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イキリ少牌人到来!

『少牌マイティ打てる?』
と受けた電話で聞かれた。少牌マイティが世に出て半年。こういう問い合わせが多くなってきてとても嬉しい。
『打てますよ。是非お越しください』
『浜松から行くんだけど、どのくらいかかる?』
そんな質問受けたことがない。電車で来るなら到着時間もちゃんと書いているはずだ。スマホ苦手勢?
『1時間ぐらいですね。』
『分かった、今から行くわ。』
『はい、お待ちしております。』
と答え、電話を切った。ちょっと気になるのが電話口でのタメ口。変なおっちゃんが来ないか心配していた。
2時間後、一人の男がやってきた。身なりは中肉中背。私と同い年ぐらいか。名前は吉田と言った。
『お待ちしておりました。』
『おおw肥え×じゃんww打ってみたかったんだよねwwやろうよww』
っと上機嫌に挨拶してくる。初対面にしてはかなり距離感が近い。フレンドリーというよりは無礼系って感じだった。
『こちらへどうぞ』
と言って、ルール説明をする。
『少牌マイティは打ったことありますか?』
と聞くと
『あるよ。俺いつもJOG(少牌マイティ発祥の雀荘)でハッケヨイと打ってるから。』
なるほど。ハッケヨイ氏の仲間か。それならそんなに説明もいらなそうだ。しかし、JOGでと比べてウチは気持ちが安い。種籾0.1、恵み50だ。JOGの10分の1ぐらい。
『ウチはお気持ち安いんですけど物足りないかもしれませんよ?』
というと
『そうだねぇ。もっと高くならない?1.0種籾の恵み500とか。でチューリップも付けたいよ。』
随分と腕が立つのかお金に余裕があるのか。しかしウチはソフト麻雀だ。エンタメは良いけどギャンブルはダメ。そもそもそんな気持ちでやれる面子はいない。すいませんが、と断りを入れる
というと
『0.5種籾でもダメ?』
0.5ならまぁぎりぎりOKか。フリーも0.5種籾だし。だけど打つ人がいない。通常のフリーが1卓、0.1少牌マイティが1卓でもう1卓立てれそうにない。我慢してもらおうかと思ったその時、チャイムが鳴った。
来たのはDonkey'sの常連コウタだった。こいつは少牌マイティをずっと俺と打っているし、通常の麻雀がとても強い。初めて少牌マイティをやったときもすぐにコツを掴み勝っていた。そして気持ちにも余裕がある。コウタとだったら0.5種籾少牌マイティを立てても良さそうだ。
コウタに事情を話すと
『僕、昨日マイティを始めたばっかりなので、お手やらわらかにお願いしますw』
などと冗談を言って快諾してくれた。それに対して吉田は
『いっつもピンの少チューだから何でも行っちゃいそうだわw』
とコウタにレートマウントを取っていた。私の経験上レートマウント取ってくる人で強いやつを見たことがない。本当にハッケヨイ氏の仲間か?ハッケヨイ氏はギャンブル中毒でイカれたレートをやるが、こういう鼻につくマウントなんか一切取らなし、そういう人と日常的に親しくして麻雀をやるイメージもないので、吉田が本当にハッケヨイ氏といつも打ってるか疑わしかった。
『そんな高レートで打ってる人に勝てるかなぁ。2万種籾以内で踏ん張ることを目標にします~』
とコウタは言ったが、こいつはそんな事言いながら負ける気は一切ない。というかこういう事を言って初対面の人を油断させる。私はコウタの実力を知っているが、客観的に見ると全く強そうに見えないのだ。
ネコを被っているコウタに吉田はすっかり初心者認定をしてしまったようだった。
この後私とコウタはイキリ日本代表の実力を嫌というほど味わうことになるのだった。

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