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中学生のお笑い修行 コント【好きなタイプ】

コント【好きなタイプ】



(A、Bともに制服。Aは男。Bは女。)



A (Bに声をかける)ねーねー丸山。


B 何?


A あのさ、安田って付き合ってる奴いる?


B え?何それ。やっすーのこと好きなの?


A ちょ、ばか。声でかいって。


B その反応は好きなんだ〜。


A いや…まあ、好きだよ。


B 何で〜?どういうところが好きなの〜?


A え…?だってあいつさ、かわいいし、あと、前の修学旅行の時、偶然二人だけになったんだけど、その時の会話がまじで楽しかったから…。


B ふーん。


A あ、あとあいつってめっちゃ気遣いできるじゃん。体調悪いやつには付き添ってあげてるし、花瓶の水もいつも換えてるし、


B へー。しっかりやっすーのこと見てるんだね。性格を好きなんだ。


A あ、あぁ。すごい優しいところに惹かれたんだよ。それで、今安田って付き合ってる奴いるのか?


B あー…


A え…?いるのか?


B 居ないよ?


A ちょ、お前なんだよその間は。やめてくれよそういうの。


B やっすーは付き合ってる奴居ないけど、狙ってる奴は結構いるかもね。やっすースポーツもできるし。


A やっぱりそうだよな…。


B でも大丈夫。私、やっすーと好きなタイプ知ってるから。


A え!まじか!教えてくれ!


B えー?どうしよっかな〜


A 教えてくれよ。


B いいよ。他ならぬ小平の頼みだからね。


A まじか!ありがとう!


B やっすーはね、男らしい人が好きなんだって。


A なるほど男らしい…


B あと、筋肉ムキムキで、


A なるほど筋肉…


B あとは、香水の匂いがして、


A なるほど香水…ん?


B 年上で高級な外車にのってて腕に蛇のタトゥーいれてる人が好きらしいよ。


A ……は?


B これがやっすーが好きなタイプ。どう?参考になった?


A …たった今安田のこと好きじゃなくなった。


B え?何で!?


A いや…なんだろう。こんな初恋あるんだって思った。地球史上初の諦め方じゃない?これ。


B どういうこと?何で急に!


A いや…


B やっすー良い子だよ?めっちゃ優しいし、


A 多分かりそめの優しさだなって。今確信した。


B 何で!?やっすーは小平の好きなタイプなんでしょ?


A いや、俺の好きなタイプは、優しくてかわいい子であって、腕にタトゥー入った男が好きな優しくてかわいい子じゃないんだよ。


B 小平ひどくない!?お前が望む完璧な女子なんてそうそう居ないよ!?


A あー、優先順位が違う。俺は、腕にタトゥー入った男が好きな女は嫌なの。例えその子が優しくてかわいくても。


B 小平、そんなだと好きになってくれる人いないよ。


A それはいやだ。何とかならないかね。


B まああれは?好きな子の好きなタイプに合わせれば?


A やっぱりそれしかないか。あ、あれだよ。腕にタトゥーはいれないからね俺。


B じゃあ他の女子の好きなタイプ知ってる人の言おうか?


A あーじゃあお願い。


B まず、まっつんなんだけど


A あー松田?


B そう。まっつんはね、金髪で真っ黒な服着てバンドやってる人が好きなんだって。


A 嘘だろ…


B どう?


A いや…どう?じゃなくて、松田の印象だいぶ変わったから。


B あーそう?


A えー俺あいつ清楚な感じだと思ってたのになー。…それまじ?だいぶ印象悪化したな。


B まっつんも嫌なの?


A うん。バンドマンっぽい人が、俺は嫌いだから。ちょっと嫌かな。


B えー選り好みしすぎでしょ。他に誰かいたかなー(雑誌みたいなのをペラペラめくる)


A おい。


B ………


A 何だそれ。


B ……あ、これ?これはあれだよ。同級生の好きなタイプが載ってるカタログ。


A なになに…怖っ


B そんな怖がらないでよー。私も小平は誰かと付き合って欲しいんだからー。


A どういうこと?付き合ってて欲しいって。意味がよく分からないんだけど。


B あ、私ね、誰かと誰かを付き合わせるのが好きなの。


A 余計分からんって、キューピットみたいなこと?


B あーキューピットは、互いが望んだカップルじゃん。私は適当にやってるだけ。


A 目的は何なんだよ!


B じゃあこれ見てよ。(カタログを手渡す)好きな子の好きなタイプ見てみたら?


A あ?ああ…。嘘だろ…


B どうしたの?何か気になることあった?


A いや…クラスのマドンナ的存在で結構好かれてる谷口さん…


B あーそれがどうしたの。


A 何なのこれ。


B えー何だっけ。谷口さんが好きなタイプ。


A 一言「ATM」って…


B あー……


A これ何か利点ある!?何かイメージが崩れてくだけな気がするんだけど。


B いや…でも小平。逆の発想だよ。ATM、つまり金だけ出す奴になればクラスのマドンナと付き合えるんだよ。


A 金で愛は買えねーよ。ん?なんだこれ。


B どれ?


A 何で俺の好きなタイプのところに「泉ピン子」って書いてあるんだよ!


B いや、「優しくてかわいい子」だとつまんないじゃん。


A つまんないって何!?俺の好きなタイプをお前が勝手に捏造するな。


B ごめん。


A ちょっとこのカタログいいや。もう、今日は休みたい。


B あーそう。ちなみに私の好きなタイプなんだけどね。


A あ?


B 私は、バンドマンでATMな腕にタトゥー入ってる人が好き。


A もうやめろ…


END

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