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いつか、きみと・3

6
わたしが知っている【現実】と、まったく別の【現実】。だけどどちらも【現実のこと】
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2020年5月の記事一覧

いつか、きみと。3-6

【それ】が【涙】だってわかるまでの、タイムラグ。

わたしの心と身体が、ちょっとだけ離れたところにあって通信しているみたいになる。

レンはわたしよりも幼いはずなのに、ときどきわたしよりも年上なのかと思うことがある。

…でも、年齢っていうのは身体ができあがったときの【記号】みたいなもので、知識や経験にはなんの関係もないものだと思う。

それに、おなじ年齢だったとしても、身体の作りや成長、大きさだ

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いつか、きみと・3-5

「だ、大丈夫だよ。帰ってからちゃんと進めてるよ」

「疲れて帰って、カリキュラムをやるなんて、大丈夫じゃないよ」

時々、子どもらしからぬことをいう。

「明日は休んで欲しいんだけど…」

「イヤ!!」

レンが話し終わるか終わらないかのタイミングで、さえぎるように飛び出した自分の声におどろいた。

手が震えるのは、寒さのせいじゃない。

「…ルナ?」

震えてるのは手だけじゃなくて、ひざも肩も、

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いつか、きみと・3-4

それに、報酬なんてずっと使わずにいたから、こんなうれしい使い方もあるんだなぁ…ってわかったこともうれしい。

今はまだ、本格的に仕事を受けていないけれど、カリキュラムを受けながらでもできる仕事をたまに受注している。

報酬が欲しいというよりも、仕事をしてみたいとか、自分がどれくらいできるのか試してみたくて仕事を受けてみた。

あとは、誕生日や記念日に両親からプレゼントのリクエストを聞かれて、とくに

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