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いつか、きみと・3-3
タワーに住んでいると、タワーの住人としてオーダーができるから、サンドイッチや飲み物をオーダーしても【無料】なのだけれど、どうやらレンはタワーの住人ではないらしい。
仕事はしているから、報酬はもらっているみたいだし、基本的な生活も保護されているようだけど、本人もわからないことは聞けない。
「届けても届けても、荷物が増えるね」
「うん」
「そうだ!こんなの見つけたの」
バッグから、手袋を取り出してレンに差し出す。
「…くれるの?」
「もちろん。手、冷たいでしょ?」
レンの指先は冷えて赤くなっている。
「ありがとう」
「ふふふ」
喜んでもらえて、うれしいな。
「荷物が持ちにくくなっちゃうから、指先は冷たいままかもしれないけど…」
手のひらだけの手袋。
「ううん、すごく暖かい」
「あと、ここが滑りにくくなってるんだって!」
手袋をはめたレンの手をつかんて、レンの手のひらを人差し指で押す。
「ほんとだ。すごいね!」
「でしょ~!」
手袋はもちろん、基本的な衣類には入らない。
こんなに短期間で3つもオーダーするなんて思ってなかったけれど、プレゼントを喜んでもらえるのはうれしい。
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