20190929写真カラー化-Bin

古写真の自動カラー化ワークショップ体験記

 青森まちかど歴史の庵「奏海」の会では、2019年9月29日(日)午後に、青森県立図書館集会室を会場に、15名限定の持参した古い白黒写真に人工知能を利用しての自動カラー化実習を実施しました。指導は、渡邉英徳東京大学教授、同大学院生の渡邉さん、同じく岑さん、3名の方々です。下は高校2年生から、上は70代までと参加者の年齢はまちまちでしたが、スマホが苦手な高齢者が、若者の手助けで、だんだんと技術を習得していく様は、微笑ましいものがありました。以下に、体験記を紹介します。


高校生・女性(新規)
 若い人に来てもらいたいと誘われ、私は今回参加しました。誘われた時は、手間がかかり大変なのではと思っていましたが、実際にやってみるとスマートフォン1つでとても簡単に素早く色がつき、とても感動したし、身近にあるものでとても楽しく試すことができるので興味深く、良い刺激となりました。
 今回、この企画に参加してみで、若い人がすごく少ないように思いました。インターネット等の普及で使い捨てカメラやデジタルカメラで写真を撮る機会が減少していることもあると思いますが、私たちが生まれたときには白黒写真というものがないに等しく、そんなものに色をつけたところで何の役にたつのかと考えている人が多くいるんだなぁと感じました。
 しかし、このような事は、インターネットが普及した今だからこそできることであり、新しい歴史をひもとく重要なカギになるように思ったので、もっと若い世代に広まって歴史の紐解きなどに興味を持って欲しいです。


 ● R・I/20代・男性
 友人に誘われ事前に詳しい内容を知らずに来たのですが、とても楽しかったです。
 ワークショップの前に渡邉教授の講演で、「戦前・戦時中の市井の人々の白黒写真をカラー化して当時(過去)の人々を身近に感じる」ことと、感じることで何気ない日常のその後に起こった悲劇の重大さを理解することの大切さを学び、感銘を受けました。
 そのためワークショップには前向きな気持ちで取り組むことができました。
「AIによる白黒写真のカラー化」と聞き、最初はやり方が難しいのかなと思っていましたが、QRコードを使いスマホで簡単にできるものだったので、機械音痴気味の私にもやりやすかったです。
 平成生まれの私は残念ながら白黒写真を持っていなかったので、参加されていた年配の方からお借りしたものや、ご準備いただいていた写真集の中の「寺山修司」の写真をカラー化しました。
 この体験を通して、教授のおっしゃっていた「カラーにすることで過去の写真の人々がより身近に感じられる」という感覚を実感できた気がします。
 ワークショップには自分や家族の過去の写真をカラー化した年配の女性の方がおられましたが、写真の思い出を語りながら確かにどこか生き生きとしているように感じました。
 我々のような「戦争の記憶」を知らない世代も、このような手段を通じて、心が受け入れられないほどの重々しい気持ちになることなく、過去と向き合うことができるのなら、今より多くの人が重要な「戦争の時代」に興味を持つきっかけになり、手塚治虫の「アドルフに告ぐ」に出てきたような「国家の正義」や「戦争」に翻弄された市井の人々が二度と出ないような未来になるようにしようと強く思えるのではないかと感じます。手始めに私も祖父母の白黒写真をカラー化してみようと思っています。


●S.S(20代・男性)
 今回、初めてこのようなワークショップに参加しました。
 講演会に参加するまでは白黒写真を自動カラー化するのは正直難しいのではないかと思っていましたが、いざやってみるととても簡単で楽しかったです。今まで、白黒写真は遠い過去のもの、見ると少し怖いと感じていましたが、カラーになった写真を見ると「当時もこんな色をしていたんだ。」と急に親近感が湧き、価値観が変わりました。
 自宅に帰ってから祖母に実際に見せたところ、「昔を思い出す。この服はこういう色だった。すごい時代になったもんだね」と大変喜んでいました。
 今後は友人にもカラー化のやり方をレクチャーして、どんどん広めていきたいと思います。
 また、今回幅広い年代の方と交流して人脈を広げることが出来ました。年配の方はどうしてもスマホなどのデジタル機器に弱いので、そういった方を手助けすることが出来て良かったです。また、こういう機会があればぜひ参加したいと思います。


50代・女性
 ワークショップに参加するにあたって実家に行き、古いアルバムから写真を数枚持ってきました。その中から、昭和42年くらいに当時暮らしていた家の前で父に撮ってもらったよそ行き姿の私(6歳くらい?)の写真をカラー化してみることにしました。
 私は実はスマホを持っていないのですが、渡邊先生がこれを使ってみて、とおっしゃってご自身のスマホを貸して下さいました。スマホの操作は多少できるので、アドバイスを受けながらやってみると、私でも簡単にカラー化することができました。
 白黒写真のままでも当時の記憶がけっこうあると思っていたのですが、色がついたことで、記憶の情報量が更に増えたようです。この服は気に入っていた、とか、窓の下の薪や草や木の様子から秋の頃だったのかな、とか、50年以上も前のことなのに近く感じられ、当時の私に会えたようでなんでだかわからないけれど、とてもうれしくなりました。グループ内ではカラー化写真が写しだされるされる度に歓声があがり、盛り上がっていました。
 家に帰ってから、息子にカラー化の作業手順を説明し、息子のスマホでいっしょにやってみたのですが、大丈夫ちゃんとできました。

自動カラー化(石郷岡)

 
60代・男性
今回の参加はとても楽しみにしていました。というのは、参加の目的があったのです。中学校の喜寿同窓会を開催するに当たり、自分は前回、DVDを作成しました。皆様から集めた白黒写真でアルバムを作ったのです。白黒写真をカラー化できるこの企画は、渡りに船の素晴らしいものでした。
 講師陣も素晴らしく、高齢のド素人の自分にも、とてもわかり易く親切に教えていただきありがとうございました。大学院の若い青年と会話するなど、何年ぶりでしょう。
 家に帰ってからも一生懸命反復練習をしました。パソコンからjpeg画像を取り出し、「白黒写真自動カラー化」と題したDVDを作り上げました! 

小湊中カラー化(澤田)

 
60代・女性(新規)
 スマホデビューからわずか4ヶ月で、スマホ使ってる昔の白黒写真をカラー化するワークショップにお誘いを受けたときは、無理なことだと思っていました。
 AIとか人工知能と言う言葉は、見たり聞いたりはしていましたが、まさか自分が使うことになろうとは、夢にも思いませんでした。
 当日、和気あいあいとした雰囲気に、ホットしました。渡辺教授をはじめ、スタッフの皆さんもとても親切で、楽しくカラー化することができました。
 半世紀以上も前の自分の幼い頃のカラー化した写真を目の前にして、当時の事は全く記憶ないのに、肌色をした顔を見てとても感動しました。また、一緒に参加した友達の写真も拝見することができ、これも楽しかったです。
 ワークショップの関係者の皆様に、御礼と感謝を申し上げます。

寺沢作品


●70代・女性
 わーすごい!きれい、感動です。なんか涙が出てきました。
 楽しかったなー、大きな海。
 兄とてっちゃんと私は、手をつないで波に向かって走りました。
 オニギリ、美味しかったなー。
 みんなの笑顔がはっきりわかります。母の着物の色、帯の色、無結び、ステキでう。いろんなことが思い出されます。
 白黒写真は、小さいときに八戸市の種差海岸に行ったなー、楽しかったなーくらいなのに、色がつくと次から次へと思い出が浮かんできます。カラー写真をいっぱいおしゃべりが出来ました。

種差海岸カラー化

70代・女性(新規)
 何年も見ていなかった古いアルバムを出して、幼かった頃にタイムスリップして、60年ぶり位の自分に会い、その当時のことを思い出すことができました。それと同時に、月日の経つのはなんて早いものだとつくづく感じております。
 このワークショップに参加しなければ、ゆっくりアルバムを見る時間にも浸る事はなかったのではないかと思います。
 スマホに変えてから、まだ4ヶ月なので操作も十分にできなくて心配したのですが、講師の方にほとんど手伝ってもらって、どうにかこうにか、カラー写真にすることができました。ありがとうございました。空や海の色は白黒写真ではグレーですが、カラー写真にすると鮮やかなブルーで気持ちも晴れやかになり、その写真の見方やイメージが変わるような気がします。
 ずっとガラケーでいいと思っていましたが、せっかくスマホに変えたので、これからいろいろ楽しみたいと思います。

柿崎作品


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