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その街に雪が降ったから、(仕事終わりに)旅に出たのだ

これは道南の話ではなく、#2 はまだ存在していない

様々な場所に赴く仕事だ。一方で、移動時間を差し引いた拘束時間は概ね短く、これまでのどの雇用よりも心の負担が少ない。それが現職である

数日間の予定だった北陸での労働が1日だけになった。直近の稼働日が多く、振替休日は溜まっている

せっかくの北陸だが、(これもテキストに起こしてはいないのだが)数か月前に白川郷で合掌造りに宿泊するサイクリングを済ませていた事もあり、旅情は生じていなかった

雪を見るまでは

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予報では翌日から降雪があるとの事だったが、前倒しでそれはやって来たのだ。朝方のみぞれは、その施設を出るとしたたかの雪になっていた

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"小京都"という言葉があるが。高山という街に偏執的な思いがあり、京都が"大高山"を名乗るべきと言いだして久しい。宿泊予約は既に済んでおり、特急の席も確保してある、ドトールにも寄った。酔っただけが鉄道の旅ではないのだ、コーヒーとミルクレープが道連れである

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高山の空気は冷たく冴え、乾いていた。雪は降っていなかったのだが静謐である事に変わりはない。送り付けた駅前の画像を見て、「夜中のららぽーと」と友人は喩えた。変化は必要である一方で、高山駅前は美しくなりすぎたのだ

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(街の様々なところにこのタイミングでコストを掛けた痕跡があって、言語化しにくい心境になりました)

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駅から東側に離れた陣屋前には細江屋という、食堂と呼ぶにはあまりにも古めかしい店があった。そこで朝食を済ますのが常であり楽しみの一つであったのだが、営業は数年前に終了している。人であれ物であれ店であれ、死は概ね順番通りに訪れる

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駅の"反対側(行けばわかる)"にはマクドナルドがあり、ソーセージエッグマフィンがある。大変に気に入っているので朝食はそれを食べれば問題は無い。だが、ここは細江屋が存在した街なのだ

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翌日の高山は右肩上がりの降雪と共にあった。ビジネスホテルの窓から見える様子で気が済んでしまったが、街を歩く事にした。マクドナルドにも寄った

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この街には"ちとせ"という焼きそばの名店があるのだが、開店時刻とほぼ同時刻に発車する特急に乗る事にした。高山という街は、その知名度の割に列車の本数が少ない。その日の車窓は水墨画のようであり、駅前のコーヒーショップで購入したアメリカーノは"アメリカン"の限界に挑戦するかの如き淡さだった

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その街に雪が降ったから、(仕事終わりに)旅に出たのだ

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余談ですがこの画像の子、強烈に好きになってしまって一日色々考えてたのですが。その内容がだいぶピーキーなので、気になるようであればこのあたりにその片鱗を見て下さい。この話は延々と出来る

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旅とは答え合わせや、約束された楽しさではなく。結果と、伴う心の動きの事を指すのだ

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