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100年後も。

先日放送された『鶴瓶の家族に乾杯』(NHK)に、森山良子さんが出演されていた。

ロケ地である岡山のある田舎道を歩いている時、森山さんが彼女と同年代の女性とたまたま出会す。その女性も歌を歌う活動をしているらしく、2人で歩きながら、森山さんに一緒に歌を歌おうと誘う。そこで、Peter, Paul & Mary(以下、PPM)の「Cruel War」を少しだけデュエットするのだけど、その歌声に、気付いたら鼻水を啜るくらい泣かされいた。

自身はPPMのリアルタイム世代ではないのだけど、60年代のポップスを沢山聴いていた時期もあり、PPMも相当聴いていた。

彼らは、なんと言ってもハーモニー・アレンジが素晴らしい。当時はおそらく一発録りだし、マイク前で各々が音のバランスを絶妙に図りながら演奏していたことも音源から何となく想像出来る。テクニック以外のアンビエンスな要素というか、そういう部分が極めて上手なグループだなと音源を聴くたび感じる。

そんなPPMの歌の一つに「500 miles」という曲がある。一人で部屋でこの曲を弾き語っている時なんぞ、不意に感極まって泣いてしまう時があるのだけど、そのメロディに関して言うと実はペンタトニックで構成されている。このペンタトニックは、民族音楽の音階としても捉えることが出来、世界中の音楽に馴染みのあるメロディでもあるらしい。つまり、同じようなメロディを昔から人はなぜか歌っていた、という証がこのペンタトニックの存在ということになるのだろうか。

人が、訳もわからず歌に涙を流したりするのは、人の遺伝子に自然と蓄積されてきた何かが大きく左右するような気もするのだけど、もしそれを巧みに使えるとしたら、100年後も聴かれる音楽を自在に作ることができるのだろうか。…なんて、浅はかなことを考えていた時に不意に思い出したのが、

『自分の生きている時代の人に一番に作品を楽しんで貰いたい』

という脚本家三谷幸喜さんの言葉。

自分はまだそこには至れていない。。


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