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青騎士 創刊の経緯とその特徴について

2021年4月に新創刊する漫画誌、青騎士ですが、その経緯を遡ると2013年4月に起こった角川グループ9社合併が発端となります。

それまで、月刊ASUKAは角川書店、電撃マオウはアスキー・メディアワークス、ハルタはエンターブレインからそれぞれ出版されていました。同じグループの漫画雑誌どうしの交流はあり、毎年夏と冬にコミックスをいっしょに拡大する販売フェア「角(かど)コミ」などを行っています。

2013年までは、それぞれ入居しているビルも、所在地も異なりました。角川書店は飯田橋、アスキー・メディアワークスは西新宿で、エンターブレインは半蔵門で漫画を作っていました。

合併後、それぞれの編集部は少しずつ近づいていき、あすかとハルタが同じビルに入居したのが2017年、電撃マオウが合流したのが2018年です。

同じビルで働くと、よく会って漫画の話をするようになり、あすかとハルタ、電撃マオウは、おもな対象読者こそ異なれど、編集者どうし通じ合うところがありました。それは、ひとことで言えば、自分の作った漫画を、もっと多くの人に読んでもらいたい。対象読者を限定するのではなく、その外側にも漫画を送り出したいという思いです。

そこで2018年に雑誌の付録として、最初の青騎士を作りました。実験的で、可能性を追求し、自由な表現を心がけるための場所として。その創刊の辞にはこう書かれていました;読みたい漫画を読むために漫画誌を買う読者の皆様に対して、別冊である青騎士は、まだ見ぬ、出会ったことのない漫画の面白さを積極的に伝えていきたい、と。

付録版の青騎士は計画通り隔月ペースで作っていき、途中の第5号には電撃マオウから『篠崎くんのメンテ事情』が出張掲載されました。そして2019年の2月、編集者たちはやりきった達成感と、満足のまま、最後の読書会を終えてそれぞれの編集部に戻っていったのです。

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2019年末、いまだ世間がコロナの脅威にさらされていなかった頃、我々3つの編集部はもう一度、手を組みたいという話し合いを始めました。オフィスが飯田橋から新宿WeWorkへ一時的に移転し、以前よりもさらに顔を合わせて漫画の話をする機会も増えました。付録版で連載していた『峠鬼』と『美少年倶楽部の秘密』はハルタ本誌へ移籍しましたが、我々はあのときの熱意をもう一度やりたくなったのです。そこで、仮の誌名として「ドミナ」と名付け、こんどは値段をつけた売り物として、新雑誌を作ろうと画策しはじめました。

(それから、また移転したり、東所沢に本社が出来たり、コロナ禍に苦しめられたり、さまざまな出来事があって)

漫画家たちの覚悟と、編集者たちの熱意と、会社の理解を背景に、いま(3月5日)青騎士第1号の制作が始まっています。ここのnoteでは、発売日に実本を手に入れた方の楽しみ、驚きを失わせないように、掲載する情報は基本的には後追いのものとするつもりです。また、ここだけの独自の内容も用意しています。隔月刊、出版不況、コロナ禍のまっただなかに新創刊するものではありますが、そのぶん真摯な編集姿勢を心がけています。真面目に、おもしろい漫画雑誌を作っていきます。どうぞよろしくお付き合いください。

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