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3Dプリンターを用いた外装筐体のデザイン製作事例、および小規模量産のすすめ

指のリハビリマシン

3Dプリントの小規模量産に強い工業デザイン会社、
ツールワークス株式会社、代表の黒田です。

本日は指リハビリ機器の外装筐体のデザイン事例をご紹介致します。

リハビリロボット開発をなさっているスタートアップ企業様よりのご依頼となります。

簡単にご紹介すると、組み込まれたモーターを用い、麻痺箇所を繰り返し動作させることで回復する期間を短縮する支援をするロボットになります。

前からの様子

年配の方がご自宅でリハビリを行うための卓上マシン、との事で、リビングなどの生活空間になじむ形状・色味をご提案させて頂きました。

実装メカが複雑で、外装として覆うのが非常に難しかったのは内緒です。

実装メカ完成後に、外装デザインの依頼を頂きましたので、外装で覆うことを一切考慮されていないメカ機構部が完成してしまっておりました・・・汗

実装メカ機構、ファーストモデルにありがちなゴツさ!



パーツ分割により、出力コストを抑える

MJF出力は、1回につき、1辺40㎝の立方体空間にて出力を行います。パーツが小さいと、立方体空間へのレイアウト自由度が高まるため、1回に出力できる量が増えます。ですので、サイズを小さくすれば相対的に出力コストも抑える事が可能です。


出力状態

出力状態は少しザラザラしたグレーが混じった色味です。ABS射出成型同等の肉厚で、ABS以上の強度がございます。穴あけ後加工も容易です。


実装メカを組み込み

成形精度も射出成型同等に高く、一発で組み込みOKでした。

メカが詰まった内部


プレゼンテーション用の初号機なので、サクッと塗装を仕上げていきます。
MJF出力は、ミッチャクロン→プラサフグレー→希望の塗料、の流れで下地を作れば、展示会や試作フィールドテスト程度の耐久性が得られます。

大きいとパーツが増えて大変です。が、パーツを割ることにより出力費も70%~50%程度に抑えることが可能となります。

そうこうするうちに下地処理完成です。

着彩はご費用・ご納期の関係からお客様ご自身で対応して下さることになりました。

Fukushima Tech Create 2023成果発表会にて使用されるとの事。
イベントがうまくいくとよいですね!


まとめ

3Dプリント筐体の強度が向上してから、今回のような、テスト量産ケースで用いられる事例が増えてきました。

いつも弊社クライアントには申し上げているのですが、初期モデルから「金型製作」や「量産を見越した設計」を行うのはもったいないです。

市場に投入すれば、必ず変更したい箇所が生まれます。

3Dプリント筐体は1点あたりの出力コストは、射出成型と比較して高額ですが、金型での失敗を防ぐ保険と考えると許容できる範疇です。

また、金型設計まで踏まえた製品設計と比較し、難易度が低いため、設計費用コスト・開発期間、共に抑える事が可能です。