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上岡龍太郎さんの思い出

上岡龍太郎さんが亡くなりました。81歳だったそうです。もう、そんなになるのかと驚きました。なにしろ引退されたのが早かったですからね。当時はテレビが好きだったので、上岡さんの番組もたくさん観ていました。

忘れられないのが『探偵!ナイトスクープ』の収録ボイコット回です。これはリアルタイムで観ていたので衝撃が大きかったです。有名なので経緯は省略しますが、とにかく当時、私は上岡さんの言いたいことが瞬時によくわかりました。

ああ、この人は、ご自身か親族が
「目に見えないもの」に苦労させられて
辛い思いをしたことがあるのだろうなと。


オカルトものは人気があります。小枝探偵の「面白かったらええと思うんです」という言葉もわかります。いや、むしろ視聴者の大半はそちら側ですし、私もそう思います。

けれども、行き過ぎないように、どこかで釘を刺す存在が必要だとも思います。上岡さんはあえてその役を買って出る場面だと思って、激怒して見せたのではないでしょうか。番組を、テレビを、愛するがゆえの行為であったと私は思います。

最近はコンプライアンスが厳しい世の中になりましたが、それはほとんど、何らかのガイドラインに依るものです。批判もそれに則ったものです。むしろ空気を読んで自主規制…というケースの方が多いと思います。

けれども、「私がいけないと思うから、私のみの責任で、これを批判する」と言い切れる人は、滅多にいないのではないでしょうか。たとえ皆が呆気にとられてでも。そこにしか、見過ごされている本当の問題を捉える視点は宿らないのかもしれません。

こんなに自分の信念を貫いて、なおかつ引き際も潔かった人はあまり見かけません。上岡さんお疲れ様でした。まさに立て板に水のような喋りでたくさん楽しませていただきました。ありがとうございました。