麻雀 全然わからなかったイカサマ。

※フィクション

 嫌なやつがいた。

子供の時は狭いコミュニティにしかいられないから嫌なやつとも距離が置きづらかった。

そんなやつとも麻雀をやっていたのだがソロバンが得意なので麻雀のスコアボードに記入するときも我々が点数を言う前に




もう一瞬で書いていた。3人で

「すごい早いね!」

というと

「お前らが馬鹿なだけだ。」

的な事をいっていた。

そんな感じのやつだが当時は麻雀を打つ人間は限られていたのでしょうがなく面子にいれていた。

それは大人と呼んでいい21,2歳ぐらいにも続いていた。
当時はまだパチンコスロットの状況はかなり良く、年齢の割にはみんなお金を持っていた。

そんな仲間が集まるからレートはあがった。
1000点100円から3倍の300円。
ウマも3000円  9000円だった。

そんな中でもアイツとは麻雀を打っていた。
そいつはかなり勝っていて

「俺は勝つのが仕事。麻雀のスコアボードは回収してパソコンにつけてる。お前らがいくら負けてるか今度もってくるよ。」

「人の評価を気にすることは向上心に繋がる。」

「俺が勝ったら食事にいくが、負けたら悔しいから食事にはいかない。それが勝負ってこと。お前とは違うってこと。」


といっていた。
我々の中ではソイツが少し年上だったので、『まぁそういうキャラだよね』と苦々しく笑っていた。

そんなある日、スコアボードがあいつが忘れていて 残っていたので見直すと変なことに気づいた。

書いてある数値と違うのだ

先程のスコアボードに例えると




アイツがトップのときは5増えてて
アイツがラスのときは5減らしていた

これは『こんな単純なことをわかるだろ?』と思うかもしれないが1-1-3ならわかりやすいが、3-3-9だと徹マンなどをしてると見落としてしまうのだ。
(しかも5とかわかりやすい数字ではなく毎回少しだけ違っていた)

しかも、アイツは嫌なやつだが歳は違うとはいえまぁ昔からの友達ではあると思ってはいたのでスコアを記入するのも確認はしてなかったのだ。



私はこの事よりも裏切られたことにショックだった。



私は次の麻雀のとき、半荘が終わったときの点数を携帯で撮っていて

「アンタさ毎回2000円づつ違って毎回アンタが
その分得してんだけどコレどうなってんの?」

と聞くと

「あ‥悪ぃ‥ぼーっとしてた。‥本当にごめん。」

と言っていたが

「いや、まえのスコアボードも残っているぜ。アンタこのスコアボードだけ忘れていったろ?」

私は財布の中からスコアボードを出した。

「あれ、じゃあ前も間違えてたのか‥‥本当に申し訳ない!!差額は全部払う!」

と慌てていたが

「ワザとだろ。」

といっていたが大声で「ワザとではない!」といって大騒ぎになった。
店の人も出てきたので

「もう関わんないでくれ。」

と3人で店をあとにした。


その後は3人で食事をしながら

『前々から騙すつもりだったんだな。』

『点数記入するのも予め書いていたのも確認をなあなあにする為だったんだ。』

『偉そうなことを言っていたのもその為か。』


『ガッカリだな。』


それから、アイツとは麻雀以外にも遊ぶときは呼ばれなくなった。

今は何しているかもわからなくなった。

ただ、少しの金や名誉欲しさに金では買えないものを失っちまったんだ。





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