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ネッツトヨタ南国、横田英毅さんからの教え

緊急事態宣言が解除されて翌週。蔓延防止に十分留意したうえで、我が師、横田英毅さんに会いに行ってきました。

余談ですが、横田英毅さん、新井和宏さん、天外伺朗さんのお三方は圧倒的な私の師です。人生の岐路において、答えではなく問いを投げかけてくれる師匠という存在は偉大です。お身体ご自愛いただきたく思います。


さて、そんな横田英毅さんが創設した、ネッツトヨタ南国について。有名企業なので前提を書く必要もないかもですが念の為記載します。

ネッツトヨタ南国は1980年に、トヨタビスタ高知として誕生しました。ディーラーのチャンネル統合により、ネッツトヨタ南国と社名を変更して現在に至ります。設立時から「社員全員が人生の勝利者になる」ためにはどうしたら良いのか?を考えて経営している会社です。

会社の目的は売上じゃない
営業ノルマは存在しない
駐車場に線を引かない
教えないから人が育つ

という、徹底した人間性教育をベースにした経営を行っています。

最も特徴的なものを一つ
横田さんは徹底して教えないです。何故だか分かりますか?

週末ともなると300名以上のお客様が来場するネッツトヨタ南国。土日はてんてこ舞いの忙しさで、スタッフも小走りで移動しないと時間が間に合わないほど…。ある時、ショールーム内を小走りで走っていた女性スタッフがお客様からの指摘を受けました。

「ヒールの音がカンカン煩いんだけど……。」

女性スタッフは営業終了後、先輩女性スタッフに聞きました。
「小走りで走らないと間に合わないのですが、確かにヒールの音も煩いと思います。どうしたら良いでしょうか?」

先輩女性スタッフ「どうしたら良いと思う?」

このように、横田イズムが徹底して社内に生きているのです。



普通だったら、「○○すると良いよ」とか「私は○○しているよ」などと、後輩に教えてしまうものです。しかし、この会社は徹底して教えない。

どうして教えないのか?

その答えは、教えないから人が育つ、なのですが……学校教育は教える(答えを見つける)教育です。学校教育にどっぷり浸かってしまった我々は、この世の真理ではない事柄を、あたかも真理であるかのように錯覚してしまいます。

横田イズムを凝縮した図をご紹介しましょう。

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横田イズムを凝縮した図、オニと金棒です。

四象限の図を確認しましょう。
・大きなオニと大きな金棒
・大きなオニと小さな金棒
・小さなオニと大きな金棒
・小さなオニと小さな金棒

オニとは人間力を表します(垂直方向の成長)
金棒とは知識を表します(水平方向の成長)

簡単に教えてしまった知識は、あくまで金棒でしかないのです。
教えてもらわずに、自分で発見した知識はオニ(人間力)になるのです。

究極的な事例で言えば、横田さんは「失敗を隠せ」と社員に言います。新車で紛らわしい箇所があり、整備で間違えてしまった。このような場合、一般的な会社であれば、当該箇所を写真で撮影し、朝礼で失敗事例として共有するでしょう。
しかし、横田さんはこれを全否定します。
何故か?
社員が失敗する機会を奪う行為は、成長を阻害している行為と同義だ。という信念からです。

新車一台廃車にしても構わない、社員の人間的成長が何より一番だ。

この信念がブレないからです。



よし!当社も今日から教えないぞ!!!
指示命令をしないぞ!!!
失敗を奨励するぞ!!!

といって、大怪我する会社も多いので警鐘を鳴らしておきます。

ネッツトヨタ南国は、採用段階で多額の資金と時間をかけて、自分たちの価値観に合う社員を採用しています。

良い・悪いではなく、色々な価値観の人間がいる。これはまぎれもない事実です。価値観を180度変えるような教育は機能しません。ネッツトヨタ南国が考える価値観に近い人を採用しているため、価値観の矯正をしなくても良いのです。

人間性を無視して組織論を創ろうとする経営者が多いような印象を受けます。あくまで私の視点ですが。

そうではなく、まず個人で次が社会、最後に組織という構造は不変です。個人の価値観を生かすにはどうしたら良いかな?そして、個の集合体である社会はどのような要求(変化)をしているのかな?と思案すれば、組織のあるべき姿が見えるのではないでしょうか?


今回の高知訪問も、とても良い時間でした。
横田さんありがとうございました。

またお伺いさせていただきます。

いつまでもお元気で

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