エンゲルベルクから4HT(ジャンプ週間)の結果を予想できるか?その1
なぜ調べたか
毎年、4HT(ジャンプ週間)直前に開催されるスイスのエンゲルベルク大会。当然、4HTの前哨戦として毎年注目する人も多く、それぞれの成績を見比べて、その傾向を知りたいと思いました。
そこで、2003/04から2022/23まで20シーズンの結果を調べ、エンゲルベルクで表彰台に立った選手のうち4HTで総合3位以内の選手は何%か、逆に4HTで総合3位以内になった選手がエンゲルベルクでどんな成績を収めているか、FIS公式データおよびベルクッチから確認しました。
※なお、他の会場での代替試合がエンゲルベルクで開催されたシーズンもありましたが、計算が複雑になるので代替試合扱いの試合は除外しています。
エンゲルベルクで表彰台に立った選手のうち、何%が4HTで総合3位以内になるか
過去20シーズンで、エンゲルベルクで表彰台に1回以上立った選手は87人いました。そのうち、34%にあたる30人が4HTでも総合3位以内、そのうち13人が総合優勝しています。
また、エンゲルベルクの表彰台に2回立った選手は、54%が4HTの総合3位以内に立ったのに対し、エンゲルベルクで表彰台1回の選手は、その割合が25%と大きな差がありました。
続いては、エンゲルベルクで表彰台に立った選手が、4HTで総合3位以内に入る人数をシーズン別に調べました。すると、最多は1人の11シーズン、次いで2人の5シーズン、3人の3シーズン、0人の1シーズンの順でした。
またエンゲルベルクで表彰台に立った各シーズンの選手別の成績の表を貼り付けます。こちらもどうぞ。
4HTで総合3位以内の選手のエンゲルベルクでの成績は
さて、4HTで総合3位以内に入った選手ですが、50%がエンゲルベルクで表彰台に1回以上立っていることがわかりました。
ただし、順位によりその割合に差があります。総合1位は62%、2位は47%、3位は40%がエンゲルベルクで表彰台に立った選手でした。
また4HT総合3位以内の選手のうち、エンゲルベルクの表彰台に立っていない選手の成績も調べました。
すると、73%の選手(30人のうち22人)がトップ10を一回以上マークしたことがわかりました。各選手の成績は以下のとおりです。
考察
4HT直前のエンゲルベルクで表彰台に2回立った選手は50%以上が4HTでも総合3位以内に入っていることから、優勝候補と考えられますが、エンゲルベルクで表彰台に立った選手が、4HTで総合3位以内に入る人数をシーズン別に調べると、1人が最多でした。直前に調子が良かった選手でも、決して確実に4HTで総合3位以内に入ることはできない、難しい戦いと言えます。
また、4HTで総合3位以内に入った選手のうち、50%はエンゲルベルクで表彰台に立っていないこと、その選手たちの73%がトップ10に入っていることから、彼らもまた4HTの表彰台争いの候補者であると考えられます(ただし、今回エンゲルベルクで4~10位に入った選手の総数は数えていないため、どのくらいの割合で4HTの3位以内に入るかはわかりません)。
過去のデータからみてエンゲルベルクだけの成績から4HTの1位から3位の選手を予想した場合、3連単はもちろん3連複でもぴったりと当てるのは難しいと思われますが、少なくとも表彰台争いをする候補者を推定することはできそうです。
まとめ
・過去20年間にエンゲルベルクで1回以上表彰台に立った選手は87人おり、そのうち34%にあたる30人は4HT総合3位以内、13人が総合1位になっている。
・残りの66%にあたる57人のうち、44人(77%)の選手はエンゲルベルクで表彰台1回のみの選手だった。
・エンゲルベルクで2回以上表彰台に立った選手は、50%以上が4HTの総合3位以内に入っている。
・シーズン別にみていくと、エンゲルベルクで表彰台1回以上かつ4HT総合3位以内に入る人数は1人が11大会、2人が5大会、3人が3大会、0人が1大会あった。
・4HT総合3位以内の選手のうち、50%の選手がエンゲルベルクで1回以上表彰台に立っている。
・4HT総合3位以内の選手のうち、50%の選手がエンゲルベルクで1回以上表彰台に立っていないが、そのうち73%の選手が4~10位に1回以上入っている。
・過去のデータからみてエンゲルベルクの成績から4HTの1位から3位の選手を予想した場合、3連単はもちろん3連複でもぴたりと当てるのは難しいが、2試合の結果から表彰台争いをする候補者を推定することは可能。
次回予告
今週末のエンゲルベルクの試合結果をもとに、4HTの総合3位以内の選手を予想してみます。来週末投稿予定です。
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