小説詩集「青いサンゴ礁」
私は青い大海原へとダイブした。
そこはあくまでも澄みきって自由だった。
そのはずだった。
早朝私は家を出る。白いあぶくがブクブクと私を包む。四肢を伸ばして泳ぎ出すと水は冷ややかで、それを感じながら私は進む。白いサンゴが美しい。赤いサンゴも眠る貝も美しい。右を見て、左を見て、耳を澄ませ、私は軽く笑みをつくった。すべてが体にしみ込む。子供の頃と同じだ。と言っても、いつ頃のことかは定かでない。
信号を待つ。徐々に私は喧噪に包まれる。赤いシグナルと青いシグナルが交互に現れる。それは