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「ぐうたらの刑」 ぐうたらは尊い。

こんにちは、aoitatanです。

ついに、ついにこの日が来ました。2021年1月13日(水)に、新作のZINE(自主制作本)を発売します!その名も、「ぐうたらの刑」

12月これを毎晩描いてて、あーなんでフルカラーにしちゃったんだろうとか後悔しながら、でも自分が読むならカラーがいいんだとか思いながら何とか描き上げました。

2019年に販売した1冊目のZINEは「take a break」というタイトルで、人にはいろんな「しない権利」があるんだよ、という話を絵と言葉で1冊の本にしました。で、今回は「ぐうたらの刑」。要は「黙ってぐうたらしとけ!」というメッセージですね。

“これまで忙しかった日々に、そしてじっとしなければならなかった2020年に考えたこと。”

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「ぐうたらの権利」じゃないんです。「ぐうたらの義務」でもない。「ぐうたらの刑」。ペナルティーです。無理やりベッドにひもでくくりつけられて、「さあ!思う存分ぐうたらしろ!!!!」と処せられるイメージでつけたタイトルです。笑 なんのこっちゃって感じですが!それくらい、人々は無理やりにでもぐうたらしないといけない!と考えている自分の価値観をぶつけたタイトルになりました。これは本誌部分ができるずーっと前からつけていた名前です。

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さて今回のテーマである「ぐうたら」って、堕落とか怠惰みたいに思われることがあるんですが。私は、ぐうたらするって、めっちゃえらいと思うんです。

だって、ぐうたらする人は、心を休めることの意味を知っている人。体を休めることの意味を知っている人。ほかの人にもぐうたらする時間をあげられるひと。立ち止まれる人。立ち止まることを怖がらない人。ぐうたらすることを無意味だなんて言わない人。要は強い人なんですよ。文句言わせずにぐうたらできる人は強いんです。そして自由な人でもある。

私は結構自分を追い込んで前に進んでいって倒れるタイプなので、特にこの「ぐうたら」を意識して生きています。汗 平穏な生活リズムの中にもクリエイティビティが宿るって証明したいんです。ぐうたらして、遊んで、作って、考えて、作って、それですてきなものが作れるはずだって信じてるんです。道のりは長いですがw

とはいえ、かつて私はぐうたらしてない学生でした。受験戦争を戦争してました。部活もやりまくったし。文化祭もやりまくってた。忙しいティーンでした。そうやって、走り続けて、スウェーデンに留学した19歳の時。ここで大きなぐうたらのカルチャーショックがありました。スウェーデンという国全体に広がっているあの「スローライフ」感、ガチなんですよね。まやかしのスローライフじゃなくて本当にスローライフできている衝撃。あそこでひとつ、自分の中でシフトが起こったと思います。

まず残業しないし。おじさんとかが真昼間に歩きながら嬉しそうにアイスキャンディーなめてるし。ベビーカーを押してるパパが平日昼間に公園でおさんぽしてるし。夜はみんな帰って家族と過ごしてるし。満員電車とかないし。みんな顔死んでないし。なんか、世界って本当はこうあるべきだよね?ってずっと自分がうすら思っていたことがすべて実現されてる世界だったんですよね。

ムーミンとか(ムーミン作者はフィンランドのスウェーデン語話者)、そりゃ生まれますわっていう。ああいう世界なら、ああいう物語が生まれますよ。東京からは生まれるわけないです。それが本当に衝撃で。人と競争して、進み続けないでもいいんだ。ただ今日を生きて、太陽を浴びて、楽しかった。それだけ。そんな人生でいいんだって、教えてくれたのはスウェーデン。そこで自分の目で見たことを帰国しても忘れちゃいけないなと思ったわけです。

留学してた街の写真。

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素材写真とかじゃなくて普通にふらっとデジカメで私が撮影してこの美しさ。えぐい自然。えぐい空。こんな美しいんだけど、こっちではこれが普通らしい。ありえん。こんな町に生まれてあくせく生きるなんて無理なんだぜ。今でも見ると泣いちゃいそう。

・・・といっても、留学したのは10年も前のこと。そこで感じた衝撃とか、経験って、何かに残さないとどんどんわからなくなっちゃうんですね。それがすごく怖くて、こうして作品に残しているんだと思います。

2年前にZINEを作った時は、冊子をレイアウトするのも印刷するのも初めてだったので、1枚に1つの絵+1つの言葉を繰り返すので精一杯だったんですね。でも、今回はそこを超えていきたくて・・・1冊の中での緩急とリズムを設計して、プチ読書体験としてきちんとお客様にプレゼンテーションできる構成にしよう・・・・と思っていました。

一冊の中でも、リズムがあるように。「はじめに」のエッセイ、マンガ、マンガ、マンガ、マンガ、エッセイ、一枚イラスト、エッセイ、マンガ、一枚イラスト、空欄、あとがき・・・・と、ページ構成もいろいろ考えて作りました。飽きないように。リズムよく、どんどん読みたくなるように。。

絵についても、SNSにアップした画の再掲ではないものにしたい。ということで、本になる前提でSNSには載せられないもの・・・マンガ!を何篇も描きました。初の試みです!そのマンガも、ひとつひとつ塗り方を変えたりして、いわゆる「定型」がない冊子になるよう心掛けました。マンガかなりかわいくできまして。ZINE用なので短いんですが。次は4ページくらいのものを書いてみたい(長編を書く道のりは長いw)

というわけで今回のZINE、フルカラー32Pなのですがすべてのマンガやエッセイが「ぐうたら」することについてのお話です!ぐうたらは、与えられるものじゃないから。ぐうたらは、自分で獲りに行けと。

なめんじゃねえ、ぐうたらしやがれと。そんな自分へのメッセージも込めて描きました。

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普段はささっと絵を描いてインスタにUPする日々ですが、こうやってきちんと締め切りを設けて、入稿して印刷して納品して、本というかたちにするとやっぱ違いますね。自分はこういう人間ですというプレゼンテーションになっている感じがするというか。また次回作も描きたくなりました~。

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今回のZINEは東京都駒沢にあるZINE専門店 MOUNT ZINEさんにて半年間発売されます!店舗はもちろん、オンライン通販完備ですので是非チェックしてみてくださいね。きれいで素敵なお店です。

それでは読んでいただき、ありがとうございました!

ZINE買ってください。



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