見出し画像

半島の外周のみを走るのは、シュークリームの皮のみを食べる事と似ている

無料でフェリーに乗れたのだ。ただより高いものはないとは言うが無い袖を振る事は出来ない。船は2隻あった(人間はジョジョの比喩を知れ)ので、大阪を経由して鹿児島の大隈半島へ至った

フェリーさんふらわあは思いのほか快適である

個人的には雑魚寝がフェリーの枕詞である...のだがフェリーさんふらわあは違った。パーソナルスペースが充分に用意されており。船内の設えが良い

画像1

プライベートベッドを提供して貰ったのだ


僕は旅情とはいえ知らない人との雑魚寝とかちょっとしんどいので、こういうのが良いですね

画像3
画像4
画像5


画像6
画像7

ビッグサイトや象のような圧倒的な質量を伴うサイズ感である

あと、AIさくらさんが大変にKAWAIIので確認した方が良い。稀に悪い顔になるのがなお良い

画像2

あまりにもKAWAII...!

よい事だらけであるが、酔い止めの服用は個々の裁量で行うべきだ


大隈半島、寝ていれば到着する地の果て

船は夕方に大阪を出て、朝には志布志の港に至る

着岸からサイクリストの下船まではたっぷりと時間があるので、船内でおおらかに過ごすのが良い。乗船と下船は遊び人でなく、ロジスティクスを担うものが最も優先されるのである。これは節理のひとつだ


条件付けにより大隈半島を走る

"お前はモニター要因であり、各々の裁量で半島を往け"というのが唯一課されたルールだった。ルールというにはあまりにもミニマルである。この個体のパーソナリティは必然と半島の突端を目指す事と、外周のみを走る事をプランから除外した

半島の外周のみを走るのは、シュークリームの皮のみを食べる事と似ている。僕はクリームを食べる事にしたのだ

画像9


PXL_20221001_021351642.MP - コピー
画像25
PXL_20221001_063719976.MP - コピー
画像27
画像28
画像29


✖✖田の神

大隈半島には数多の"田の神"が存在した。
八百万は重複気味だが、意匠はそれぞれ異なる

画像11
画像12
PXL_20221001_025723501.MP - コピー
PXL_20221001_030405897 - コピー
PXL_20221001_054935879.MP - コピー

田の神もまたKAWAII

自治体が簡潔に概要をまとめているので、そちらを参照するのが良い
面倒ならば下記を参照しても良い

"田の神とは田を守り稲作の豊穣をもたらす神のことであり,その伝承は全国各地で見ることができる南九州特有の田の神としては鹿児島県の薩摩・大隅,宮崎県の日向南部(旧薩摩藩の領内)にだけ見られる"


醤油が甘いとは聞いていたのだ

砂糖醤油ほどの甘さではないが無視できない程度には糖が混入している事はわかる、そういった味だ。
昼に立ち寄った飯屋の旦那が言う「白身に合う」とは正にその通りだったし、彼は我々の良く知る醤油を「キッコーマン」と呼んだ。

画像16

知識は知識でしかなく醬油の甘さもまた、体感によって真の理解が及ぶ

あと、おばあちゃんとおばちゃんがやってるラーメン屋さんも甘い醤油のスープだった

画像17
画像18

"えどやラーメン"


行き当たって衰退を目の当たりにするのが良い

文字にするとあまりにもだが、変化の現時点を目の当たりにする事がサイクリング、ひいては旅の本質ではないかと思う

画像19
画像22
画像23
画像24

道隆寺跡は地元の手入れによってその外殻が維持されていた。良し悪しは個々のものだが。コミュニティに「誰が」「どこに」「どれくらい」居るのかが知れているからこそ、当事者として振る舞えるのだと思う


" Last man standing"

宿泊は肝付という町にした、厳密に言えば程よい位置の宿を探すのが面倒で同行者のチョイスに便乗したのだ。結果的に素晴らしい選択だったが、この機会でなければ立ち寄る事はなかっただろう。中心街でさえ日没とともに闇と同化するような素朴なコミュニティだ

我々にとっての、そしてローカルに於いての" Last man standing"は鳥千であった

店舗を構成する悉くにしたたかやられて。一枚の写真を除いて一切の撮影を忘れてしまったのだが、もし尋ねる機会があれば焼き物のタレ/塩はお任せで頼むのを勧める。例外があるとすれば、豚トロだけは塩を指定するのが良い

PXL_20221001_094145877.MP - コピー

無造作に置かれたマヨネーズは
冷やしトマトを食えというサインだ

-------

画像21

もうちょっと引き延ばす事も出来るが、このあたりで終わりとする

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?