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混沌とした乱世の時代だからこそ、一番力を入れるべきはマーケティングだよね。という一周回って当たり前の話

今日のような混沌とした世界に人類は適応しだした……センサーが鈍くなったとも言えるかも……ように見えます。

ウィルス騒動から始まり、サプライチェーンの大混乱、自国内の課題解決(前例のない課題)に大混乱、各国の足並みのズレ、それによる立ち上がり方の差、そして、この2021年には再びサプライチェーンの大混乱(特に調達)が起こっています。

2021年の初めに、サプライチェーンの問題は絶対に起こるから、冗長性を回復するように事業全体をRe designするほうが良いよ。と私は指摘していますが、まさにその通りになりました。

材料の調達を海外に頼っている事業は、冗長性を回復しないと本当に危ないです。

【国内の不作による原材料高騰】
じゃがいも・ねぎ・大根・さんま

【輸入における国際競争力の差で原材料高騰】
木材・小麦粉・とうもろこし・植物油・玉ねぎ・にんにく

ここで私が指摘したいのは輸入に関わるものです。国内相場の上下は優先順位としては落ちます。現在の状況だと、海外へ飛んで新たな仕入先を開拓することが困難であるからです。


そもそも……。
何故、原材料を輸入するようになったのでしょうか?

例えば木材について。
報道されている通り、我が国には建築用の木材が無くなってしまいました。在庫ゼロ状態。

我が国は植林も盛んで、木材には事欠かないように思われます。しかし、何故木材が無くなってしまったのか?

これは価格競争力を出すため。この一言に尽きます。この価格競争力という概念が仕事のイメージを悪いものにしている一因だと考えます。

企業が利益を増やすには4つの手法があります。

①単価アップ
②変動費ダウン
③客数アップ
④固定費ダウン

この①→④の順で効果があります。まず①(客単価アップ)を狙うのが定石なのですが、日本企業の大多数は②(仕入原材料ダウン)に手を染めてしまったのです。

②は①と同様の効果が出ますが、非常にキケンな側面が隠されています。

例示すると分かりやすいので書くと、国産で放し飼いの鶏肉を使った鶏の唐揚げを売っていた業者が、利益を増やしたいからと輸入の外国産鶏肉に原材料を置き換えた。という状況です。

ここには2つの見えない因子が隠されています。1つは、味が落ちることによる消費者満足度のダウン。もう1つはサプライチェーンの分断による商売の持続可能性です。将来の広がりを放棄する代わりに、目先の利益を確保した。という経営判断です。

これは大いに反省すべきだと考えます。


そうではなくて、①客単価アップ、を大真面目に考えるべきです。
そのためには「マーケティング」が超大事。

マーケティングとは広告や宣伝のやり方ではありません。「そうそう!こういう商品欲しかったんだよ!」と顧客のニーズを顕在化し、新たな市場を創ることです。

なんかたいそう大げさな表現に聞こえるかもしれませんが、そこまで深刻に考える必要はありません。世紀の大発見をするのではなく、既存のビジネスにちょっと機転を利かせるだけでOKです。

例えば、無印良品は「発酵ぬかどこ」という商品を開発しました。毎日のかきまぜ不要、買ったその日から野菜を漬けることが可能です。

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ぬかどこ、は普通に存在するものですが手入れが大変。それを省くことで新たな市場を創ったわけです。

このような、あったらいいな~をカタチにするのがマーケティングです。決して、広告や宣伝、ネットショップに進出すれば〜という話ではないのです。


マーケティングに力を入れると、①客単価アップ、は自然とついてきます。

海外からの輸入に頼らず、冗長性を回復し、レジリエンスのある商売にするためには、①客単価アップは絶対的に必要な課題解決です。そして、それはマーケティング思考がないと先に進めない。

そんなごくごく、当たり前のことを思ったのでした。


久しぶりにマーケティング思考の講座でもやろうかな〜。と思ったりしています。


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