愚か者

おろか、おろかと
いくら ことばでとなえたところで
自分のおろかが治るはずもない

今さらいくらくやんだところで
傷つけた誰かの笑い顔想い出し
この手に抱き寄せることもできない

今まで何度
人のおろかさを責め
愚痴をたれ、八つ当たり、
泣き言をぶつけてきたことか

今まで何度夏の暑さを恨み
冬の寒さをなじってきたか

おろか、おろかと
口ではいくどもとなえながら
今日までけれど気付かなかった
どれだけ自分がほんとうに
おろかな、おろかに、おろかでしかない
人間だったかと

もしも冷たい雨粒が
純白の雪に変わるために
冬の寒さが必要ならば

これからわたしは
冬の寒さを愛そう

せみたちの鳴く声が
せみたちが鳴き、しぐれるために
夏の暑さがどうしても
必要だというのなら

もうわたしは
夏の暑さを愛そう

だからわたしにも
人の愛し方、

教えて下さい
人の心のいたさ
感じるすべをおしえて下さい

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