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(詩集)きみの夢に届くまで

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詩の数が多いので、厳選しました。っても多い?
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2022年10月の記事一覧

ネオン街の雨宿り

どうして日本にきたの ニホン、ニッポン にほん、にっぽん どうして 船できたの フネ、ふね、で わたしは船で 日本に来ました わたしの答えは これで、正しいですか わたしの日本語、 変、ありませんか ネオンのまぶしい 光をさけて ネオンのあやしい またたきを逃れ 傘も差さず歩く少女に 傘を差しかけ立ち話 二万 ニマン、エン わたしは二万円、です 少女の指さすネオンライトの ホテルの看板の文字が やさしく雨にぬれている ネオンのまぶしい 光をさけて ネオンのあ

雨の赤信号

赤い信号が 赤い車の テールライトを停めている 助手席の少女はぼんやりと 降りしきる雨を見ている ぼんやりと 鼻歌でも口ずさんでいるのか 赤い信号の灯りが ブルーライトに変わる時 動き出す テールライトの波また波 それきり 少女は口を閉じたまま せっかく数えていたのに 雨の数、数えていたのに いくつだか忘れてしまった あんまり突然 赤から青に信号が 変わってしまったから かぞえていた あなたの涙の数 かぞえて、 いたんだけれどなぁ こんな夜は 人恋しくありませんか

(詩)夢のカルーセル

記憶はカルーセル 面影を乗せた木馬 忘れた頃に またやってくる 涙はカルーセル かなしみを乗せた木馬 引いてゆくよ 笑い顔の予感と引きかえに 人生はカルーセル 忘れていても ちゃんと回っているくせに 知らないうちに、止まっている 人生は、夢のカルーセル 止まってはじめて 夢だと気付く 木馬の背中の なつかしい、いたみだけが 残っている

与謝野晶子になれなかった

まだぼくたち大人が 学生だった頃 歴史の授業で 第二次世界大戦を勉強した時 ぼくたちは 学ばなかったろうか 二度と過ちは犯しません、と 嘘っぱちの政治家と マスコミには騙されまい、と けれど今ぼくたちは 同じ過ちを犯してしまった そして再びぼくたちは 政治家とマスコミに まんまと騙された 竹槍でアメリカに勝てると信じた あの頃の大人たちのように 今ぼくたちは マスクやワクチンで ウィルスに勝てると信じている そして既に日本でも 1,000人以上の人が ワクチンを打って

戦争ゲーム

戦争屋即ち死の商人にとって 戦争はゲームでしかない 戦場は市場(しじょう)であり 金儲けのための戦争ゲームって訳 どっちが勝とうが負けようが 彼らにとってはどうでもいい事 どっちに転ぼうが どっちも彼らの商品即ち 兵器を買ってくれるお得意様 TVから流れ来る戦場の映像を あたかも TVゲームの画面の如く 虚ろな目で眺めているだけ そこに響き渡る人々の 嘆きも泣き叫ぶ声も 彼らの耳には入らない そこに映る人々の 血も涙もすべて 彼らには戦争ゲームの ワンシーンでしかないので