なばやまそうどう 2021年7月16日の日記

よし、今日はWikipediaのおまかせ表示機能で出てきた記事を読んで思ったことを文章にするやつをやろう。

相良長福(さがら ながとみ)

肥後国人吉藩の第14代藩主なのだとか。茸山騒動の話、すごいな。1841年に起こった百姓一揆らしいのだけど、その発端になったのが藩政改革のために導入した椎茸栽培。作物や椎茸を特権的に販売できる座が設けられた一方、農民は作物に課税が掛かったり椎茸山への入山が禁じられたこともあって一揆を起こしたのだとか。つい200年前に椎茸がきっかけになって切腹することになった騒動があるだなんて、生活があまりに違っていてくらくらしてしまう。2200年には私がいまこうして「限界だし暴れようかな」なんて考えているのを見て「こんなことで暴れなければならなかった時代もあったのか……(2200年の言語)」と驚いているかもしれない。そうだ、君たちの言う「こんなこと」が私たちには割と本気で深刻な問題なんだ。

茸山騒動は「なばやまそうどう」と読むらしいのだけど、なかなか茸を「なば」とは読めないよな。漢字ペディアには「きのこ」や「たけ」などの比較的馴染みのある読みは書いてあるものの、「なば」の記述はない。特殊な場合にだけ使うのかなと思って苗字由来netで検索をかけてみると茸谷(なばたに)や茸木(なばき)などがヒットした。現代ではあまり使われていない読みなのかもしれない。こういう読み方ってどうやって正解を知るんだろう。例えば紙のような文字媒体に「茸山」と書いてあったとしても、その音が分かるわけではないし。この辺りの資料って、特に音を記録することのできなかった時代には残せないものだし結構難しいんじゃないのかな。ルビが振られているために(発声の変化はあるかもしれないけど)今見ても当時どう読まれていたかわかるものがある一方、地名や固有名詞など、あまり広く使われていなかった言葉なんかについては読みが残っていないことも十分考えられるだろうに。

でも、例えば「本能寺の変」だって当時その事件が起こっている途中は「明智の奴が謀反を起こしたぞ」という具体的な出来事が積もっていっている過程であるはずだし、後年になって振り返ってから「本能寺の変」という名前が付けられているわけだ。こういう歴史的な事件って、どうやって名前をつけているのだろう。有機化合物であればIUPAU規則に基づいて決定することができるけど、歴史的な事件の命名はかかわった人間や集団、場所、元号なんかがかなり感覚的に組み合わさっているように見える。調べても全然わからなかったけれど、要は「歴史的な事件の命名ってどうやってやってるの?」ということと「その読み方の正しさを確保することができないものの存在」という二点がなんだか気になった。あんまり史学には造詣が深くないのでまた詳しい人と喋る機会があったら聞いてみたいな。

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