聖樹(菊池洋勝句集)の感想
Twitterでご縁があり句集を購入。胸に響くものがあったので感想を。
菊池さんが毎日Web句集で詠まれたものをまとめた句集とのこと。いくつか句を引用して。
皇后に負けぬ妻より感謝状
連休の無い十月のカレンダー
これらを見ると退職して句を始めたおっさん風。
童貞卒業か濃厚接触か
成人の日の着ぐるみの中の人
ここを切り取ると若者の閉塞感風。
内視鏡届かぬ先の痒みかな
元旦の奥へ目覚まし時計鳴る
カルチャーセンターで細かな写生を学んだ的な。
看護婦の透ける下着も春めける
容疑者は鎖骨涼しきナースかな
きっしょいおっさんの視点とか。
本当に痛い時には声も出ぬ
停電が続けば呼吸器が止まる
句集に入ってなければ句だと気づかない。
いくつかこの句集の感想を拝見しましたが、氏がご病気だとかTwitterでエロツイートをリツイートしまくって迷惑だとかそういうことじゃないでしょうと。
泣きもするし笑いもする。国を憂いたり、エロなことで妄想で人を犯したり。普通の人は汚い弱い面を隠すけれど俳人は廃な部分で魅せる。ただ人が詠む都合上、セーラー服をき続けるというキャラ設定だったり、親子で美人歌人だったり、放浪したり、忍者設定だったり、それが菊池洋勝はたまたま重病なだけ。
わざわざお金と時間を掛けるのだから体験できないような空想をしたい。映画だろうが小説だろうが句集だろうが。私はたまたま同い年だが得難い空想に付き合いました。一句返そう、
生と性と聖に溺れろTwitterの中の人 (青木健一)
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