見出し画像

ベイスターズ・チーム戦略部長による講演「デジタル革新がもたらすスポーツ新時代」(朝日教育会議2020 vol.2 立正大学)メモ

 11/8に行われた朝日新聞社主催オンラインシンポジウム、「朝日教育会議2020 vol.2 立正大学 データサイエンスがいかに価値を創造するか」。
 横浜DeNAベイスターズ チーム統括本部チーム戦略部長の壁谷周介氏が基調講演を行うということで興味を持ち、視聴した。

 講演では、データシステムの活用が当たり前となっているMLBの現状に触れ、ベイスターズではどのようにデータシステムを活用しているか、具体的なエピソードが披露された。

 ベイスターズは、「MINATOシステム」や「CANVASシステム」といったデータシステムを独自に運用し、選手や試合の情報をクラウド化している。
 社内でデータを分析し、指揮をとっているのが「R&Dグループ」だ。統計学のプロが参入し、チーム編成やスカウティング、育成、戦術へのデータ活用を行っている。

「ブラストモーション」(打撃のスイング軌道・スピード・角度等が確認できる)、「ラプソード」(投球のリリース位置、球速・回転数・回転軸・変化量の確認ができる)など、選手のデータ採集には、様々なツールが用いられている。
 月に一度行われる「育成会議」では、首脳陣とR&Dグループが一堂に会し、データを踏まえた上で選手の育成方針について話し合うという。

 データ活用に関わる話で、印象的だったエピソードは次の通り。

・外国人選手の補強は、スカウトの目利きとデータを融合させて行っている。今季加入したタイラー・オースティンは、打球速がMLBでもトップクラスだったことが獲得の決め手となった。
・2018シーズンに阪神からFA移籍した大和も、データ分析を行った上で獲得した。
・投手陣のデータから、どの投手にリリーフ適性があるか、分析を行っている。
・親会社であるDeNAのエンジニアを活用しているのがベイスターズの特徴。

 MLBではタンパベイ・レイズなど、資金が豊富ではないチームがデータを有効活用している。同じようにNPBチームの中では中堅規模のベイスターズも、最先端の取り組みを行うことで強いチームの構築を目指している、という話が印象に残った。