(詩)カンパニー

夜空にまたたく銀河の光を
みんな涙の海にかえ
あなたに伝えよう

もう届かないあなたの心へと

いくすうせんの人々が
今も忙しく行き交う
夜の都会のネオン街は
さながら地上につくられた
銀河系のようです

あてもなく
そのまたたきを辿ってゆけば
どこかの星でまたあなたと
ばったり出会えそうな

そんななつかしい
銀河系のにおいがして
思わず空を見上げると
薄暗い都会の空に
それでもやっぱり
銀河はまたたいていました

どうしてぼくたち
出会ったのだろう
いずれ時も空間も引き離されて
もう二度と永久に
再会することはないと
定められているぼくたちなのに

どうしてぼくたち
この銀河系のかたすみで
出会ったのだろう
何も知らずに
何も知らないもの同士だった
ぼくたちが

そしてどうしていっしょに
寄り添って歩いたりしたのだろう

銀河の歴史に比べれば
一瞬のまたたきにさえ満たない
歳月の短さの中を
あんなに夢中になって
子どもみたいに
泣いたり、笑ったりしながら

それでもぼくたちは確かに
この銀河系のかたすみで生きていた


夜空にまたたく銀河の光を
すべてみなぼくの涙の海に変え
あなたを抱きしめたい

今はもうぼくの涙はすべて
あなたへの感謝であふれていると
あなたに会えたことの喜びで

永久にこの銀河が続いてゆく限り
ぼくの涙はあなたへの想いで
いっぱいに満たされながら

この宇宙のやみを
またたき続けてゆくと
銀河のまたたきに姿を変え
あなたを想い続けながら

だからいつかまたあなたが
ひとりの少女として
この星の大地に立つ時

目の前にあふれるほどの
銀河がまたたいていたら

それはすべてみな
ぼくの涙だと思ってください

すべてのまたたきが
あなたを愛していると

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?