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『グレムリンはなんか動く』

「ミアさん」

「なーに?」

「アセンブルって、なに?」

「アセンブルもわかってないままグレムリンに乗ってるの? 信じらんない!」

「なんか動くから……」

「動くようにアセンブルされてるからね! 普通、自分が乗ってるものがどう動いてるかくらい、わかってて動かすものじゃないの?」

「不思議と、操縦の仕方だけ、わかる」

「わかった。あたしがアセンブルについて説明するから、聞く。オーケイ?」

「おー、けい」

「まず、アセンブルっていうのは、グレムリンにパーツを割り当てること。

 グレムリン・フレームにはパーツを接続して制御するためのスロットっていう端子があって、これにパーツを繋げることでグレムリンを組み立てるんだよ。

 例えばグレムリン『スリーピング・レイル』のフレームには、頭部・腕部・操縦棺・脚部・エンジン・索敵・主兵装・副兵装・背部兵装・機動補助のスロットがあるの。それぞれのスロットに適するパーツをセットしていく――アセンブルすることで、グレムリンはパーツの効果を発揮して戦うことができるように、なる」

「動かしてみて思ったけど、『スリーピング・レイル』は、自分から攻撃するというよりは、敵の攻撃に合わせて反撃をするタイプの機体だとは思ったな」

「そういうアセンブルだからね。[迎撃]っていうタグがついているパーツが多いでしょ。これは、敵から狙われやすくなるパーツなんだ。

 それで上手く敵から殴られたらこっちのもので、殴られてから1分後に【被攻撃時】タイミングの効果を持つパーツが効果を発揮するんだ。

『スリーピング・レイル』の場合、兵装の『パンツァークリンゲ』と『術導重機関砲』が動くことで、殴ってきた相手を殴り返せる、ってわけ」

「けれど、殴られてるだけじゃ、いつか、壊されてしまうんじゃないか?」

「だから、耐久を上げるんだよ。『スリーピング・レイル』の耐久は元々高めだけど、その他に【捕捉時】【被攻撃時】に耐久を上げるパーツが混ざってるでしょ。これで耐久を上げていくと……、やがてどんなダメージも受け付けなくなるよ」

「ほう……」

「もちろん、今の形が気に入らなかったら、好きな形にアセンブルしていけばいいんだよ。もっと火力が欲しい! とか、もっと速く動きたい! とかね。一つの形にこだわる必要はないの」

「うん、よくわかった」

「なら、よろし……」

「アセンブルは、ミアさんに任せておけばいいって」

「よろしくない!」

あざらしの餌がすこしだけ豪華になります。