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成長したいという欲望は人間に元来備わっているものなのですが、垂直方向の成長は条件が揃わないと起こらないものなのです

成人発達段階についてシリーズで書きました。垂直的成長とは何だ?という説明は以下のリンクをご参照ください。

水平的成長は割と単純です。
(知識の習得のために)投下した時間 × 講義の質
これでほぼ決まります。英会話を習得したいとネイティブとトークレッスンするのも、大学受験の勉強をするのも、簿記1級を受験するのも、たいてい上記の算式の通りの結果になります。特に、投下した時間が割と重要になります。


しかし、垂直的成長は、上記算式とは全く別の算式が存在する事に気付いている人はほぼいないように思われます。

自己否定感 × 感動の量 × 他人からの強要(強要が強いほど負の数)

垂直的成長はこの算式が当てはまります。
他人からの強要というのがポイントです。他人から、成長しろ!ゴラァ!と言われれば言われるほど、垂直方向の成長は起こらない。というわけです。

算式について持論を展開する前に、人間に備わるメカニズムについて解説しておきましょう。


人間というものは、たえず臓器や肉・骨が生まれ変わりながら生きています。テセウスの船という有名なパラドックスがありますが、人間が生まれてから死ぬまで一生同じパーツを保有しているのは、体重換算で0.5%程度だと言われています。残り99.5%は生まれ変わっているのです。

これを動的平衡と言います。

人間は動的平衡が起こらないと細胞が維持できないので、まずは動的平衡を何より優先して行われるようにプログラミングされています。これを、ホメオスタシス(生体恒常性)と言います。
ホメオスタシスは、体温調整という重要な機能も司っています。夏でも冬でも体温を一定に保つようにプログラミングしているのですね。

ホメオスタシスには
①.動的平衡
②.さらなる繁栄に向け自己発展できるように生命作用を調節する
という2つの働きがあり、①.動的平衡 が満たされて初めて②.さらなる繁栄にエネルギーが供給されるのです。

なので、ホメオスタシスは中々に強力です。①を優先するあまり、変化を嫌う性質があります。(身体が変化すると、動的平衡にも体温維持にも不都合ですよね)
この①を超越して、身体が変化したいと願う行為こそ、垂直方向の成長だと言えます。

よって、自己否定感が重要になってくるのです。

まずは、自分の中にある自己否定感をきちんと味わう事が何より重要です。軽く触れてみるのでも悪くないのですが、自己否定感も自分の一部なので、きちんと抱きしめてあげたいところです。


自分の中の自己否定感をきちんと抱きしめる事ができると、それがある意味燃料となり、自分の中で統合が始まります。この統合のプロセスで必要となる要素が感動です。

自己否定感は垂直方向の変化のキッカケで、それを持続的に支えていくのが感動である。というイメージが分かりやすいでしょう。

ここで言う感動とは、日常の小さな感動でも、非日常の大きな感動でも良いと言われています。ルーブル美術館でアートに触れて感動した!でも良いし、普段歩いている道にとても綺麗な花が咲いていた!でも良いのです。心が動いた瞬間を何よりも大事にしていただきたく。

ちょっと脱線しますが、仕事のスケジュールを決めてから合間で余暇を楽しむライフスタイルが一般的になりすぎて、感動を見つけに行くという事を行わなくなっているよなぁ…なんて思っています。まず、感動を見つけに行き、合間で仕事をする。という生活様式にならないものかな?と模索中です。

自己否定感 × 感動の量 × 他人からの強要(強要が強いほど負の数)

という算式も理解していただけたと思います。


最後に、他人からの強要について。

他人から言われると逆効果に働くので、垂直方向の成長についてはとやかく言うものではありません。この成人発達段階も、組織に取り込もうとすると変な力学が働くだろうなぁと推測します。

あくまで、自分がどうしたいか?が重要で、答えは自分の身体に聞いてみてください。というアプローチなんだろうなぁと考えています。


はい、というわけで
垂直方向の成長に関する条件のお話でした。

話は理解したけど、どうすれば良いの?という疑問質問も多いだろうなぁと思っています。なので、今年中に実験的にワークショップを開催してみようと計画中です。

他人からの強要が逆効果なのだから、自分の身体に聞いてみる。という前提でワークショップを構成しています。混沌とした時代を生きる鍵は身体性だ!という手応えも感じていますので、またそこでお会いできれば嬉しいです。

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