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09chiharu
きつね
全てが終わってしまった今。
それはよく考えればとても奇妙な話だった。
なぜなら僕は今の住所を誰にも教えていないし、そもそも引っ越したことさえ知っている人は少ない。でも当時の僕は、彼女が僕のことを探っていたとか、あるいはストーキングしていたとかそういうのは深く考えず、ごく普通に、彼女を部屋に入れた。
呼び鈴のないボロアパートのドアを3度ノックされ、でたら彼女がちょこんと立っていた。高校を卒業して以来6年は会っていないのに僕はまるで近所の友人が遊びにきたかのような感覚で「いらっしゃーい」と。それくらい彼女は自然だったし、警戒心を抱くような要素はどこにもなかったからだ。
彼女は至極当然のように僕に溶け込んできた。
生活費になります。食費。育ち盛りゆえ。。