ファンメイドタグ打ちサイト 2021年2月20日の日記

習作の設定を考えている。設定とか言い出したことでまたSFを書く気満々だということに自分で気づいた。すっかり「SFのオタクですよ」みたいな振る舞いをするようになったけれど、その実まだSFを読み始めてから数ヶ月しかたっていないよわよわヒューマンなので、そのうち闇討ちに遭うのではないかと不安に思っている。いまだに「これSFって言って大丈夫ですかね……?」と他人の顔色を窺っている。用語がそれっぽかったらSFでいいのかな……? 例えば有川ひろの『塩の街』は視認によって身体が塩へと変わる巨大な塩の柱を扱った小説であり、その塩の柱は「暗示性形質伝播物質」と名付けられている。めちゃくちゃ格好いい。

音楽でもそうだけどジャンル分けというのは似たものを漁るのには便利な発想であるけれど、往々にしてその周辺部を掴み損ねる元になってしまうものでもある。小説投稿サイトにおけるタグ付けなんかはかなりそれを解消してくれる発想である気がするので、もう少し商業出版でも流行ってくれないかなと思っている。「SFかつ百合かつアジアかつ短編の小説を読みたいな~~~」と思ったときに「SF」「百合」「アジア」「短編」とタグを選ぶと表示されるやつ、欲しい。思ったけどこれアキネイターじゃん。アキネイター方式で病気を診断するサービスがあった記憶もあるし、割と使い勝手はいいのかもしれない。ちょうどフローチャートほどはガチガチに道が定められておらず、かつサブスクほどにはサービス提供側に選択が委ねられていない塩梅のところにアキネイター方式はあるのだと思う。

ただ、タグもジャンル同様に「タグをつけるか」というところにおいてまだ周辺部にある小説が上手く拾いきれない。私なんかも二次創作ではなんのこだわりかなるべくタグを減らそうとしていて、二次創作の作品名とメインキャラ以外のタグは付けないし、他のユーザーからのタグ編集もできない設定にしていた。いまして思えばほとんど関係のないタグをつけてでも読んでくれる人を集めようとする、タグを逆手に取ったネット小説の文化が苦手でそれに対するカウンターとしてやっていたのだと思うけど、タグは適切に使うことで読みたい人と読んで欲しい人の利害が一致するいいものになるのだと思う。

やっぱり商業出版ではこの辺りも管理しやすそうだし、タグ打ちしてもらえるととても嬉しい。ファンメイドでやってもいいかもしれないけれど、もうすでにあったりするのかな。ある程度かっちりしたルールをもって、誰がタグ打ちしてもそれなりに同じ出力が得られるようにした状態で小説にタグをつけて検索できるようにした情報共有サイト、かなり需要あると思うけど。

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