書散裸#1　経緯と生活レベル

日常で思索にふけると大概のことは結論を見つける前に脳内で離散してしまう。なんだか勿体ない、ずっとそう感じてはいたのだが突然口を開いて誰かに話すわけにもいかず。漫才とか作品に落とし込めればいいか、とも思っていたが、それありきの展開に誘導してしまうことになる。と、諸々の悩み解消と日記の意味合いを込めて、気まぐれにnoteに綴ろうと思う。何かを創るときの取っ掛かりになってくれる可能性も期待できるし。

まあ自身の所属するお笑いサークルの部長の影響が大きいのだが。できるだけ自分の人間性の裸の部分を綴るように心がけるために、このnoteは書散裸（かきちら）と称して始めることにする。散文に違いないので丁度いい名前だと気に入っている。

経緯だけだと些か物足りない気がしたので、常日ごろ一番に感じることについてまずは書いてみよう。この問題は単に頻度が異常なのだが、私は現在シェアルームのような生活をしている。この春から、初めて会った人たちと。既にまあまあ異常な状況ではあるのだが、簡単に言うと大学の学部の寮で学部生の9割くらいが生活している、その末端が私だということなのだが、この生活はなかなか面白い。まずメリットをあげると、友達と遊び放題ということ。この文章からわかる通り、私の部屋（共用のリビングと私用の個室がそれぞれある）は比較的仲良くやれている。見栄でもなんでもなく、相当上手くいっている方だと思う。人間性が大きく乖離していないからだろうか。つまるところ、これは部屋によっては大きなデメリットだろう。ようは同居人ガチャである。ちなにみ私の隣室はどちらもあまりうまくいっていないようである。よく逃げてきた住民が私たちのリビングにたむろしている。

そんな状況でも感じるデメリットは日常の些細な家事炊事たちだ。特に声を大にして言いたいのは衛生観念の違いだ。私が特段綺麗好きだったわけではないのだが、私たちの部屋はかなり汚い。実家で母が相当頑張ってくれていたのを感じる。生活レベル、特に衛生観念にかんする基準が各家庭によって異なるのだ。いや、彼らのご実家の生活を私が知るわけではないので正確には言えないのだが、キッチンが絶望的に汚い。常に。前期の間は彼らはあまり自炊に取り組まず、買い食いで生活していてそれにちょっと文句を言いたくなる（お門違いである）くらいだったのだが、後期から自炊に取り組むようになった彼ら。関心である。しかし結果、片付けが圧倒的に下手なのだ。まずすぐに洗う習慣がない。フライパンなども共用なので困る。注意喚起は何度も行ったわけだが、ここで立ちはだかるのが生活レベルである。彼らの生活ぶりを察するに、あまり実家で家事の手伝いなどはとやかく言われていなかったのだろう。いや、それ自体のは悪いことじゃない。ヤングケアラーという言葉が叫ばれるようになってきた時代背景を考えるとむしろ喜ばしい。私は4兄妹の長男なので多少は手伝う必要性があった、とはいえあまりやっていなかったのだが。両親、申し訳ない。そのうち親孝行します。

話が逸れた。人間は慣れる動物だ。新生活という急激な環境の変化によって、彼らと私の衛生観念はほぼ0ベースで再構築されることになった。そして汚染への抵抗力にも差異が生まれた。いや、待て。彼らは夏休みのほとんどを帰省して過ごしていたではないか。そして自炊を始めたのは帰ってきた後。あれれ？辻褄が合わない。ご実家のキッチンであの状態が許されているというのか？そう、これが生活レベル。あまりにも価値観の根底にあるがゆえに変容させることが困難。疑いを持つことすら難しい。

この汚い環境への適応に罪悪感が伴う。裏を返せば罪悪感があるうちはまだ何とかなる、はず。だがここでまた立ちはだかるぞ生活レベル。私は悪逆非道なキッチンの排水溝との闘い方を知らないのだ。無知である。生理的にかなり厳しいものが、もう刷り込まれているのだ。そういう意味ではある程度低い方がよいのか？いや、衛生的に保つことのほうが大事なはずだ。

というか留学生君。留学生もコロコロ変わりながら一緒に生活するわけなのだが、どの程度家事を分担させていいものなのかわからない。こっちは君の家事係ではないのだ。しかし彼の母国からの仕送りをちょびちょび頂いてる手前強気にもなれず。巧妙な作戦、まんまと術中にはまった。コミュニケーションが十分にとれるはずの日本人の同居人とも生活レベルによる差異で現に家事に困っているのに、ここで留学生を参戦させたらどうなるのか。でもちゃんと躾ないと荒らされちゃうし。

世の中の親というものの凄みを今感じている。自分でやってしまうか、子供にそのすべを託すか。前者のほうが圧倒的に楽だ。なぜなら子供は覚えるのに時間かかる、っていうか覚える気があんまりない。特に私。母よ、尊敬しています。でも教えてないことをなんでできないんだ！と叱られ続けたことは根に持っています。現在、私は家庭と教育という重大なテーマの片鱗に触れているのか。家庭や教育について思うことも今度書こう。

とりあえずキッチン綺麗にするかぁ。しんどい、吐きそう。