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800字日記/20221029sat/113「秋のマルチタスク」

目覚めると正午だった。快晴。秋晴れだ。LED球がつけっぱなしだった。立つ。スイッチを消そうと伸ばした肩にするどい痛みが走る。針を刺すような激痛だ。肩はまったくあがらない。四十肩か。ロードバイクのメンテも必要だが自分のメンテもやらねば。お金がかかりそうだ。

そうじをする前に、洗濯機に衣類を放ってまわし、ホットプレートでみそ汁を湯煎しながらすこし書く。小ネギも入れようと思い、冷蔵庫に戻ってタッパーを取り出す。ネコは机の脇の寝床にもぐって寝る。

ひと段落。寝床のネコの写メを撮ろうとして、肩に、激痛がはしった。洗濯機のブザーがなる。ネコは起きてベランダにむかう。


そういえば執筆のときから背後でパキパキと妙な音が鳴っている。キッチンに行って悲鳴をあげそうになる。みそ汁がグツグツ茹っている。時計を見る。小一時間が経っていた。風味がすっかりとんだ沸騰したみそ汁。食べられない。トイレに流す。納豆を食べようと冷蔵庫を見て愕然とする。マヨネーズの蓋が支えていて扉は開いたままだった。


ベランダを見ると陽は落ち始めている。「干すべきか干さぬべきか」と、独りごちて、キッチンで立ったまま納豆ごはんを食べる。ネコが足元にすり寄ってくる。

「後で。まだそうじも始まってない」

掃除の前にまずは洗濯物を吊るさなければと思い、バスケットを抱えてベランダに出る。陽射しが温かい。半時間でもせんべい布団を干すか。ネコは遊んでおくれと甘え声で鳴く。


こんな近くに神社を発見、今度、探索してみよう。

布団と洗濯物を干して、シンクで洗い物をして、部屋のそうじをした。肩が上がらぬまま畳に腰を下ろしてネコの前に猫じゃらしをふる。ネコはまったく乗ってこない。綿棒に代えて目先に放ると勢いづいてはしゃぎ始める。

裏山に映える夕陽

こりゃあマルチタスクだな。

燃えるように鮮やかな鶏頭

陽が暮れてきそうだ。干したばかりの布団を取り込んで戸締りをする。ロードバイクを担いで出る。陽が落ちるのは速い。秋の竹藪の神社の入口、夜の漁港が印象的だった。

閉鎖された学校かと思っていた廃墟が、養護老人ホームでリニューアル
夜の漁港

(800文字)

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