星降る夜の悪魔と天使   1 巻目覚め


  


🟥プロローグ

私達は引っ越しの準備の最中。突然だが、最近のお父様とお母様の様子が
どうもおかしい。体に黒い霧(もや)がまとわり付いていて、顔も別人の様に
痩せているんだ。
もしかしたら気のせいかもしらない。
もし本当だったとしても私はそんなお母様達を見ても心配しない、
とまでは言わないが、大丈夫。
何故なら、引っ越した先にお母様達を救ってくれる人が現れる気がするから。


🟧第一章 『おばあさまのお屋敷での一日』


私の名は、夜空 星夜(よぞら ほしよ)。小学 6年生。
今日、お母様と、私の妹、小学2年生の佐綾(さあや)と
お父様と一緒に、田舎から、都会のお母様の実家、
おばあ様の家に、引っ越して来たのだ。
おばあ様の家は、金持ちだそうで、自分の部屋が
あるんだ。
「着いたぞ。」
お父様の声を聞いた佐綾は、
「わあい」と、車の外に飛び出した。
私とお母様が車から降りると、車の運転士さんが
(私達も持っている)通信機でおばあ様がいる家に連絡しているみたい。
会話からすると着きましたって言ってるみたい。
しばらくすると、少し向こうからメイドさんが来た。
「お任せしました。私は、このお屋敷のメイド、志穂と申します。
これから、よろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
「では、こちらへ。」
志穂さんが行く後を少し後ろから、私達がついていった。
「わあ!すっごーい!」
屋敷佐綾がはしゃいでいる。佐綾の声が聞こえたのか、屋敷の中からおばあ様が出てきた。
「いらっしゃい。三葉、ユウトさん、それに星夜に佐綾久しぶり!」
「久しぶり、お母さん。」
と、お母様。
お母様が自己紹介を始めた。
「じゃあ改めて、自己紹介するね。こちらが夫のユウトで、」
「よろしくお願いします。」
「そしてこちらが…」
「星夜です。お世話になります。」
お母様が言う前に私が言い、次に、
「私、佐綾です。」
佐綾が言った。
お母様は、驚いた顔していた。すると、おばあ様が突然言った。
「まあ、上手なこと!」
おばあ様の突然の声にみんな、びっくりしておば様の顔を皆一斉にジロジロと、見ていると、
「あ…、さ、さあ、上がりなさい。」
罰が悪そうに言うとみんなが上がる。
「志穂、カイト!この子達を各部屋へ。」
すると志穂さんと男の人が奥から出てきた。
多分、あの男の人がカイトってひとでしょうね。
しかも、志穂さんいつの間にお屋敷に戻ったんだろう。
私がそう思っていると、おばあ様は、
「ここが私の部屋よ。」
と言ってと自分の部屋へささっと入っていった。するとカイト(どこの誰か知らんけど、呼び捨てでいいでしょうね。)が、
「僕、カイトです。これからよろしくお願いします。」
と言い、
「では、ご案内いたします。三葉様とユウト様のお部屋はこちらにございますよ。」
とお母様とお父様がカイトさんと行くと、志穂さんが
「星夜様と佐綾様のお部屋はこちらですよ。」
と案内してくれた。佐綾の部屋からだって。
「こちらの廊下を通り、右に曲がり、5番目の扉が佐綾様のお部屋です。」
と志穂さんが丁寧に説明してくれた。佐綾の部屋を見ると…
窓もあり、カーテンは、佐綾が好きなピンク色。
ペットが買えるような広さ。
「すっごーい!」
佐綾は嬉しすぎて、涙目になりながら、思いっきりジャンプした。
「ありがとう!」
志穂さんは
「はい。ありがとうございます。次は星夜様のお部屋です。」
「はーい。あっ、佐綾行く?」
「うん、行く!」
「では行きましょう。」
「星夜様のお部屋は、6番目の扉にあります。」
私と佐綾でドキドキしていると、志穂さんが私の部屋の扉を開けた。
「ここが星夜様のお部屋です。」
私の部屋を見てみると…
佐綾より少し広く、ピアノがある。
カーテンは私の好きな薄紫。
マットはふかふかで白。
左の壁に本棚があり、本がぎっしり入っていた。
「しほさん、ありがとう。」
「はい。…と言いたいところですが、もう1つお部屋がありますよ。」
そして部屋に入って左に行くとガラスのドアがある。水色のカーテンがあり、
奥に、もう1つ部屋があった。のぞくと、動物が買えるような広さのスペースが
あった。
「ここはペットルームです。星夜様が動物がお好きだとお聞きしまして。ご主人様が用意なさったのです。
「志穂さん、ありがとうございます。」
「いいえ、どういたしまして。そして、私の事は志穂とお呼び下さい。」
「では、今、3時となっております。おやつやお荷物を持って参りますので、失礼します。佐綾様のお部屋の隣にカイトが、星夜様のお部屋の隣に私がおりますので何かあればぜひ来てください。では、ごゆっくり。」
パタン……志穂と佐綾が行くと、私は本棚の下の段から図鑑をとってペットの種類
を見た。
(私が好きな動物は、犬とうさぎ。)
すると、コンコン。
志穂が扉を開けた。
「星夜様のおやつを持ってきました。」
「ありがとう。そこのピアノの近くの机に置いてて。」
今は、3時半。
「はい。夕ご飯ができ次第、参ります。」
「うん。」
志穂が行くと私は犬とうさぎを飼うことに決めた。
(明日、お母様にたーっのも。)
そして、おやつのマカロンとホットケーキとパンケーキを食べ、温かいカフェオレを
飲んでたら、
コンコン。音がした。
「はい。」
と言って扉を開けた。すると、カイトさんが立っていた。
「カイトさん……?」
「はい。星夜様のお荷物を持って参りました。」
「まあ、ありがとう。じゃあ、荷物はこちらにお願いね。」
「はい。」
ゴトン……私の荷物を置いたカイトさんは
「星夜様、私のことはカイトとお呼びください。では、失礼いたします。」
パタン… カイトさん…カイトが行った後、私はピアノを弾いてみた。
その数時間後、志穂がやってきた。
「星夜様、夕食ができました。」
「はい。今行きます。」
私は部屋の片付けをして、志穂と食卓へと移動した。
食卓はお母様とお父様のお部屋のすぐそこだった。
「つきました。」
志穂が扉を開けた奥には豪華なテーブルに椅子、そしてそれに
座っている佐綾とお父さまとお母さまだった。
「あっ、お姉ちゃん。夕食、カレーだって。」
「まあ、嬉しいわ。」
(ありがとう。シェフさん。)
私は、顔も知らないシェフさん(?)に心の中でお礼を言った。

数十分後…
夕食のカレーを食べ終わり、志穂にお風呂へ案内してもらい、
お風呂に入った。お風呂から上がって、自分の部屋に戻り、ベットに入ると、
今日の疲れが出たのかすぐに深い眠りについた。

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