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天王寺動物園

わたしはここ数年、「犬猫やってる人」と紹介されることが多いです。

たしかに、犬猫のことをやってるから間違ってはないです。
それから「猫が好きな人」ともよく言われる。

確かに猫は嫌いじゃないけど、だけどちょっと違う

わたしは、とくべつ猫が好きというわけではなくて、動物なら何でも好きなのです。猫はとても身近な生き物だから接する機会が多いだけなのです。

わたしは10代のころ、よく一人で天王寺動物園に行ってました
当時(今から20年前くらい…)の天王寺動物園は、今とは違って若者が寄り付くような雰囲気ではありませんでした。わたしが赤ちゃんだった頃から代わり映えしない昭和感満載のゲームセンター、昼間から何者なのかわからんおじさんたちがたくさん徘徊してて、ベンチで寝転んだり、ワンカップのお酒を飲んでいたり。まぁそれでもそんなことはあまり気にせず、中途半端なギャルだったわたしは一人でフラっと動物園へ行っては、そこそこ長い時間をそこで過ごしていました。

当時はなんでそんなことしてたのか考えたこともなかったけど、今思えば落ち着く場所だったんだと思う。好きだったのはオランウータンのところ。2時間でも3時間でも前に立ってオランウータンを眺めていました。

きっと賢いその動物は狭い檻の中に閉じ込められて、決して広い場所で自由に生きることはかなわない己の運命を悟ってるような(そんなこと考えてるのかしらんけどw)、そんな彼らの目を見るのが好きでした。

小さなとき、両親に連れられてよく来ていた天王寺動物園。
当時の写真には「亜美ちゃんのお気に入りは鳩でした」と母親のメッセージが添えられていました。母が望むような理想の娘には程遠い今の自分と、まだいろいろと期待されていたであろう無邪気な写真の中の自分を頭のなかで比べて、どこで何が違えてしまったのだろうかと考えていたりいなかったり。
当時からずっとあるじゃじゃまるの遊具。
色が薄れて寂れた風景が心地よかった。

素人なりに自己分析してみると、
なにかと早熟だったわたしは急いで大人になりすぎて、高校生のうちから家を出て働きだしたりしてたので、たぶん何も心配せずに生きていた子供のころに浸っていたのではないかと思う。わたしは自分がACだったと思ってるのであながち間違ってない気がする。

そう考えると、今はそうやってノスタルジックに浸ることもあまりないので、おそらく育児を通して子供時代を再生できたのが大きかったのではないかなあ、と考えたりする。

子供を育てると、もう一度子供時代を生きられるんですよ、不思議でしょう。当時してほしかったことを娘にしてあげて、されて嫌だったことはしないように気をつけたりしながらセラピーになったような気がしています。

今は、天王寺動物園の周辺は見違えるほどきれいになって、以前は考えられなかったほどたくさんの人が訪れる場所になりました。園内も、現在の牧園長(なんと「TVチャンピオン全国動物園王選手権」のチャンピオン!!)が手腕をふるって展示もよくなり入場者数も右肩上がり。

あの寂れたレトロな昭和感はなくなってしまいました。
個人的にはちょっとさみしい気もするけど、間違いなくそうなるべきだし、実際ほんとにおしゃれなカフェが立ち並び一面芝生が生えて、多くの人が好きにくつろぐ素敵な場所になっています。(他府県のかたはぜひ天王寺に遊びにきてな!)

ちなみに動物園で好きなのはここ数年ずっと「爬虫類コーナー」です。爬虫類・両生類の神秘な生態はこころときめきます、昆虫も大好きです。

どちらかというと哺乳類よりそっちのほうがかなり好きなのです。死ぬまでには「虫の人」って紹介される程度に詳しくなってみたいな。


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