大人になって気づいたこと

 ”Hakubi”というバンドに『大人になって気づいたこと』という曲がある。この曲は守られて何も知らなかった自分と成長して大人になって知ったこと、そして大人になりきれない自分自身の葛藤が描かれている。

 自分自身の選択が正しいのか間違っていないかと不安になり、誰かに正解だと認めてもらいたくなる。そして、どれだけ頑張っても満たされることなく一日が終わり、何かを許すこともできない。

 大人になるというのはどうしてこうも苦しいのだろうか。子供のころ憧れた大人はこんなに苦しくなかった。

 大人は理不尽を要求してくることもあれど、輝いて見えていたし自らの選ぶ道は正解なんだと自信を持って選び、進んでいたように見えた。

 けれど、その大人達もきっと子供の前だから格好つけていただけなんだろう。きっと一人になれば後悔に圧し潰されそうになったり、選択を間違えたと不安になっていただろう。何をしても続いていく毎日に絶望を抱きながら。

 結局、大人だろうが子供だろうが毎日を生きなければいけないことに変わりはない。その事実だけが不変であり、大人になっていく過程で後ろ向きになっていくことも大多数の人にとっては通過儀礼なのだと思う。

 毎日、何を許すこともできなくても、後悔に圧し潰されても、不安で居ても立っても居られなくなっても、無数にある選択肢をただ一つだけ選び取ることができなくても、生きていくしかない。もちろん、そこには生きないという選択肢も存在はしているということもお忘れなく。

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