キティちゃんを数える 2021年7月23日の日記

サンリオだけは存在する異世界からやってきた人に説明するために「リンゴというのは一個の大きさがキティちゃん五分の一の大きさで……」と説明する夢を見た。

もしも月を説明するのであればリトルツインスターズ(キキララ)を引き合いに出すことになるのだろうけど、これは規模感だけの問題ではなく、その二つが頭の中で密接にコロケーションの形成を行っているからというのもあるのだと思う。「キティちゃんの身長はりんご五つ分」というのは一桁の自然数倍なのである程度直感的に理解しやすいスケールであるように思われるけれど、「りんごの大きさはキティちゃんの五分の一」というのは先ほどの「五つ分」を念頭に置いてひっくり返しただけのものに過ぎない。より分かりやすく「KIRIMIちゃん.と同じくらい」なんて言うこともできたはずなのに、キティちゃんとりんごの間に説明を行う上での互換性を見出してしまっていたのだと思う。

なんだかメルヘンなことを書いたけれど、こういうことって日常でも十分起こりうることだと思っていて、Aという事柄を説明するのにBは適しているのに、その反対が成り立たないことは往々にしてある。

ところでキティちゃんやKIRIMI.ちゃんはどうやって数えたらいいんだ。「人」と数えるのも人間中心主義的であるように思われるし、「匹」や「個」で数えるのもそれはそれで失礼な気がする。固有名詞だから単位を付けないというのは一つの処理方法だと思うけれど、リトルツインスターズは「ふたり合わせてお月様と同じくらい」だからなぁ。とはいえ「ふたり」に「二人」と漢字をあてないことで回避をしているとも思える。表記によってメタコミュニケーション的に文脈に含みを与えられるのは日本語の便利なところなんじゃないかな。そういえば以前キティちゃんが登場していたイベントの新聞記事に「Aさん(左から三人目)」と表記されていたことがあった。キティちゃんは右端に立っていたので、左から数えることで「キティちゃんは「人」で数えるのか」問題を上手く回避していたのだけど、これはもう回避するしかない問題ないのかな。キティちゃんとダニエルくんが並んでサイゼリヤに入店してきた時なんかには困ってしまうだろう。「お二人様ですか?」でいいのかな。あ、でもそれも二名様ですか、で処理できてしまうか。対象によって助数詞を使い分ける日本語のような言語は想定していなかった対象についていかに振舞うことができるのか。

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