装丁とバロメーター 2020年10月24日の日記

(note版では一部文章をカットしています)


昨日に引き続き小トピックをいくつか書き連ねるやつでいこうと思います。本来日記とはそういうものなのだと思いますが、適当なことを思い付きで書く、あまり洗練されていない文章群を書きなぐっていきましょう。


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同人誌を買いました。届くのが本当に楽しみ。私が文章を書き始めた一つの理由のような、目標のような、憧れのような方が久しぶりに同人誌に文章を寄稿されるので本当に楽しみ。完全にファンの顔をしている。前作は閲覧用と保存用となにかあったときのため用とで3冊購入したし、未だに本棚の一番手に取りやすいところに置いている。めちゃくちゃ好きなので楽しみで仕方ない。ありがとう……。今回はなるべく多くの人に読んでもらいたいな……という気持ちを優先して、少し我慢して2冊だけの購入で留めた。たぶんもう少しで発送になる。届くのがあまりに楽しみ。久しぶりにワクワクすることがあって生きている実感がある。人生こうでなくちゃ。メンタルなんもしない人になっているときにはいつもこの方の書く文章に救われているような気がします。本当にありがとうございます……。


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メンタルをやっているかを確認するためのバロメーターになるようなものを持っている方って、少なくないのではないでしょうか。私もいくつか持っているのだけど、その一つに「神聖かまってちゃんの『フロントメモリー』を聞くこと」がある。これを違和感なく聞くことができれば結構キている。色々なカバーがあって、どれも本当にいい曲に仕上がっているのだけど、バロメーターとしての機能を果たせるのは原曲だ。


この曲、ボーカルだけ早いんですよね。早い、で漢字は間違っていないと思う。ピアノの切ない音が特徴的な音源なのだけど、それぞれの楽器の演奏よりもボーカルだけがコンマ数秒だけ先走っているのだ。この楽曲の気持ち悪さは色々な要素によって成り立っているとは思うのだけど、大きな要因はやはりこの「早さ」だ。ワンテンポ早くボーカルが入ることによって、夏の焦燥がひしひしと伝わってくる。取り返すことのできない時間をどうやっても"ちゃんと"過ごせないことに対する漠然とした底のない焦りをこの曲に見出せるのは、同じ精神状態にある時だけだ。今は結構そう聞こえるのでやっぱり精神が参っているのかもしれない。すごく好きな曲です。


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エンデの『はてしない物語』の単行本、装丁があまりに可愛いので欲しいんですよね。読んだことはあるのですが、手元に置いておきたい本ってあるじゃないですか。まさにそれ。分厚くて装丁が可愛い本が手元にあるとなんだか幸せな気分になれる。私の本棚だと『分析美学入門』(読みかけ)や森博嗣の統一感のあるグレーの背表紙なんかがその代表例だ。


当然、本は中身が重要だし、いくら装丁が凝っていようが文章を追っている間は一切関係がないのだけど、装丁はQOLに直結する。枕元に本棚があるので(地震が来たらあぶない。数年前の大阪の地震の時にもひどい目に遭った)そこに並ぶ背表紙の山を起床時と就寝時という一日の意味ありげな局面で目にすることになるのだ。せっかくならば可愛い本が眼に入ると嬉しい。本をインテリアとして扱うことに対しては色々な意見があると思うけれど、私は割と「アリ」だと思う。本は中身に価値があるのだとは思うけれど、その外側にも価値があってよい。インテリアとして扱うことを問題だと思うのは、インテリアとしての価値しか見出さないことに対する危惧と言い換えられるのではないでしょうか。読みもしない英字の雑誌をこれ見よがしに並べたりするあれとか。私もそうならないように、ちゃんと買った本は丁寧に身に馴染ませるように読んでいきたいと思います。

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