マガジンのカバー画像

丸山健二式日課・《語彙の三語三文》:手書き帖

11
文字を扱うには語彙を増やす。 それを手で扱うことが第一。 手で書く。 三回書く。 ほんとうは手書きでやっているのを、noteように再度タイピングしました。
運営しているクリエイター

#語彙力ほしい

《語彙の三語三文》:手書き帖 5.14〜5.21

五月十四日(火) 【野面・のづら】 ⑴我々は赤ちゃけた野面を渡ってきた。 ⑵野面を渡る風にのって、女の匂いが、ぷんと、あたり一面に漂った。 ⑶「君は野面だ!」 「どういういみだ!?」 「恥を知らない厚かましい顔、鉄面皮(てつめんぴ)さ!」 【然迄・さまで】 ⑴アパッチ族が鉄を食うことは、さまで珍しがることではない。 ⑵彼が東大を受かったのは、さまで気にかけてない。 ⑶さまであの男は、二枚目でないよ。 【よしみ・誼み・好み】 ⑴「おいきみ、ぼくをよしみを結ぼう」 ⑵昔のよ

《語彙の三語三文》:手書き帖 5.7〜5.13

五月七日(火) 【算・さん】 ⑴あの賊ら、算を乱して逃げていった。 ⑵机だの、卓子(テーブル)だの算したなかを拾って通った(鏡花➡︎婦系図) ⑶胸中の目論見が、算するがごとく、当たった。 【赤銅色・しゃくどういろ】 ⑴赤銅色は赤銅のような色です。 ⑵黄色みがかった暗い赤茶色が赤銅色です。 ⑶「赤銅色がしゃくどういろって読むのを、初めて知りました」 「だから、それは胸の内に思っていればよろしいことです」 【半弓・はんきゅう】 ⑴半弓をかまえる。 ⑵大弓が長さ七尺五寸(約2

《語彙の三語三文》:手書き帖 4.30〜5.6

2775文字・15min 四月三十日(火) 【宵の口・よいのくち】 ⑴八時や九時はまだまだ宵の口だ。もっと飲もう! ⑵われわれは宵の口、二時間をかかって、例の仕掛けを施した。 ⑶宵の口、宵の年、わたしは宵の明星を見上げる。私の出所まであと四十五年……。 【渇・かつ】 ⑴渇をおぼえる。 ⑵いくぶん、渇は癒えた。 ⑶「渇を臨みて井を穿つ。せんせい、意味を教えてください!」 「まずじぶんで調べる癖をつけなさい」 「だってー。しりたいんだもーん」 「必要に迫られてから慌てて準備

《語彙の三語三文》:手書き帖 4.23〜4.29

2796文字・15min 四月二十三日(火) 【にっちもさっちも】 ⑴「にっちもさっちも」って漢字は、「二進も三進も」って書きます。 ⑵借金はふえすぎて、ニッチもサッチも行かなくなった。 ⑶「ニッチもサッチモってなんですか?」隙間産業とルイ・アームストロングです。あれ? 話が逸れた? こりゃあニッチもサッチもだ。 【意表・いひょう】 ⑴相手の意表を突け! 風穴を開けろ!(おれってかっこいい!) ⑵それは意表外な展開だった。 ⑶それは意表とつく人事だった。私が社長に選ばれ

《語彙の三語三文》:手書き帖 4.16〜4.22

  2417文字・15min 4/月16日(火) 【不逞・ふてい】 ⑴「不逞な輩は根絶せよ! 」 ⑵「キサマこそ不逞の匪徒(ひと)だ!」 ⑶「勝手気ままにふるまって、アナタ不逞だわ! 」 「毎晩、おれに抱かれるためにそのドアを開ける君は何者だい? 」 【匪徒・ひと】 ⑴匪徒・匪賊を根絶やせ! ⑵「だがね、君は澤くんを匪徒だとかいうが、ウチの界隈じゃあちょっとしたモンだぜ」 ⑶徒党を組んで匪徒が再来してきた。 【電光石火・でんこうせっか】 ⑴電光石火は夏目漱石がつくっ

《語彙の三語三文》:手書き帖 4.8〜4.15

2730文字10min 四月八日(月) 【馥郁たる・ふくいくたる】 ⑴馥郁たる梅の香り ⑵「馥郁たる子さーん!」 「ハーイ!」 「診察室五番からお入りください」 ⑶馥郁たれりこの梅、この桃、この女の太もも 【悴む・かじかむ】 ⑴寒すぎる。手足が悴んできた。 ⑵「手が悴んでハシがモテない」 「ブリッジのハシかい?」 ⑶悴む手女は千も万も擦る / 誓子 【拗ねる・すねる】 ⑴「マサル。そんなに拗ねるないでよ」 「なんだよマサヨそんなに拗ねなくても良いじゃないか」 「あのふ

《語彙の三語三文》:手書き帖 3.25〜4.7

5300文字・15min 三月二十五日(月) 【怪傑・かいけつ】 ⑴怪傑ゾロなどの固有名詞は名称通りに書く ⑵あれは! 怪傑ホンギルトン! いや、魁傑ホン・ギルトン(洪吉童)だ! ホン・ギルトンとは、かつて半島を喰いものにした日本軍をそのたぐいまれな武拳と運動神経をもって列島に撤退させた伝説的な少年兵として共和国にしられる。いまなお労働第一テレビで夕方から放送される国民的アニメ「魁傑! ぼくらのホン・ギルトン」。そのテレビはキム・スリンの子どもころの唯一の娯楽だった。ホン

《語彙の三語三文》:手書き帖 3.11〜3.24

三月十一日(月) 【爛れる・ただれる】 ⑴あなたの内臓が爛れるまえに、ワクチンを接種してください。 ⑵爛れる声から呼ばれた。 ⑶爛れよ! もっと焼けるように魂を爛れさせよ! 【聳やかす・そびやかす】 ⑴肩を聳やかしてあるく。 ⑵もっと己のプライドを高く、空に聳かせ。 ⑶敵陣は丘に要塞をつくった。巨大な鋼鉄の城は我々の眼前に聳やかされた。我々は戦慄にのまれた。 【厭う・いとう】 ⑴我、君を厭う。狂おしいほどに。 ⑵厭えども厭えども君が好きだ。 ⑶厭はれてこそ、愛。 三月

《語彙の三語三文》:手書き帖 3.3〜3.10

三月三日(日) 【埒・らち】 ⑴「まったく、このままじゃあ埒があかないぜ」 ⑵お前の話は埒もない。 ⑶この問題は課長の埒外だ。 【粉飾・ふんしょく】 ⑴この木に五千円分の粉飾を施してくれ。 ⑵年度末粉飾決算大バザール! ⑶「君、その顔は化粧か? 粉飾か?」 【押し並べて・おしなべて】 ⑴おしなべてこの手の問題は厄介だ。 ⑵今年の稲作はおしなべて豊作だ。 ⑶あの事件後、市民はおしなべて安堵に向かっている。 三月四日(月) 【陰険・いんけん】 ⑴陰険に僕を責めないでくれ

《語彙の三語三文》:手書き帖 2.24〜3.2

日記に入れていたのですが、日記から分けようと思います。 (マインドマップみたいに整理するととてもわかりやすいですね) noteの僕のサイト自体がじぶんの過去のマインドマップのようにさせたい。 noteを後にじぶんで見返すことのできる「検索用のキャビネット」になりますね。 計画は、毎日アップする時間はないです。 短歌で随時アップですので時間をとられすぎです。 日記は半月に一度にアップ。 《語彙の三語三文》:手書き帖は週に一度(一週間分)をメドに。 纏めてアップしたく思いま