知らない街を歩くこと〜兵庫 六甲駅〜

さんぽが好き。
知ってる街より知らない街を歩くのが好き。
何もないところをただ歩くのもいいけど、
点々とある行きたいところをめぐりつつ思いがけぬ場所に何か見つけちゃうのも楽しい。

出張先で思いがけぬ1日のおやすみを頂き、
兵庫県の六甲駅まわりをひとりでぶらぶらしておりました。

六甲駅を調べると、気になるカフェやパン屋さん、雑貨屋さんが色々。
月曜定休のお店は多いけど、それを除いても気になるお店はたくさんありました。

昔はひとりで東京へ行き、
1日で何件もカフェをめぐったりしたなあ
その時のことを思い出しました。
そういえば最近、カフェめぐり、ひとりで知らない場所をぶらぶらしてないなあと気付いた。

そうと決まれば行動は早いわたし。
おやすみだし、ゆっくり眠ろう…と思っていたのですが9時には目的地の駅に降り立っていました。

だって、パン屋さんが開くのは早いんだもの。

最初に立ち寄ったのは「ルコパン」さん。

こじんまりとした店内に、かわいい雑貨と、これまたかわいいパン達がずらり。

ブルーベリーデニッシュと窯出しチーズのパンを買いました。

お店の袋がかわいい。

ツヤツヤのブルーベリーと、クリームチーズが美味しいデニッシュパン。

そして2軒目、ここも美味しいと有名なパン屋さん。

この日は晴れのち曇りの予報だったのに、
突然の雨。
雨宿りしつつ、豚の角煮とゴボウのパンを食べました。

体が冷えたので暖かいコーヒーを求めに。
ずらりと並んだ本達は、店内でゆっくり読むことができるみたい。
私は次の目的地もあったのでテイクアウトを。
お姉さんがにこにこしてて、私も思わずにこにこ。こんなお店が近くにあったら通うのにな。

かわいいお姉さんが丁寧にいれてくれたコーヒー。まだ小雨の中、次の目的地に向かう。その道中にほっとさせてくれるとてもおいしいコーヒーでした。

雨が降る中、「フクギドウ」さんによる。

器や、お洋服、こだわりの調味料など。
お店の方と、天気の話や商品の話をする。
そうそう、そうだった、私1人でお店入るとついお店の方とお話ししたくなっちゃうんだった。カフェだったら、味付けはなんですか、とか、雑貨店だったらこれどうやって使うんですか、とか。その方があとからその時のことを思い返しやすいし、お店のこだわりが知れて嬉しくなったりする。

ここでは調味料を買った。
東京の東小金井にある、「あたらしい日常料理 ふじわら」さんという食堂や教室をやられているお店さんがプロデュースしている瓶詰め。
唐辛子のオリーブ漬けのようなもので、お味噌汁に入れてもいいとのこと!気になっちゃって。これでまた帰ってからの楽しみが増える。

そのあと、別のビルの二階でやっている在庫商品の蔵出し市にも寄った。

店内に私ひとり。ちょっとしたことで声をかけられて、今回の出張のことなどたわいのない話で盛り上がる。他の雑貨店さんも紹介してもらったり、とても気さくで楽しい方だった。
綺麗な青に惹かれてやむちんのフリーカップを買う。帰ったらあれでコーヒーを飲もう。

そして、今回のメインの目的地。
「喫茶 月森」さんに。

ゆっくり丁寧に焼き上げるパンケーキが有名で、1番に入った方でも一時間待ち。
2番目だったので一時間半ほど待っていましたが、空間が落ち着きすぎて永遠にいられそうな居心地の良さでした。
昔、ピアノをやっていた頃に弾いていたようなかわいい曲がゆるやかに流れ、パンケーキを作るカシャカシャという音、香ばしいにおいに癒されました。

むしろ、なにかをただ待つ、という行為は
普段あまりしないことでとても貴重でした。

店内に本がたくさん置いてあり、
ひとつの料理本を選びました。

躁鬱病の作者が、料理を始めて病気がどんどん良くなった!ということで、簡単な料理日記をつけ始めたという本。
レシピ本というほど細かくない、でも美味しそうな料理と作者の方がちょっと手を加えたワンポイントが添えてあり、楽しく読めました。
何より、簡単な料理から始まって、だんだんレシピを見ずに作ってみたり、食材選びを楽しんでみたり、明日のメニューを決めてみたり、たまにはサボってモッチッチを食べたり、そんな何気ないメモのような感じがとても良かった。
そして、料理は人を変える、そのメッセージがとても心に響いた。

私も料理が好きです、というけれど(そしてその度に女子力高い!と言われるのだけれど)もはや生活、というか、自分を保つためのひとつ、というもので人に堂々とだせるような料理は作っていない。
おっちょこちょいで、物忘れが多く、仕事ではミスばかり、大雑把、そんな私が料理をすることでこんな自分でも美味しいものを自分で作れる!と確認して自分を整えられて、自分を好きになれる。それを積み重ねて今があるという感じ。料理を始めた頃のことを思い返した。
そして、その経験を料理がそんなに好きではない若い方に広めたいと思って料理教室を開きたいと思ってた時期もあったなあ…と思い出した。

この方も、数日料理をせず調子が悪くなっても次の日の朝、ご飯を炊いて味噌汁を作ることができた。それを積み重ねて改善していった…のような記述があり、それなんだよなあ!!と大変共感してしまった。

そして、こんなさりげなく暖かい料理をいつか大切な人に毎日食べてもらいたいとも思う。
たまには手を抜いても、基本的には食材を調理して、五感が喜ぶ食事をしたい。

そんなことを考えながら、本の最後にある「料理について」という後書きをよんでいると、なぜか涙がぽろぽろとこぼれてきた。
これには自分にもびっくりした。

時間に余裕があると、本を読んで考えたりするだけでこんなにも感情が動くのかとびっくり。
これからは本をよんでぼーっとする時間を設けなければ…
そんなことを考えていたらあっという間に1時間半経った。

お月様みたいなホットケーキ、スクエア型のバター(いつも食べてるバターより数倍美味しい)、なみなみのメープルシロップ。
そして、かわいいポットに入った紅茶とこれまたなみなみのミルク。
カトラリーが、軽くて、かわいいフォルムで気に入った。

まずは生地のままぱくり。
外はさっくり、中はもちもち。
ホットケーキの至上の姿がそこにあった。
そして、たっぷりミルクのホットミルクティーを飲む。天国だった。

メープルシロップをかけてももちろん美味しい。でも1番はバターのみ。

途中で暮らしのヒント集という本をぱらぱら読んだ。大分古そうな本だったけれど、今の生活にもすぐ取り入れたいことばかり。

“トイレットペーパーを買ってきたら袋からだして並べてみましょう。”
“枕を一年に一度変えてみましょう。すっきりとした気持ちで眠ることができます”
のような、ちょっとしたことから
“夜寝る前にその日あったよいこと、見かけた美しいものを振り返ってみましょう。ごく普通の1日にもきらきらした瞬間があったことに気がつきます。”
というぜひ取り入れたいなということまで。
調べたら現代版で文庫本もあるみたいなので買ってみよう。とても素敵な本だった。

そのほかにもぶらぶらしながら
目にとまったお店に入った。

そして、坂道の途中にある古本屋さん。
「口笛文庫」さん。
初めて見るタイプの本の陳列の仕方!笑
本の山!山!
古い本も新しい本もごっちゃになったそこは、とても楽しい空間でした。

私は昔、図書館に通っていたのだけど
自分より背の高いところまである本の棚に囲まれた中を歩くのが好きだった。
深い海の底にいるような、落ち着く気持ちになったことを思い出した。

一冊本を買い、お茶をしに向かった。

小さなかわいいお店「いろは」さん。
お店の名前にもある通り、美味しいお茶がいただける。

頼んだのは桜のチーズケーキと小豆茶。
急須で出てくるのが嬉しいね。

そもそも本を読むのはいつぶりだろう。
昔は週に3冊くらい読んでいたのに…
手軽に文字や情報を得ている今、時間のかかる小説を自然と遠ざけていた。
毎日、時間に追われていたんだな。
仕事はじめてから特に、ゆっくりした気持ちで本を読むことがあまり出来なかった。
出来れば月1でもまた本を読みたい。

そんな六甲駅さんぽでした。

変な天気だったけど最後にはこんなお天気に。
いい時間を過ごしました。
あと1日、出張頑張れそう!

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