んだのだ。
赤ちゃんって、チヤホヤされている、ライブ感のある時にしか泣かないんだ、と思いました。
【松代サービスエリア】
飼い主がイヌのウンコを処理している間に、そのイヌが一気に丘を駆け上がって、まこうとしていました。
さらにそのイヌが丘の上でウンコをしていたので「賢いイヌ」だなと思いました。
【道の駅・鳥海】
パプリカ生産者日本一と書いてあった。者のランキングなんてあるんだ。
でも確かに野菜売り場では、パプリカをまるで捨てるように陳列していた。床スレスレにゴロゴロ置いてあった。
【キャンピングカー】
軽トラックを改造してキャンピングカーみたいにしている自動車があったのですが、何故かカラーリングをトイレみたいにしていました。トイレ運んでるみたいだ。
【ぽんぽんぽん】
トイレに入ったら、大きいほうの個室から良いテンポで、
『ポン! ポン! ポン!』
というウンコの出る音がしたので、つい私は何かテンションが上がって、
「ポン! ポン! ポォン!」
とEXITの兼近みたいに言ってしまい、急いで用を足して逃げるように去りました。
【南相馬名物・よつわりパン】
十字に切り込みが入っていて、中にクリームとこしあん、そして上に砂糖漬けのサクランボが一つ。
一人で食べようとしても、自動的に四つに割れてくるという必ず割らないと食べられないパンだった。
よつわらせパンだった。
【仙台駅】
仙台駅は笹かまぼこの試食が多すぎだった。
咀嚼が間に合わず、世が世ならASMR動画だと思いました。
【道の駅・あがつま】
私が外でコロッケを食べていると、店から一人の少年が出てきた瞬間に、
「うまかったぁ!」
と叫んだので、反射的に『良かったな、坊主』と思ってしまった。
【米津玄師】
磐梯山サービスエリア、お手洗いから出てきた人が米津玄師みたいな髪型をしてて、さらに洗った手を拭かずに、手をバタつかせている感じが米津玄師のMVっぽくてカッコ良かったです。
【栃木のビニールハウス】
栃木のビニールハウス、そんな大規模じゃないのに、仮設トイレを至るところに設置していて、そんなトイレ近いんだと思った。
【那須高原サービスエリア】
軽食売り場の前を通ったら、店員さんからすぐに、
「豚まんいかがですか?」
と言われて『誰が誕生日間近に豚まんバクバク顔だ』と思って、踵を返しました。
【チャンス】
チャンスじゃなくて、チァンスのお店。
【ジャンプSQ】
当時630円だったジャンプSQという漫画雑誌をレジに持って行って、千円札を出したら、店員さんから、
「30円ありますか?」
と聞かれたので、財布の中を探したらあったので、出した。
するとその店員さんが、
「600円ありますか?」
と聞いてきたので『つけあがるな!』と思ってしまいました。
【道の駅・温海】
道の駅・温海、車から降りると、どこからともなく、
「カツン、カツーン」
という音がした。
振り返ると、カラスが駐車場へクルミを落としていた。
しかし落とすタイミングが早く、また駐車場という半端無く広い道幅のところで落としているので、自動車がクルミを踏まないため、勿論クルミの殻は割れていない。
するとクルミを落としただろうカラスがそのクルミの元へ近付き、
「何でだっ?」
という、何が起きたか分からないというような表情でキョロキョロしていた。
いや落とすのが早いし、ここが広いからだよ。見てたら分かるだろ。
【オランダせんべいファクトリー】
山形県のオランダせんべいファクトリーにモンテの本!
すみません、モンテの本と書きたかっただけです。
(説明いらないと思いますが、モンテディオ山形の本という意味です)
【住宅街】
この辺、住宅街だ。スーパーがほしいな。
これが私なりのシムシティ。
同じ意味合いで土地が空いていると「ビル建ててやろうか!」と思う。
【鶴岡駅の木村屋さんは本当に神対応なので、みんな行ったほうがいいです】
袋を既に二つ持っていた私に対して、
「袋をまとめましょうか」
と仰って頂き、袋をまとめてくださった。
さらに買った値段が346円だったのに、お釣りがバラバラにならないように、345円にしてくださった。
神対応過ぎる。
そもそも鶴岡は何でも食べ物が美味しいので旅行先にオススメです。
私の経験上、食べ物が美味しい地域というものが確実にあって、美味しい店があると住んでいる人の舌が肥えていくので、その結果どんどん美味しくなっていくんだと思います。
木村屋さんに話を戻しますが、ここまでの神対応は初めてですが、鶴岡で嫌な気持ちになったことは一度も無いので、多分接客でもそういうことが言えると思います。
たまにこういう話もいいでしょう。よろしくお願い致します。
【メモの端っこ】
ここでメモの端っこに書いてあった意味無い言葉の羅列を出します。
『また紙使うし、またか蜜買う氏、また過密化ウシ』
”またかみつかうし”の3パターン。
【私も悪かったのですが】
ジェラード屋さんで、私も悪かったのですが、ダブルアイスを注文する時、
「大人のティラミス、へッじゃなくて、エルヴィスでお願いします」
と言ったら、ヘーゼルナッツとエルヴィスを盛られた。
いや貴方の中で”ヘ”が強すぎるだろと思った。
”ヘ”と聞こえたらもうヘーゼルナッツなんだ。
ヘーゼルナッツのこと裏で”ヘ”って呼んでるんだ、と思った。
ヘーゼルナッツは普通に美味しかったです。
【清らかな流れ】
とある岐阜の道の駅にある、レストランの前で清流長良川の鮎と書かれた手拭いとオブジェを写真で撮っていたら、レストランから出てきたおじさんにデカいゲップを掛けられました。
「ぎふぅ」
というようなゲップでした。
これだけ今年の新ネタ!
【というわけで】
しょうもないエッセイ集でしたー。
バイチャ。