定点カメラ 2021年2月18日の日記

海外memeに「Anti Piracy Screen」というものがある。ホラー要素を含むので苦手な方は検索しない方がいい。「Anti Piracy Screen」とはゲームが違法コピー(海賊版)を検出した場合に表示される警告メッセージの画面のことで、YouTubeなんかで検索すると任天堂のゲームの警告メッセージが大量にヒットする。ゲームのキャラクターが投獄されたり、あまりに怖いBGMが鳴ったりと、海賊版を遊んでいる不届き者に対する強い恨みのようなものが感じられる造りになっている。

とはいえ、それらのほとんどがファンが創作した「ない」画面であり、表示される怖い画面やBGMもゲーム内には存在しないデータである。DDLCでもそうだけど、ゲームが崩壊する演出ってなんであんなに怖いんでしょうね。一方的に「遊んでいる」と思っている対象がコントロール不能になり、最終的にはこちら側に干渉してくるのが主客の逆転としての恐怖を煽るのかな。「Anti Piracy Screen」は海賊版という対象が想定されている明確な敵意に則った映像であるという点も「ありそう」感を膨らませているのかもしれない。海賊版撲滅に向けての啓蒙としては面白い。『nintendogs』のやつが悪趣味で好き。

香川に帰りたい気持ちを昇華させてやるために香川の風景を映したDVDを延々と再生している。砂浜と夕陽の映像がお気に入り。定点カメラ置いてくれないかな。

土地にまつわる文章を書こうとすると、どうしても「その土地ならでは」を強く押し出し過ぎて地元紹介VTRのノベライズ版になってしまうことがある。その土地を書きたいのだという露骨さを見せずに、かつテーマに沿うような文章の塩梅はどこにあるのか考えている。

その土地の空気を書くのが一番綺麗なんだと思うけれど、言うは易しというやつなんだと思う。明確な場所を想定して文章を書くのは二次創作で私が得意としていたやつなんだけど、それをSFでやろうとすると途端に難しくなる。場所をそのまま書くだけでなく、それを現実からスライドさせて設定に接続させていくのはかなり高度な技術であるような気がする。土地の空気とやらを言語化し、その核だけ残して目に見えているものを解体していく力が求められている。好きな土地に対してアプローチできるような言葉を鍛えていきたいものです。

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