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プロット沼(倉庫)。

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日々プロットを作っていき、脳裏に沈めておく沼(倉庫)です。随時サイレントアップデート。
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2024年2月の記事一覧

「上陸者」ボツ原稿_fact.3〜fact.26@プロット沼

21027文字・60min ■サービス稿です。序章から。(改変の可能性が高いため) ================== プロローグ 浜  海中に蟹がいる。蟹は、海中で泡だった波に揉まれ、前に後ろにたおれ、からだを起こす。蟹はじぶんが蟹という認識はない。蟹はニンゲンとはちがうシステムで考え、海のなかをあるく。蟹はニンゲンのことば、言語、その意味と概念とは別の世界で生きる。蟹の突きでた目に、黒色に死んだ藻にアオサが絡まる。泡で揉まれて水流で消える。波に押し流され、蟹は滑

「上陸者」ボツ原稿_fact.2闇の中の声(703文字)@プロット沼

fact.2 闇の中の声(703文字) 「で、きみたちはほんとうに見たのか? おのれのまなこで」  男のことばは闇のなかで響く。  暗闇に男のことばはとどまりつづけた。ぼくらは闇に同化しているはずだ。けど、男のことばはこの闇のどこかに浮遊したまま、ピンで磔(はりつけ)にされている。ふたりの少年はそんなふうにかんじて、からだをぶるっと顫(ふる)わせる。  ふたりの少年は息を殺して、つないだ手を、かたくさせる。おばけになろう。いつもやっているように。ふたりの少年は目をつぶっ

「上陸者」ボツ原稿_fact.1@プロット沼

782文字・15min プロローグ  海中に蟹がいる。蟹は、海中で泡だった波に揉まれ、前に後ろにたおれ、からだを起こす。蟹はじぶんが蟹という認識はない。蟹はニンゲンとはちがうシステムで考え、海のなかをあるく。蟹はニンゲンのことば、言語、その意味と概念とは別の世界で生きる。蟹の突きでた目に、黒色に死んだ藻に絡まるアオサが引っかかる。泡で揉まれて水流で消える。波に押し流され、蟹は滑るように浜にあがる。濡れて黒色に光る玉砂利のうえを器用にあるく。空は防波堤とおなじ色だ。寒い。蟹

一月下旬 / 執筆は苦痛だが、理想の生活。

14000文字・15min 一月十六日(火)晴れ。体重93.2kg 体調はわるい(朝はひどい)。 九時半に目覚める。憂うつだ。十九日に精神科に行くのだがそのせいだと思う。「職場に行くと思だけで急に悪寒や吐き気や体調を崩すひと」がいるがそれとおなじだ。やはりダメ。ベッドに伏す。十一時半にようやく起きる。切り替えて第二書斎でやることに。昨日のハンバーグで昼食。第二書斎をクイックルワイパーで掃除する。猫が膝に乗って壁に貼った「羊をめぐる冒険」の目次をにらむ。夜は集中できず。夜半