メジャーデビュー 2020年11月29日の日記


Tempalayメジャー進出だやった~~~!!! しかもunBORDEからときた。12月9日に新譜『EDEN』を出すらしい。残りもう少なくなってしまった今年の話題をかっさらっていってくれ……。嬉しすぎて体調悪くなってきた。この日記では何度も名前を出しているし去年の「マジでよかったからこれだけは聞いてくれ25曲」にも選んでしまったくらいには大好きなバンドだ。本当に嬉しいな。この音楽が爆発的に売れる時代になったら絶対に面白い。米津玄師とかKing Gnuが売れる時代なんだからいけるって。メジャーなみんなのアーティストみたいな顔してるけどあの辺り相当尖った音楽やってるぞ。


いまの音楽シーンは完全に混沌の時代になってきている。変拍子ゴリゴリテクニック重視の時代から四つ打ち踊れや踊れダンサブルロック、チルアウトオシャレエモエモシティポップの時代を経て、いまは本当に訳がわからん時代になっている。多少、まだ椎名林檎進行によるネット音楽出身アーティストの色が強いような気もするけれど、あそこは完全に数多の競合他社との差別化を図って色々な実験が日々行われている修羅の国であるので、進行だとかこれまでの音楽で重視されていた要素以外のアイデアが大量に盛り込まれていることもあって進行やジャンルによって括りづらい集団と化している。本当に面白い。ネット音楽文化の流入、サブスクによる音楽大量消費の時代の到来、ダンサブルロックからシティポップの過渡期を見て育った世代の成熟によって今の邦楽シーンはかつてない広がりを見せている。音楽のカンブリア爆発。


そんな中で、最近少しずつ勢力を伸ばしているのがサイケの要素を含んだ音楽だ。酩酊感のある、生きているのか死んでいるのかわからないような音のリフレインが特徴的なジャンルであるけれど、そのサイケでいま一番面白いバンドがTempalayなのだと思う。個人で言えば君島大空もそうだけど。あ、でもニガミ17才も良いな……やっぱり一番とか言えないですね……。限りなく良い音楽だといいたかったんです。人肌くらいの暖かさの極めて粘性の高い透明な液体の中をゆらゆらと漂っているような独特の安心感とトリップ感を味わえる音楽なのだと思う。


Tempalayはとりあえず昨年リリースのアルバム『21世紀より愛をこめて』を聞いていただければだいたいの雰囲気が掴めると思います……と前ならば書いていたのですが、『EDEN』のティザー映像を見て考えを改めました。突然ゴリッゴリのサイケロックをやりはじめた。メジャーデビュー作品で攻めすぎ最高。これからもちゃんと幅のある音楽活動をしていこうという姿勢を前面に押し出したものだと思うので、「これ聞いたらだいたいTempalayのことわかった気になっていいよ!」と言うのは憚られる。聞けば聞くほど癖になってくるようなバンドであるので、初めは聞きやすいところから聞き始め「なんだこのバンド変な音楽やってんな……」という印象が「なんだこのバンド変な音楽やってんな……(感嘆)」に変わっていくその塾生の過程を楽しんでいただきたい。


unBORDEは私が音楽を聞き始めたころから私好みのアーティストを多数抱えつづけているレーベルであるので、そこにTempalayの名前が入ったのはとても嬉しい。レーベルにはレーベルごとのカラーが出るように思うけれど、unBORDEはいい意味で統一感がなく、アーティストごとの個性を大切に育てていくようなレーベルであるように思っているので、かなり安心してメジャーデビューを祝えるような気がする。ちゃんとしているレーベルにはいいバンドが集まってくる。レーベルはバンドのことを大切にしてあげてくださいね……商品であると同時に人間なので……。それにしてもめちゃくちゃ楽しみだな。12月9日『EDEN』のリリースを座して待つ……楽しみすぎて三点リーダをいっぱい使ってしまった……。

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