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法制化されたHACCPが何故進捗しないのか?②

皆さんこんにちは!国際HACCP同盟認定HACCPリードインストラクターのDaigoです。今回は前回の続きとして、食品衛生法で定められている「HACCPの種類」と「その問題点」についてお話します。(業界団体で実施されているHACCPもありますが、「私は特に問題を感じていない=法制化に対応できる」ので割愛させていただきます。)

食品衛生法で定められているHACCPは、「HACCPに基づく衛生管理(以下、基準A)」と「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理(以下、基準B)」の二種類に分かれます。

厚生労働省のHPより引用https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/haccp/index.html

法的には従業員数50名以上の事業所が「基準A」を実施し、50名未満の事業所が「基準B」を実施すれば良いことになっておりますが、厚生労働省のHPには、信じられないことに基準Aの手引書は「6業種」しか掲載されておらず、基準Aの手引書に近い「食品製造におけるHACCP入門のための手引書」も「11業種」しか掲載されておりません。それに対し、基準Bの手引書は「100業種以上」掲載されています。

ここまで言うと、「みんな頑張って手引書作成してくれてるだね💖」と思う方が多いと思いますが、手引書を読んでも簡単にHACCPに取り組めるわけではありません。保健所や食品衛生協会、私たちのようなコンサルタントの指導があって、初めてこれらの手引書は活かされます。ただ、地方に行けば行くほど、保健所職員も人数が足りません。限られた人数で何箇所も巡回指導しなければならない、これでは進捗するわけがありませんよね。私が頑張って貰いたいのは、各自治体の食品衛生協会です。これも地域差が大きいと思うのですが、私が住んでいる地域の食品衛生協会は、まったくと言って良いほど、HACCPの指導をしません。それどころか、食品衛生協会の支部長がHACCPに取り組んでいないといった状態です。(彼らは「手引書」を配布すれば、それで仕事をした気になっているのかも知れません。)

過去に私が講師を務めた講習会で、食品衛生協会の食品衛生指導員の方々が私にこう言いました。「私たちも協力するので頑張りましょう!」と。口の悪い私はすぐに反論しました。「あなたたちでは何もできませんよ。身の程を知った方がいいですね。」、本当にこう言いました。

尚、注意しなければならないのは、大手スーパーや百貨店のバイヤーさんが考えているHACCPは「基準A」であるということ。基準Bの手引書を配布し、事業者自らが実施できれば、「法制化には対応できます」が、「大手との取り引きにはつながらない」ということです。

悪口?はこれくらいにして・・・、
私のお客様は大半が従業員数20名以下の小規模事業者です。それでも「基準A」を目指して必死に頑張り、既にPDCAを回せている事業者がたくさんあります。それによって、先日行われたスーパーマーケットトレードショーで良い商談ができ、新しい取り引きが決まったという、大変喜ばしい声も聞こえております。これが「HACCP実施の効果」です。私は断言します。絶対にやった方がいいです!(自分たちを守ることにもなるしね💛)

また書きますね。
それでは今回はこの辺で・・・。


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